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小僧の神様 他十篇 (岩波文庫)

感想・レビュー
231

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yuji
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仙吉はうわさの鮨屋になけなしのお金を持って足を運び旨そうな握りを横目に巻きずしを頼む。巻きずしはなく握りに手を伸ばすも物価高のあおりで値上がり、お金が足りず元に戻す。恥ずかしくその場を離れたのをAが見ており奢ればよかったと後悔する。秤屋で再開し寿司を奢ることはできたが偽善を感じたのかあまり嬉しくない。満腹になった仙吉はAを神様と思う。今だと見知らぬ人についていかないし奢ってもらうなんて何かの罠かと思い怖すぎるが、今より貧富の差があったとしても小僧なりの世界と幸せがあったんだろうな。みんな大学の今は幸せか。
0255文字
名言紹介屋ぼんぷ
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「最初の子が死んだので、 私たちには妙に臆病がしみ込んだ。 健全に育つのが当然で、 死ぬのは例外だという前からの考えは変わらないが、 ちょっと病気をされても 私はすぐ死にはしまいかという不安に襲われた。」
名言紹介屋ぼんぷ

読みたい本が見つかる名言ブログ:https://bontoku.com/meigen-siganaoya

02/06 17:43
0255文字
まんぼう
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赤西蠣太がいちばん好きかなあ。
0255文字
わさび
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ネタバレ「流行感冒」目的で読んだ。現在のコロナ感染症同様に未知の感染症が忍び寄ってくることに対する不安、家庭に入ってくる他者である女中へそうした不安を投影している様子が書かれていて興味深く読んだ。それなりに女中と折り合いをつけていく様子には、感染症との付き合い方も示唆されているようでもあった。短編集なので他には「范の犯罪」「城之崎にて」なども収録。志賀直哉を読むのは高校時代以来。范の妻という小説も実現していたら読んで見たかった。見方によって事実は如何様にも変わるので。「赤西蠣太」「好人物の夫婦」も印象深かった。
0255文字
ルーシィー
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とてもよみやすくおすすめです。「流行感冒」の私が、自分に似てたのにちょっとビックリしたり、「焚火」で、昔は山犬がいいて馬が半分喰われてたとかは、そういえば小さいころ近所に野良犬がいたなあなんて思い出したりしました。
0255文字
しも3
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小説のただ話の筋をおうのでなくて 読みやすく何度か読んでみたく思った
0255文字
Ise Tsuyoshi
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志賀直哉を読むのは学生時代以来か。文章を書く視点で読むと、無駄のない、引き締まった日本語は凄い。日没直後を「風物総てが青味を帯びて見られる頃」(真鶴)とか、なかなか書けないよなあ。身の回りの些細な出来事に着想を得ての作品が多く、良くも悪くも教科書に載りそうな感じ。
0255文字
hiko1
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秤屋に奉公している小僧さんの話。いつの時代も、どの階層の人たちも、美味しい店の情報をやりとりしてきた。小僧さんにとっては屋台の鮨屋は背伸びしてやっと手の届くものであったが、国会議員にとってはB級グルメレベルなのだろう。結局小僧さんは、普通には絶対食べることができない美味にありつけた。そのご馳走をしてくれた紳士(国会議員)は、小僧にとって正に神様ともいうべき存在であった。
0255文字
とうふ
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読みにくいのかなぁと思ったらがんばればそんなことないじゃん 描写が美しい もうちょっと時間に余裕がある時にゆっくり読みなおしたいなぁ
0255文字
クサバナリスト
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NHKでドラマ化されていたので、「流行感冒」のみ読んだ。志賀直哉作品を読むのは中学の時以来かも。 ちょっとコミカルでも話だった。
0255文字
905
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太宰の『如是我聞』のおかげもあるが、全体的になんかしゃらくさく感じてしまった。
カブトムシIF

私は、芥川龍之介は、友人の菊池寛の創設した芥川賞のおかげで、有名になっている。志賀直哉も、太宰治の「如是我聞」のおかげで、結構若い人に有名で、得しているかも?と思えるようになって来ました。

