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WiiUが本領を発揮した年


藤田 しかし、WiiUって、スペックが低いとか、コントローラーがでかすぎる(タッチパネルの液晶がある)し意味がないとか、散々言われてきて、ぼくもそう思ってたんですが、マリオメーカーと『スプラトゥーン』で、ようやく本領を発揮してきましたね。

飯田 しばらく「もうゲームでファミリー向けとか全年齢向けで広い層狙うなんてムリっすよ」「このモバイル全盛の時代に、据え置きハードで勝つなんてムリムリ」みたいに言われてきたのを見事にひっくり返した。正直、僕もナメてました。土下座します。任天堂、さすが!

藤田 インディーやネットで実験的にやられていたものを、悪い言い方をすれば「刈り取った」、いい言い方をすれば「取り入れた」。柔軟な姿勢で、ぼくは任天堂を見直しました。
 インターフェイスとか、作りやすさ、遊びやすさのデザインの部分が、圧倒的に優れているんですよね。『メタルギア』も、動きの気持ちよさは相当高かった。日本のゲームの優位性もまだまだあるなと感じました。

飯田 これで来年スマホ向けでも仕掛けてくるわけでしょ? そっちもうまくいったら本当にすごい。もちろん、任天堂も全部がヒットしているわけではないけど……当たったときの「やられた」感、ゲーム体験の独自性は脱帽するしかないところまでいくので、楽しみにしています。

藤田 発想の方向性が、自由なんですよね、ハードとかをいじって、ゲームを取り巻く環境から変えていく、遊び方を作っていくっていう発想だから、ゲーム内世界を作り込む傾向のある海外メーカーとは、ちょっと発想が違う部分がある気もします。任天堂、健在なりです。