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「体調急変、薬買い飲ませた」タリウム殺人容疑者、無関係装う工作か

毎日新聞 / 2023年3月5日 18時47分

殺害された浜野日菜子さんが住んでいた集合住宅=京都市北区で2023年3月3日午後9時5分、千金良航太郎撮影

 京都市北区の大学生だった女性が毒性の強いタリウムを摂取させられて死亡した事件で、宮本一希容疑者(37)=殺人容疑で逮捕=は事件当日、薬局で市販薬を購入していたことが捜査関係者への取材で明らかになった。逮捕前の任意聴取に関与を否定した際、「(女性宅で)酒を飲み始めたら体調が急変したため、薬局で薬を買って飲ませた」と説明していたことも判明した。大阪府警は事件との関連がない第三者を装う工作だったとみている。

 殺害された立命館大3年の浜野日菜子さん(当時21歳)は、アルバイト先で京都市内のイベント企画会社を経営する宮本容疑者と知り合ったとされる。

 宮本容疑者は2022年10月12日午前、京都市北区のマンション一室で、住人の浜野さんに何らかの方法でタリウムを摂取させた疑いが持たれている。体調が急変した浜野さんは大阪府内の病院に救急搬送され、3日後にタリウム中毒に伴う急性呼吸不全で死亡した。

 捜査関係者によると、2人は事件前日の11日夜、京都市内のバーで飲食後、浜野さん宅に移動。2人で再び酒を飲み始め、この頃にタリウムが混入されたとみられる。

 宮本容疑者は逮捕前の聴取で浜野さんの体調が急変した際の状況について、「酒を飲み始めて間もなく浜野さんのせきが止まらなくなったので、薬局に行った」と説明。府警は防犯カメラ捜査などで、宮本容疑者が実際に薬局で薬を購入したことを確認している。

 一方、遺体の司法解剖結果などを踏まえ、府警は浜野さんがタリウムを摂取させられた場所や時間帯を捜査。浜野さんは帰宅前に体調不良になった形跡はなく、宮本容疑者以外の第三者が関与した疑いもないと判断した。一連の状況から、市販薬の購入が浜野さんの介抱を強調する偽装工作だった可能性があるという。【郡悠介、洪玟香】

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