止まらない「誹謗中傷」にどう対応する? 総務省の資料から見た現状と、サービス側の“限界”
ITmedia NEWS / 2023年3月1日 17時22分
誹謗中傷された場合、まず動くべきは運営会社に対する通報であろう。主張が認められれば、発言の削除やアカウントの停止といった処分が行われる。
多くのSNSには申請フォームがあり、誹謗中傷だけでなくスパムやなりすましといった報告ができるようになっている。ただ通報しても、実際にそれが受理されたのか、また調査がされているのかを通報者が把握することができないケースも多い。通報しても対処してくれないのであれば、フォームは形ばかりということになる。
誹謗中傷に対する申請の経験についても、アンケート調査されている。中傷申請フォームに自由記載のテキスト入力欄があるか、また証拠のスクリーンショットなどを添付できる機能があるかを調査したところ、文章記入欄が十分だと判断した割合は34.8%、証拠添付に関しては28.7%が十分と判断している。だがこの割合では、まだまだ十分とはいえないだろう。
Twitterを例にとれば、ウィザードにのっとって違反行為を選択するだけで通報できるが、オプションとして自由記載欄を設けている。ただ文字数が280字に限定されているため、この文字数で十分に主張できるかが問題となる。証拠については、スクリーンショットの添付はできず、すでに公開されている発言を選択してチェックマークを付けるという仕様になっている。
またこうした申請に対して、受領連絡があったのが33.9%、実際に対応された割合は26.2%となっている。実際の対応については、中傷あるいは規約違反とは認められないというケースもあるので、この数値だけを見て少ないとはいえない。ただ、申請に対して受理したのかどうかのリアクションは最低限欲しいところだ。
サービスごとに対応の通知・説明の有無と納得度を見てみると、TwitterとYahoo!ニュースのコメントは返信率が目立って低い。これは図らずも利用者が「無法地帯だなここ」と感じている肌感覚に近い。通知内容の納得度については、およそ半分ぐらいといったところだろう。
利用者が必死に訴えてもリアクションなしで、対応したかのどうか、そもそも調査したかどうかすら分からないというのでは、申請機能が機能しているとは言い難い。実際には削除はされたという結果があったとしても、ユーザーへの満足度が上がらない。つまり事業者は、リアクションを返さなければ動いた分だけの正当な評価も得られず、ある意味働き損になっている。そこは省略すべきポイントではない、という事である。
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