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愚痴を毎日こぼしたら後輩が退職、会社から「愚痴禁止誓約書」と「カメラ監視」の命令が出た!

弁護士ドットコムニュース / 2023年2月26日 9時16分

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会社の後輩に毎日愚痴をこぼし続けていたら、それが原因で後輩が退職してしまったーー。こんな理由で「愚痴禁止」誓約書の提出を求められた女性従業員がいるという相談が、弁護士ドットコムに寄せられました。

愚痴を言いまくったことが原因と判断した社長は、誓約書を書く以外に、カメラによる監視もおこなう方針だといいます。従業員は「後輩を辞めさせた責任を負わないといけないから、明日から入ってくる新入社員を自分と同じレベルに育てるまで奴隷になる」と覚悟を決めている様子です。

そもそも、愚痴禁止の誓約書を書かせることやカメラによる監視に法的な問題はないのでしょうか。西山良紀弁護士に聞きました。

●一切の愚痴を禁止することは許されず、行き過ぎた監視は違法

ーー「愚痴禁止」の誓約書に法的な問題はあるのでしょうか。

愚痴の内容などの詳細がわからないため、一般論にはなりますが、会社が従業員に「愚痴禁止」の誓約書を作成させたとしても、一切の「愚痴」を禁止することまでは許されないでしょう。

ただし、会社には従業員が快適に働けるように職場環境を保つ配慮義務があります。従業員に対して、ほかの従業員の業務の妨げになる態様の愚痴、不快感やストレスを感じさせる愚痴を禁止することは許されると思います。

ーーカメラによる監視は、どうでしょうか。

更衣室やトイレなどプライバシーの強い場所は許されませんが、職場に監視カメラを設置し従業員が不正をしていないか監視することは許されるでしょう。ただし、無制限に認められるわけではなく、社会的に相当な態様でなければならないため、行き過ぎた監視は許されないと思います。

今回のケースにおいて、職場全体を監視しているカメラで全従業員を監視する一環として、当該従業員の言動も監視するのであれば、問題はないでしょう。しかし、この女性従業員だけを対象とするような監視カメラで、この女性従業員だけを監視するというのであれば、行き過ぎた監視であり、違法になると考えます。

詳細はわかりませんが、会社側も、いきなり監視カメラでの監視をするのではなく、まずは社員に注意を促して態度が改善されるかどうか様子を見るのが妥当なのではないかなと思います。会社に常に監視されていると思うと、いい気持ちはせず、労働意欲も湧いてこないのではないでしょうか。

【取材協力弁護士】
西山 良紀(にしやま・よしのり)弁護士
兵庫県弁護士会所属。
離婚・男女問題、遺産相続、労働問題、債権回収などを多く扱う。
昼食の大半はラーメン。鶏がら・豚骨から出汁をとってラーメンを自作することもある。独立する際に、前所属事務所からもらった餞別は寸胴鍋とオリジナルラーメン鉢。
事務所名:リライト神戸法律事務所
事務所URL:http://relight-kobe.jp/

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