11/03 06:12
0255文字
マカロニ マカロン
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ネタバレ個人の感想です:B+。『范の犯罪』を読書会課題作にしため、再読。「小説の神様」とも呼ばれる志賀さん自身が自選したというだけあって、粒選りの短編集。『范』は裁判官(というより警察官か、検察官的な印象)が何故急転直下「無罪」にしたのかが謎で、参加者も有罪派が優勢だった。私も法律論で読むと有罪になると思うが、最後裁判官が「何かしれぬ興奮の(略)湧き上がるのを感じた」という部分を小説的に衝いていくと無罪になるのかなと思った。再読して『好人物の夫婦』が良かったが、百年前の好人物なので、今では好人物の夫ではないかも?
マカロニ マカロン

志賀さんの作品を読むと、子どもに対する親の愛情の深さを感じることが多い。『流行性感冒』の「○○さんが左枝ちゃんを大事になさる評判は日本中に弘まっていましたわ」に表されているが、それが過剰すぎて「自粛警察」的な行動をとらせてしまう。去年新型コロナが猛威を振るい始めたころ、日本中でこういったことが起き、感染した人が犯罪者のように扱われた時期もあった。人間は得体のしれない恐怖に対して過大な防衛措置を取りがちなのは、100年経っても変わっていないのだろうか?

10/17 22:25
0255文字
tharaud
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露伴のあとに読んだ。「八犬伝」を好んだ嘉永生まれの父との葛藤を長年抱えていたというが、現代の庶民から見ると志賀のブルジョア的な自意識よりも江戸の人情のほうがよほど好ましく感じてしまう。生活する庶民を外側から眺めて美を感じる視線の鼻持ちならなさは柳宗悦に対しても感じる。自分ももっと歳をとって読めば印象が違うのだろうか。
0255文字
まこ
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表題作を始め、作者があえて最後の一歩を書かないで終わらせる。中盤の「范の~」と「好人物~」で書きすぎたために逆に後味悪くなった。それらを経てすべてが丸く収まった流行感冒へとつながる収録作の選定と並びに着目したい。感染症を題材にした作品では国や大きな町単位の作品は読んだことがあるが、流行感冒は家や個人単位。登場人物の名前も洒落が利いていて余計に病気への意識が人それぞれ感が。
0255文字
ifz7i
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志賀直哉は、ある感覚と別の感覚のあいだ、繊細微妙なところに存在し、蔑ろにされてしまう危険を常に孕むあいだ、を描くことに非常に長けていると思う。そういうものに惹かれて芸術に触れだしたのだが、いざ直球でそこを突かれるともう一つピンと来ない感じがした。俺にとって今は本が与えてくれる不意の衝撃のほうに興味を惹かれている時期であるのか、薄味。もう少し期間を置いてから再読しようと思う。ただ、こういうことを主題とする人が崇められていることに安心。他が劣っているという訳では決して無いが、中でも「真鶴」は異彩を放っていた。
0255文字
カブトムシIF
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この岩波文庫は1928年(昭和3年)に第一刷が発行されました。「小僧の神様」という小説は、1919年(大正8年)に発表されました。名作で、以来志賀直哉は「小説の神様」と言われるようになりました。本が売れるので、昭和3年から昭和8年まで5年間小説を書きませんでした。1933年(昭和8年)に「万暦赤絵」を出すと、当時文芸時評をしていた川端康成が「わたしも一昔前志賀氏を『小説の神様』として耽読した一人であるが、近頃読み返そうとすると、その神経の『我』がむかむかとして堪えられなかった。」と余りほめて貰えなかった。
カブトムシIF

中村光夫は、『志賀直哉論』(1954年)の中で、「『万暦赤絵』以後の作品は、それまでの彼の制作にくらべれば、隠居仕事にすぎません。」と述べています。

03/15 09:29
カブトムシIF

5年書かなかったというのは、4~5年と訂正します。

03/17 08:13
0255文字
ろば
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12年刊、10編を収録した短編集。どれも会話が少なく、長い文章が続くが不思議と読みにくさがない。BS「流行感冒」面白くて手に取ったが、作品は何度か経験済み。しかし何度読んでも文章に引き込まれて、あっという間に読了、歳のせいか味わいながら文を読んだ。ユーモアに溢れおかしな人を描くかと思えば「笵の犯罪」のような考えさせるテーマなどさまざま、個人的には真鶴が印象的で2回読む。年を重ねればそれだけ見えるものも増えるということ?
片栗粉

