1: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:28:40.60 ID:QKnXaulJ0

俺ガイルとモバマスのクロスSSです。

モバマス勢がメインなので俺ガイル側の出番は少ないです。

ヒッキーのこれじゃない感はご容赦を。

ヒッキーと凛ちゃんが、大好きです!



前前前々スレ
八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」

前前々スレ
八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その2だね」

前々スレ
八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その3だよ」

前スレ
八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」




19: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:34:50.50 ID:QKnXaulJ0











漕ぐ、漕ぐ。



ペダルを全力で踏みつけ、自転車を走らせる。


もう、体力も限界に近い。
ゼェハァと、息が切れる。


けれど、そのスピードは緩めない。


ライブ会場まで、もうそう距離は無いはずだ。
このまま行けば、間に合、うッ……!?


ガクンと、力が空回りするのを感じた。


軽くコケそうになり、足を踏み外したのかと錯覚したが、そうではないらしい。

見れば、チェーンがまた外れていた。



親父ぃーー!?
やっつけ仕事かオイ!!



……まぁけど、



八幡「ありがとよ畜生ッ!!」



近くにあった駐輪場付近にチャリを乗り捨て、再び走り出す。
若干申し訳ないが、今は事態が事態だ。


ちゃんと後で回収しておく。材木座が!



24: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:36:28.53 ID:QKnXaulJ0

限界が近い足で、走る。


くそっ、こんな事なら、普段からもっと運動しておくんだった。
そんなテンプレな後悔を胸に抱きつつ、それでも足は止めない。

とにかくひたすら、走れ。



八幡「…っ………く……!」



こうして走っている間にも、

思い出すのは、一人の女の子。



『ふーん、アンタが私のプロデューサー? ……まぁ、目が腐ってるとこ意外は悪くないかな…。私は渋谷凛。今日からよろしくね』


『隣で私のこと……見ててね』


『なんで私も連れてってくれなかったの!?』


『いやいや、その前に、プロデューサーの正式な担当アイドルは私だからね?』




八幡「っ……はぁ……ッ!」

走れ……



25: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:37:53.93 ID:QKnXaulJ0

『ここまで来れたのは、プロデューサーのおかげ。…………ありがとう、プロデューサー』


『ホント、プロデューサーは腐った目の割に、よく見てるよね』


『い、一番、大切な人…………ふーん、そっか。そうなんだ……』




八幡「……っ……はぁ……はぁ……!」

走れ。




『ずっと……こんな日が続くといいね』


『じゃあ…………私、頑張るから』





八幡「くそっ…………っ…!!」


走れーー






『さよなら』






八幡「っ……ぐっ……あぁぁあああああああッ!!!」



走れッ!!!



26: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:39:01.75 ID:QKnXaulJ0

ただただ、走り続ける。



恥も外聞も、何もかもを捨てて、ひたすら。

柄にも無いと思う。



けど、



そんな事、考えてる余裕も無かった。








ーーそして、見えてくる。



シンデレラプロダクション、アニバーサリーライブの会場が。

凛が、いる場所が。



八幡「はぁ…はぁ…………やっと、着いた…」



息を整えつつ、とりあえず時間を確認。
大丈夫だ。まだ雪ノ下が言っていた時間まで少しある。

何とか、間に合った。



27: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:40:23.83 ID:QKnXaulJ0

八幡「つーか…はぁ……どこに、行けばいいんだ……?」



会場に入るのはいいが、真っ正面から行ったって警備員に止められる可能性がある。
雪ノ下たちが説明してくれているといいんだが……


……つーか、全力疾走のダメージが案外キツい。
ちょっと吐きそう。


フラフラとおぼつかない足取りで歩き、会場玄関をくぐる。
会場内に入れないとはいえ、辺りには人が多い。

ライブを見れなくとも、声を、一目でも、というファンで溢れていた。


正直ゴシップ記事で顔バレしているから、気付かれないかと不安だったが……バレる様子はない。
安心したけど、それはそれで複雑だな。

所詮は、俺への興味などその程度なのだろう。

凛が解放された今、そのプロデューサー等どうでもいいらしい。


とりあえず一番可能性の高い、関係者以外立ち入り禁止の所まで行ってみたが……

やはりというか、警備員に止められた。



八幡「いやだから、確認して貰えれば分かる筈なんです」

警備員「君ね、そんな言い訳こっちは飽きる程聞いてきたわけ。大体、君みたいな若い関係者見た事無いよ」



七面倒とばかりに言う警備員。
いや確かにその通りだから困る。ぐうの音も出ん。

いやはや、俺が困っていると、しかし女神は現れた。



28: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:41:34.74 ID:QKnXaulJ0

未央「警備員さん、その人は大丈夫だよ☆」

卯月「ちゃーんと関係者ですから、安心してください♪」



島村と本田が、そこにいた。



八幡「お前ら……」

警備員「しまむーにちゃんみお……!? あ、これは失礼しました!」



思わず素に戻った警備員が、慌てて謝罪する。
つーか、お前もアイドルオタクかい……



卯月「やっと来たんですね。凛ちゃん、まだ控え室にいる筈ですから」

未央「ちゃちゃっと行ってきなよ。ここは私たちに任せてさ」



そう言って、二人は道を指し示す。

この先へ行けば、凛がいる。


……思えば、この二人は凛に次いで長い付き合いのアイドルになる。
もしかしたら、凛ではなくどちらかのプロデューサーとなっていたかもしれない。

二人は俺の事を、プロデューサーだと最初から言っていた。

なら、俺も、誠意を持って答える。



例え、今はプロデューサーじゃなくっても。



29: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:43:00.67 ID:QKnXaulJ0

八幡「……ありがとな。卯月、未央」



本当に感謝の気持ちを込めて、言う。

そして俺の言葉に二人は驚き、やがて微笑む。



未央「全くもう。……言うのが遅いよ!」

卯月「今それを言うなんて……ずるいです」



悪いな。

素直じゃないのが、俺なんでね。


俺は苦笑し、歩き出す。


警備員が一瞬止めにかかるが、それも卯月と未央に制される。


後は、二人に任せよう。



後は、この先へ向かうだけだ。



30: ◆iX3BLKpVR6:2014/08/11(月) 02:44:52.27 ID:QKnXaulJ0











何処からか、歓声が聞こえてくる。



きっと、今頃ライブは最高潮になっているんだろう。

それに引き換え、裏側は静かなものだった。


廊下を歩く内に、会場の奥へと自然と進んでいく。
控え室付近は人が少なく、ほとんどのスタッフが

1/5

続きを読む