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トランス女性と「トランス女性」を僭称する男性とを混同させて恐怖を煽る差別言説は想像と情緒を刺激してしまう。それが描いているのは「トランス女性」を僭称する男性が何をし得るかであって、トランス女性が何をし得るかではない。
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「トランス女性」を僭称する男性犯罪者が疑われないようにするのは捕まらないためだ。一方、トランス女性が女性としてパス（通用）できない恐れがある行動を取らない/取れないのは差別により心身に危険が及ぶ可能性があるからだ。詮索する視線に怯えなければならないこと自体が負荷となる。
トランス女性だと特定されることも、「本当に性自認は女性なのか。男性でないのか」と問われることも心身への、命への脅威となる。そのような状況が存在することがまず差別なのだ。そして、差別禁止法（あるいは理解増進法）ができて即座にトランス女性の心理的安全が確保される訳ではないのが現実だ。
テレビなどに登場する、明確に特定されたトランス女性であっても未だに奇異な視線に晒されているし、しばしば彼女たちが自ら笑いを振りまく立ち位置を取るのも一つの防衛策であると言える。その彼女たちを笑う出演者や視聴者はどれだけその心情に思いを馳せているだろうか。
カミングアウトをしていないトランス女性が怪しまれないためにどれだけ注意を払っているか、カミングアウトをしているトランス女性が疑われないためにどれだけ注意を払っているか。どちらであれ、それがどれだけ負荷となるものであるか。そのことにどれだけ想像が及んでいるだろうか。
トランス女性の権利を認めることが逆説的に、トランス女性であることを暴こうとする視線、「本当の性自認」を詰問する視線を強めかねない状況が存在してしまっている。本来差別解消とはそのような視線がなくなることであるはずだ。
「ペニスを持つ女性」といった形象を殊更に想像させかつ風呂やトイレといった女性のスペースと重ね合わせて想像させることで、トランス女性がそうと知られて現れること自体が脅威あるいは加害であるかのような言説が振り撒かれている。これは事実上、トランス女性の存在そのものへの差別だ。
トランス女性がそうと知られて女性のスペースに現れるという想像、ましてやペニスをあらわにして現れるという想像には現実性が欠けていることはここまで書いてきた通りなのだが、それがさも起こることであるかのように、かつトランス女性を僭称する男性の犯罪が容易になるかの想像と重ねて騒がれる。
女湯や女子トイレで「ペニスを持つ者の姿を見たら」恐ろしいのは当たり前だ。今流布している言説は、それを想像させつつ、「ペニスを持つ者がいたら」にずらす効果を持つ。それは一方で「ペニスが見える」ことを条件から落としつつ、ペニスを持つトランス女性と男性とを同一視させることになる。
女性としてパスすること又は認められることを望むトランス女性は女性の脅威となり恐怖を与えることは望まない。そのことを無視して、トランス女性を僭称する男性犯罪者や、女性のスペースでのペニスの露出を想像させて殊更に不安を掻き立てる。そのトリックにまず気付くべきだ。
「ペニスが見える」にとどまらず「男に見える」人が女性のスペースにいることの恐怖に話を拡張する人もいるが、それはもはやトランス女性の問題ですらない。女らしさや見た目というそもそも女性差別として批判され闘われてきたものあるいは同性愛者排除のロジックに根拠を置くという矛盾に陥っている。
一方で私は、TERFという言葉を濫用、乱発するなどして問答無用とばかりに悪意の差別主義者と同一視して攻撃するやり方には以前から懸念を持っていた。そこにはトランス差別批判の衣をまとったミソジニーも紛れ込んでいる。安易にレッテルを貼って又はそのレッテルを信じて思考停止しないようにしたい。
念のため、悪意でなければ差別（的）言説を示してもいいということは言っていない。悪意と決めつけて又は悪意と同視して、黙らせようとするかにあるいは人格を否定しようとするかに攻撃するやり方が一部に見られることについて言っている。
女性が性暴力・性被害に遭うことへの不安、恐怖には根拠があり、まだまだ女性が自衛を迫られ、あるいは被害が自己責任・落ち度と言われてしまう状況がある。問題はその不安、恐怖をトランス女性と結び付け、加害者の位置に置いてしまうこと。そこに飛躍があることをこのスレでは指摘してきた。
女装しようがしまいがトイレや更衣室に侵入し、身を隠す男がいる。女装し女湯に侵入する男がいる。トイレや風呂、更衣室に盗撮カメラが設置され又は持ち込まれる。男と共謀した女が実行することもある。これらから惹起される不安、恐怖がトランス女性と結び付けられ最たる加害者のように扱われる飛躍。
不安、恐怖に駆動され想像が飛躍している、無意識にトランス女性を差別している人を悪意の差別主義者と同一視して問答無用に攻撃していいとは思わない。もちろん、悪意がなくても当事者がそのような言説に触れることは恐怖だ。その傷つきは認識されるべきで、悪意のなさも無意識も免罪符にはならない。
