NEW

羽生結弦、東京ドーム単独公演が大成功で売上20億円規模か 業界で「手のひら返し」続出?

文=佐藤勇馬
【この記事のキーワード】
羽生結弦、ケタ違いの影響力を見せつけ単独東京ドーム公演完走の画像1
Twitter「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT”(@jp_GIFTofficial)」より

 ソチ・平昌の冬季五輪2連覇王者でプロフィギュアスケーターの羽生結弦が26日、スケート界史上初の単独による東京ドーム公演「GIFT」を開催。北京冬季五輪で跳びきれなかった因縁の4回転サルコーを成功させるなど圧巻のパフォーマンスを披露し、ドームに集まった観客3万5000人を魅了した。当初は客入りを不安視する声もあったが、大盛況となったことで業界の内外で「手のひら返し」が起きているようだ。

 アイスショーは観客キャパ3000~1万人規模の会場を使うのが一般的で、単独でのドーム公演は前代未聞。さらに、今回はチケットが一番安い2階スタンドのA席でも2万3100円と高額で、一部メディアで「客席が埋まらない可能性が高い」と指摘されたほか、業界内でも「さすがに無謀では」といった意見が目立った。

 ところが、昨年12月にチケットの抽選結果が出るとSNS上で「落選」報告が続出。当日を待つまでもなく「超満員札止め」が確定し、業界からも驚きの声があがった。

 公演では、迫力満点の「火の鳥」を皮切りに、アニメ映画『千と千尋の神隠し』の楽曲で幻想的な世界をつくり出したかと思えば、自らの半生を振り返るような物語が展開されたり、Adoの「阿修羅ちゃん」でロックスターのようなダンスを見せたりと千変万化。前半の最後に披露した「序奏とロンド・カプリチオーソ」では、試合と同じ2分40秒間という設定で、北京で氷の穴にはまる不運で跳べなかった4回転サルコーをはじめ、4回転-3回転トーループ、カウンターから3回転半とすべてを決めた。

 日本を代表する演出家のMIKIKO氏が手がけた演出も規格外。東京ドームに史上初めて出現したアイスリンクは競技会と同じ規格の60メートル×30メートルで設置され、巨大スクリーンとプロジェクションマッピングを駆使した壮大な演出を展開し、音楽は東京フィルハーモニー交響楽団の生演奏と異例ずくめの伝説的なショーとなった。

 スクリーンで一部内野席を潰したので当初の想定より座席数は少なくなったものの、会場は3万5000人の観客で埋め尽くされた。さらに、Disney+やGLOBE CODINGでのライブ配信や、全国80カ所以上の映画館でのライブビューイングも実施され、約3万人が視聴した。

 一部報道によると、公式グッズは事前販売の段階で売り上げが数億円に到達。当日はさらに爆発的な売れ行きになったとみられ、チケット、配信、ライブビューイングなども含め、売り上げは合計で軽く20億円規模に達するとみられる。巨額の売り上げとなった一方、先述したようにそれに見合うだけの豪華な演出で観客を満足させた。チケットも「一般的な相場より高額であっても、それ以上のものを見せてくれる」というファンとの信頼関係があるからこそ、爆売れとなったのだろう。

 公演が大成功となったことで、各メディアは絶賛一色に。ドームでのアイスショーを疑問視していたようなメディアは「結果」を見せつけられて黙り込むしかなく、完全に風向きが変わったようだ。また、業界内でも多くの関係者が「手のひら返し」をしているようで、国内の広告代理店などはもちろんのこと、中国などの海外企業も羽生に急接近しようとしているという。

 今後も体操男子で個人総合五輪連覇を果たした内村航平との異色のコラボ公演「notte stellata」(宮城県セキスイハイムスーパーアリーナ)を3月10~12日に控え、人気創作集団「CLAMP」とコラボした絵本『GIFT』(講談社)の発売が決定するなど、従来のスケーターの枠を超えた活動が予定されている。羽生は超一流のスケーターというだけでなく、これまでの常識では測れない「表現者」といえそうだ。

佐藤勇馬:外部執筆者

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

情報提供はこちら
CCPA Notice
あわせて読みたい

羽生結弦、東京ドーム単独公演が大成功で売上20億円規模か 業界で「手のひら返し」続出?のページです。ビジネスジャーナルは、エンタメ、の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!