ひな飾り、華やぐ中馬街道 大正期の人形や明治期の掛け軸も 飯田市、阿智村、平谷村、根羽村

駒場自治会館に並べられたひな人形の5段飾り=阿智村駒場

 飯田市と阿智、平谷、根羽の3村の中馬(ちゅうま)街道一帯で開いているイベント「中馬ぬくもり街道ひな祭り」。街道沿いの店舗や個人宅など90カ所余でひな飾りやつるしびなが並べられており、穏やかな天気となった桃の節句の3日、阿智村駒場地区などの展示施設を華やかに彩った。

 駒場地区はイベントが始まる端緒となったエリアで、街道沿いの展示場所のうち28カ所が集中している。

 このうちの一つ、駒場区自治会館では5段飾りのひな人形を展示。江戸期から昭和期の中馬街道や駒場地区を描いた絵図のパネルも並び、街道の宿場町として栄え、明治期以降は商店街としてにぎわった様子が見て取れる。

 駒場の旧銭湯「玉の湯」近くにある旧料理店「玉船(ぎょくせん)」には、飯田市桐林の住民が提供した大正期のひな人形や御殿飾りが並ぶ。明治期にひな人形の代わりに飾られたとされる掛け軸も展示した。

 イベント開始当初から駒場地区全体の展示に携わる原きみ子さん(77)=駒場=は「時代ごとに異なるひな飾りを見比べることも一つの楽しみ」と話していた。

 地域おこしで始まったイベントは今回17年目。他の展示施設でも、土びなや7段飾りなどさまざまなひな飾りを見ることができる。4月2日まで。見学は無料。

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