ただ、言説の差別性に気づかせるというよりも問答無用にレッテルを貼って攻撃する、攻撃が目的化している非当事者が一部に見られるし、当事者の中にも正当性を装って攻撃をする者がいない訳ではない。そのことには警戒し、不用意に乗らないことが大事だと思う。
トランス女性の行動についてほぼ同じ事例がぶつけられてくるのだけど、その行動の背景にどのような被差別体験があったのかに思いを巡らす態度が全く見られないし、周りの女性たちに全く差別意識がないように語られるのよね。文脈を切り捨てて「問題行動」だけを焦点化することは別の文脈を呼び込む。
とりあえずね、女性の安心・安全を立てればトランス差別、ひいてはLGBTQ+差別を正当化できる、「区別」と主張できると考える保守派が一方にいて、トランス差別反対を立てればフェミニストを攻撃でき、信用を貶めることができると考えるミソジニストが他方にいる。そのことには警戒して欲しい。
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Masanobu Usami
@usamimn
結局、右派は同性愛者と同性愛と同性愛行為を混同して論じている。同性愛「者」は近代の産物で医療と法によって構築され差別対象になった。例えば少年愛は古代ギリシャにもあったが、それを今の意味での同性愛、同性愛行為と同一視はできないし、それは日本の歴史においても同じ。 twitter.com/quitamarco/sta…
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Masanobu Usami
@usamimn
正確には、憲法起草・制定当時は同性婚が「想定されていなかった」。今日に至るまで想定されていないというのは価値判断。そして、憲法24条1項の根幹は家長や親族等の意思が入らず「当事者間の合意のみ」で婚姻が成立することにある。そこをあえて外して答えるのも恣意的。
news.yahoo.co.jp/articles/9c6c4
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Masanobu Usami
@usamimn
国家の存続が目的に置かれ、人口が国力の源泉とみなされというのが根底にあって、明示的であれ暗黙であれ生殖管理が制度の前提になりかつ目指される。だから少子化対策という問題の立て方がされ議論の枠組みとされてしまうし、同性婚やトランスの権利にも反対される。
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「ペニスを持つトランス女性」が女湯や女子トイレに入ってくる/いるというイメージは、トランス女性又はトランス女性の権利を擁護する者による女性、特に性暴力・性犯罪被害者への加害なのではなく、そのイメージを用いる者による女性、被害者への加害だと思う。
つまり、トランス女性を巡る議論における加害－被害の構図も、分断線の引かれ方も非常に歪められたものになっているし、トランス女性の権利対女性の権利というのは擬似構造で、トランス女性の権利も女性の権利も貶められている。
トランス女性の議論に限らないが、この事例を知っているか/知らないのか？という問い（攻撃）は議論も文脈も切断する。その事例が背景も文脈も切り離されて焦点化され、しばしば一連の出来事のうちの特定の言動が切り出される。
その事例や言動を持ち出し又は一般化することの妥当性、有意性は不問に付されるし、しばしばその事例や言動についての質問に答えるように迫られる。こうして論点がすり替わるのだが、それが悪意なく、無自覚になされることも少なくない。
反論やディスりのリプがいろいろつくのだけど、実は彼らの間でも論点が違ったり主張が相反している。女性スペースにトランス女性がいること、男性のように見える人がいること、トランス女性を装う男性がいること。全部問題にする人もいればどれかだけという人もいる。
女性スペースにいる人のペニスが見えること、露出の有無に係わらずペニスがあること、ペニスを持つ人がいると想像することのどこを又はどこまでを問題にするのかもばらつきがあるし、ペニスがなくてもトランス女性がいることに反対する人もいる。
あるいは、犯罪者が女性のスペースに入り込みやすくなることを（危険増大の観点から）問題にしているのだという人もいれば、ペニスが見えることやペニスを持つ人がいる可能性を想像せざるを得ないことを問題にする人もいる。
そして、女性の一般的な不安、危険の観点で言ってくる人もいれば、性暴力・性犯罪被害者の視点で言ってくる人もいる。いずれにせよ、風呂、トイレ、更衣室などの女性のスペースを焦点化して、トランス女性の排除又は権利制限を一般的な水準で肯定するものだが、
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