そうですねえ。

05/24 10:04
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鯖
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BSで「流行感冒」がドラマ化したので久しぶりに。暗夜行路とかの長編も一通り読んだんだけど、志賀先生はやっぱりこういう短編が好きなんだよなあ…。小僧の神様はおしゅしおいしいよね、私もおごってやりたいわあってにっこりするし、清兵衛と瓢箪は読み返すたび、清兵衛がうまいこと幼少期を乗り切って、自分のしたいことを見つけ夢を叶えた人生がその先にあることを祈ってしまう。たくさんの私小説は露悪的すぎて笑っちゃうこともあるけれど、たぶん死に向かうには志賀先生の肉体が健やかすぎたんだろうなあと思う。さすが山手線に勝った男。
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氷見
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惚れ惚れする文字に身を浮かべていると、精神が引き締まるような幸福感を覚える。それは衣食住への新しい興味を掴む出発点になる博物館に手招きされる幸福感。時代の流れと没交渉に暮らした潔癖な心を持つ作家のリズム強い、整理された言葉は、特別上品だ。この短篇集では、屋台のすし屋に小僧が入って、一度手に持ったすしを値段を言われて台の上へ置き、暖簾の外へ出ていく描写に心が震い動く『小僧の神様』に愛着を持っている。蜂の死、鼠の死、いもりの死、事実がありのまま描かれた『城の崎にて』では、死に対する親しみを著者と一緒に感じた。
0255文字
zakuro
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全集の中から。小僧…が読みたかった。小僧にご馳走した後で「変に淋しくなった」のがいい。これがなければただの童話になってしまう。またその気持ちを友人には話さず奥さんに言うのもいい、そして奥さんが「それなんかわかるわ」って言うのも。志賀直哉いいわあ。有名な「城の崎にて」は山手線に轢かれた(!)傷を癒しに行った先で出くわした(やらかした)動物の死と死に損なった自分を重ねてみるという話。「流行感冒」の『誤解や曲解から悲劇を起こすのは馬鹿げたことだから疑わず信じる』というのは他作品にもあったが作者の信条なのかも。
0255文字
マカロニ マカロン
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個人の感想です:B+。読書会のテーマ本候補。小説の神様とも言われるだけあって、志賀さんの短編はどれも面白い。表題作は勿論、『正義派』、『赤西蠣太』、『母の死と新しい母』、『清兵衛と瓢簞』、『好人物の夫婦』、『流行性感冒』読書会で話し合ったら色んな感想や読みが出てきそうでどれも取り上げてみたい。この本を買うきっかけとなった『范の犯罪』は有罪か無罪か議論は尽きないだろう。川上弘美さんの『真鶴』を別の読書会で話し合ったとき、志賀さんにも同タイトルがあることを知りその時読んだが、今回再読して改めて深い話だと感じた
マカロニ マカロン

今回11編の短編の最後として『真鶴』を読んでいくと、12、3歳の思春期の少年が恋を知った前と後との大きな落差が見事に表現されていると感じ、深い話だと思った。少年が弟の手を引いて片道10キロはありそうな小田原まで下駄を買いに行くが、結局憧れの水兵帽を買ってしまう。二宮尊徳社に行くつもりが、法界節の一行(チンドン屋さんのようなものか?)に出会って、白塗りの自分の母ぐらいの女房に「有頂天になって」しまうと、帰りの世界が全く違う景色になってしまう。自分の母が迎えに来てふと現実に引き戻される。面白かった

