「ハラスメント行為」をめぐり、フィギュアスケートの織田信成さんとコーチが、互いに損害賠償を求めていた裁判に判決です。
訴状などによりますと、バンクーバーオリンピックフィギュアスケート男子の元日本代表・織田信成さんは、母校・関西大学のアイススケート部で監督をしていた際、濱田美栄コーチから無視や陰口といった嫌がらせを受け、目まいや吐き気を感じたなどとして慰謝料など1100万円を求めていました。
一方、濱田美栄コーチ側も「記者会見などでハラスメントがあったかのような印象を抱かせた」などとして、織田さんに対し330万円の賠償を求めていました。
去年12月の大阪地裁。織田さんと濱田コーチが出廷し、顔を合わせていました。
織田さん「濱田コーチが嫌がらせしてくるので、(問題を相談しても)意見をするとハラスメントがエスカレートするんじゃないかと思って、何かあったら静かにしていました」
濱田さん「人をおとしめることは犯罪だと思っています。ちゃんとした裁判所の結果がほしいです」
食い違っていた証言、そして2019年11月の提訴から3年あまり、2日に判決が出ました。
判決で大阪地裁は、以下のように述べました。
「織田さんがハラスメントだと主張する行為は、元々濱田コーチに対して有している印象や、その時々の織田さんの心理状態、主観的な捉え方や受け止めにも左右されるおそれがある」
「織田さんは監督として、異なる立場の濱田コーチから選手の指導方針や部の運営方針などについて批判的な意見や対応などを受けるのも、社会通念上許容されるものである限り受忍すべきで、直ちにハラスメント行為に当たるとは認められない」
「(記者会見を開くなどした行為について)濱田コーチがハラスメント行為や嫌がらせを行う人物であるかのような印象を抱かせ、社会的評価を低下させた」
大阪地裁はこう述べて、織田信成さんに対し、220万円の支払いを命じました。
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