渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

作る事

2023年03月03日 | open


私は鍛人(かぬち)である。
刃物を作る人間だ。
ビリヤードシューター、二輪走り
人、バスケットボーラー、駆けっ
ことんでもなく速い奴、それらは
別なキャラクターだ。
私はカヌチである。

資格が無いので15センチ以上の
刀は作れない。作ってはいけない。



自作小柄小刀。康清作。
康清は私の刀工銘だ。
二代目康宏から貰った。


  
以康宏鍛錬鋼康清作之


以備中水田国重鋼康清作之



抜剣道(私の造語。まだ国内では
使われていない)の私の師匠に作
って贈呈した刀子(とうす)。






ビリヤードキューを私が作るのは、
先人をこえようとかのつもりで作
ったのではない。
越えられない。
だが、日本刀に関しては、私自身
の血脈的属性が、何かを呼び起こ
す。
斬鉄剣を再現した昭和時代の小林
康宏には私淑し、私も作りたいと
思うが、私の中でのキュー作りの
視座とは決定的に異なる。
それは、越えられるだろう事を
目指している事だ。
それは、ある意味、源清麿にとて
も似ていると思える。
二代目康宏は私に言った。
「貴方が三代目康宏になれば
いいではないか」と。
だが、そんな簡単なものではない。
第一、刀工免許が無ければ、作刀
は違法だ。長さ15センチ以上の刀
は。
今、刀工小林康宏二代目の弟子で
正式な刀工免許を取得した者は二
名排出するに至った。
だが、果たして、どちらが三代目
を継いで、斬鉄剣を作れるのか。

私はあくまで私的な立ち位置だ。
小早川康宏の刀を世に知らしめた
のは、小幡さんと東郷さんと私だ
ろう。
特に二代目康宏の知名度と実質的
な全国的供給を作ったのは私でし
かないと二代目康宏は私に語る。
そして、実は世間では認知されて
はいないが、本当の斬鉄剣を完成
させたのは初代康宏ではなく、二
代目小林直起康宏だっだ。
私は1992年からの付き合いだ。

でも、本音を言うと、二代目康宏
よりも良い刀を私は作りたい。
これは、自分で使うビリヤード
キュー作りとは、立脚視座が異な
る。
それは血脈的な武の者としての
自分と刀剣の関わりとして。
大村加ボクにそれは似ている。

私の見解の斬鉄剣考。
このネット記事により、十数年前
に、私はネット上で日本刀考察人
として有名になった。
そして、私の心の言葉により、
斬鉄剣康宏を求める人たちによ
り、新作復活二代目康宏の刀剣
は、あっという間に50数口(ふ
り)が注文で埋まった。まさに
あっという間だ。第二次募集な
どはほんの30分で25口が埋まっ
た。
だが、審査をした。
変な人には作りたくないので。
金を出せば客だぞ、という層を
審議により捨象した。
日本の歴史的の中で、江戸時代
以外には採られていなかった方
法だ。特に戦後日本はゼニカネ
優先主義だ。
90年代に引退していた二代目康宏
の第二期の本打ちは、それで行っ
た。
しかも、破格値だ。
これは、私の取り分を1円も無く
す事で実現した。
旧鍛人(カヌチ。康宏直売店)より
も安い金額で求める人に提供でき
た。
源清麿の武器講の内実がようやく、
150年後に実現できた。

根っこはここである。
本当に性能の良い物を算盤勘定
関係なく作りたい。
本物の武人、本物のモノヅクリ
というのはこれかと思う。
これまた、本当のところ、解る
人には解るし、わからない人は
判別段階の判る事にさえ無縁だ。
刀の切れ味 ~信州松代藩の荒試し~ - 渓流詩人の徒然日記

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