演劇界のセクハラ防止などに取り組んできた馬奈木厳太郎弁護士が依頼人にセクハラを行ったとして、おととい、謝罪文をウェブ上に掲載した問題で、被害をうけた舞台俳優の女性（25）が馬奈木弁護士を東京地裁に提訴したことを明らかにしました。

第二東京弁護士会所属の馬奈木厳太郎弁護士（47）は、演劇界のハラスメント防止や、福島第一原発事故で住民らが東京電力に賠償を求め、勝訴した「生業訴訟」に取り組んだことで知られています。

馬奈木弁護士はおととい夜、依頼人でもあった知人女性に「私自身が既婚でありながら好意をいだいてしまいました」とウェブサイトで報告し、セクハラをしたことを明かにしました。

こうした中、俳優で、「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」代表の知乃さん（25）が記者会見で、馬奈木弁護士を相手取り1100万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしたことを明らかにしました。

訴えによりますと、知乃さんは2019年9月ごろから2022年1月までの間、体を触られたり、LINEで性的なメッセージを送られたり、意に反した性行為をされたということです。

馬奈木弁護士は会の顧問として活動していましたが、ハラスメント講習後の懇親会でも体を触られたといいます。

馬奈木弁護士は、おとといの文書で代理人経由で謝罪の意思を伝えたとし、ハラスメント講習などには今後携わらないとしています。

一方、知乃さん側は、演劇界で影響力が大きかったことなどから裁判を通じて責任を問う方針です。