日本電信電話(NTT)は東京大学との共同研究において、新型コロナウイルス感染拡大時に、他者、動物、物など、何かに触りたいという日本人の欲求(触りたさ)に変化が生じたことを発見したことを発表した。
同研究では、ソーシャルメディアに投稿された「〇〇を触りたい」「〇〇を触りたくない」というフレーズを含むテキストデータに着目。これらのテキストデータを解析し、新型コロナウイルス感染拡大時に、触りたい欲求の程度がどのように変化したかを調査した。
その結果、人や動物など生物の肌のぬくもりを求めるスキンハンガーの慢性化が起きていることや、ドアノブなどの物への接触を避けたいという欲求が強くなっていることを発見した。
解析の流れは、まずテキストデータに対してノイズ除去を行い、機械学習でテキストデータの構文を解析した。そのテキストにおいて人が触りたい対象を抽出した上で、差分の差法により新型コロナウイルス出現後に人や動物など生物への触りたさがどのように変化したかを調査した。
同社は、これらの触りたさの変化は、新型コロナウイルス感染拡大時におけるソーシャルディスタンスの確保や外出制限が影響があると分析している。
また、今回の発見は幅広い実世界の問題に応用できる見込みがあり、日常生活において人が何かに触りたいと思う時に働く心理メカニズムの解明、消費者が自然と触りたくなる製品設計、感染拡大などの実問題が人々の意識に与える影響の予測などに貢献することが期待されるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.