社会で働くのはRPGでキャラクターを育成するのに似ている。直接攻撃にパラメータを振るか、後衛向きのスキルを身につけるか? ね、ゲームっぽい。 本noteでは、一貫して企業をまたいで活用できる汎用性の高いスキル開発の必要性について熱っぽく語ってきた。だけど最近になって、別の考え方もあるな……とふと思ったので、筆を執る。 というのも、これまで経験則で語ってきた話は、労働経済学の用語ですでに企業特殊的熟練/一般的熟練と名づけられて、議論のテーマとしてはよくある性質のものだったからだ。 企業特殊的熟練とは?企業特殊的熟練とは、要はその企業のなかでしか使えない、環境固有のスキルのこと。特定業種でしか通用しない業界知識、社内手続きや社内政治力などがこれにあたる。 例えば、一流企業に勤めていたビジネスマンが、経営不振からリストラされたとしよう。肩書を失くして、転職で苦労する――なんて話は、実際によくある