2022年 03月08日 (火) 16:19
さて、世間ではウクライナを助けてロシア討つべしの論調とウクライナ可哀想のお涙頂戴論理がのさばっているのだが、さてそこでよく考えて欲しいが・・・・・・。
仮にNATOないし日米欧がウクライナ側に立って参戦したとしよう。その落とし所はどこに設定する気なのか?
始めるのは実に簡単だ、宣戦布告と言えば良い。だが、どこに終戦の目処を立てるのかと言うことだ。
諸君らのゴールはどこなんだね?と私は尋ねる。
ロシアを完膚なきまで叩き潰すことなのか?
ウクライナからロシアを追い出すことなのか?
合わせて聞くのであるが、支那が動き出したらどうするのか?
さて、ロシア討つべしの論陣にはこれらに明確に答えはあるのか?
残念ながら、彼らにはその視点はないだろう。もしくはウクライナから追い出すところをゴールに設定するかも知れない。
では、それで終わるのかね?と問おうではないか。
こっちはそのつもりでも、ロシアが反攻を企てないと言えるのか?それとも、優勢のままでロシア領内に侵攻しようとウクライナが企てるかも知れないが、それを止めることは出来るのか?
ロシアが反攻を企てたり、焦土作戦を始めた場合、それこそ泥沼だ。損害が無視出来なくなれば、それに見合った成果を出さないといけない。それはロシアにとってもウクライナにとってもNATOにとってもだ。
そんな状態で一抜け出来るのか?
また、ウクライナが復讐を掲げて逆にロシアへ侵攻始めた場合、今度はNATOがウクライナ相手にロシアへの侵攻を食い止めるという話も出てくるだろう。そうでなければ公平ではないからね。国境の変更を認めない、他国の主権を侵害しないというのが国際社会の大義名分である以上、ウクライナの逆侵攻は当然のことだが、国際社会への挑戦と見なすことになる。
そうなれば、NATOはロシアだけでなくウクライナも敵としなければならない。
そうならないと言えるのか?
更に、米帝が参戦となれば当然のことだが、太平洋地区・インド洋地区の米帝の圧力は低下する。それを好機とみた支那の火遊びが始まった場合、どうするんだね?
それこそ、次は日本や台湾の番って話になるんじゃないのか?
その時、手薄になった分だけ日本にとって防衛戦はやりにくくなるのだが、それは理解しているのか?
今の日本の防衛戦力は第7艦隊や在日米軍と協同する前提での整備が行われていて単独防衛を前提としての国防戦力ではない。
それらも含めてのものだろうか?
まぁ、仮にそうなったとして、今度は日本がどこを落とし所にして支那との手打ちをするんだね?
それこそ、沖縄や尖閣の防衛戦に勝利した程度で終わると思うかね?支那はそれで引っ込むとは思えないがね。失った戦力の帳尻が合うまで何度でも攻めてくるだろうな。何しろ、敗戦=中南海の首が飛ぶわけだからな。しかも、各軍区は文字通り軍閥化している。
誰を相手にして終戦工作するんだね?
だから、こそ欧米は手を出さない。亡命政府の受け入れだってそれが落とし所だと思って手打ちにするために動き出した証明だと思うよ。
戦記物を執筆する上でもこの辺があるから利害調整をして落とし所を用意している。逆に言えば、その視点がなければ戦記なんてただの妄想でしかないんだ。
西側も含んだ最適落とし所は、ドンバスの割譲もしくは独立、クリミアの正式割譲、完全中立の武装緩衝地帯化ってところ。
NATO寄りでなければロシアにとって十分だから。
そもそも、ロシアの視点では予防戦争なわけだから、それが誰にとってもマイナスが少ない落とし所だよ。