03/05 00:16
0255文字
柴太郎
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ノーブルな、静かな透明な流れを感じさせる文章の妙味。
0255文字
ユカ
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ザ・性善説。みんなが悪事の後味の悪さを感じるとは限らない。 「人間観察が好き」って言う人いるけど、だいたい服装とか顔とか見るだけ。志賀直哉の人間観察を本当の人間観察というのだろう。
0255文字
かつみす
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この短編集の中で、大正時代のスペイン風邪の流行を背景にした「流行感冒」が、コロナ禍のなかあらためて注目されているようだ。ただ、作品の狙いは伝染病の怖さをリアルに描くことではない。我が子を感染から守ろうとするあまり、規則を破った女中につい厳しくしてしまった体験を通して、よく付き合いもしないであの人はこうだと決めつけ裁断することの愚をさり気なく訴える。時代的には芥川とほぼ同時代人だが、志賀の短編はもっと筆致が淡々として、ほのかな温かみがある、という印象を持った。どの作品もすっきりした文章で、読後に余韻がある。
0255文字
まひと
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読友さんの感想を見て気になっていた一冊。始めての志賀直哉さん作品。無駄なところのない洗練された文章がとても良かった。100年以上前に書かれたとは思えないくらい読みやすく、面白かったです。11編はどれも短くて、正直、解説の方が長いんじゃないだろうかと思うくらいだった。『小僧の神様』『范の犯罪』『城の崎にて』がとくに好きでした。このご時世『流行感冒』を読みたくて手に取った人も多いのだろうなぁ。ほかの作品も読んでみたいと思います。
ゆたさん・∪・ω・∪

同意です。無駄なく洗練されている文章がある種の芸術作品様に美しー

12/31 04:16
まひと

<<ゆたさん。そうですよね!ほんと綺麗な文章だなって思いました(((uдu*)ゥンゥン

12/31 16:14
0255文字
Cica
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「小僧の神様」「清兵衛と瓢箪」「好人物の夫婦」が良かった ★★★★
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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
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ネタバレ☆5.0 志賀直哉自選の短篇集。表題作他『城の崎にて』など11篇を収録。 『小僧の神様』 小僧の仙吉は、番頭たちの話を聞き鮨を食べてみたいと思う。ひょんなことこら仙吉のことを知ったAが仙吉に鮨を奢ってやります。仙吉は見知らぬAが何故自分に鮨を奢ってくれたのか不思議に感じ、「Aは神様かもしれない」と思うようになりました。
ガラスの文鎮(文鎮城)

『城崎にて』が一番印象的ですね。生と死の隣り合わせ感がすごいです。

12/26 20:30
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

ガラスの文鎮(文鎮城)さん、コメありがとうございます。『城崎にて』良いですね。

12/26 20:33
0255文字
♨️
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筋よりも表現の簡潔なままに画像として文章が立ち上がってくるようにするさまに驚いた。どこまで減らしても大丈夫か的な。地の文で「しかるべき位置」とか「先を読めばわかるが」とか「こんな事があった」とか言っちゃうのね。構造や内容の簡単な「清兵衛と瓢箪」「范の犯罪」「好人物の夫婦」が表現に集中できて面白かった。
0255文字
K
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(2002)2020この1年。「流行感冒」の自粛警察ぶりについて、磯田先生が熱弁していたので見てみる。確かにこれは・・・。おもしろい。神経質な日本人のDNAが露わに。でも文学的に読めるから不思議。さすがです。
0255文字
すなぴー
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短編集。百年文庫に入っていた「流行感冒」がなかなか良かったので読んでみた。どことなく静けさを感じる。飾り気はないが、それでいてとてもきれいな文章。個人的に好きだったのは「清兵衛と瓢箪」で、幼い清兵衛が瓢箪にのめり込む様子が瑞々しく表現されている。清兵衛の純粋さがかわいらしいけれど、大人への皮肉も込められている。ほかにも不器用で生真面目な侍が偽の艶書を書く「赤西蠣太」、小さな生き物を見て生と死を考える「城の崎にて」も良かった。
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三柴ゆよし
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自己を捨てた技巧の先に、あらためて自己が浮かび上がってくるという洗練乃至修練のスタイルはわかるし、さすが門弟何百人というだけの文章なのだろうが、一段目上の場所から、自分含めた他者を描いてますという風な独善が鼻につくというか、端的に偉そうだなと感じる箇所も多い。流し水に蝟集しているいもりに自分がなったらたまる、たまらないと書いているのを読むと、突き抜けていないなと思うし、自分の偶然といもりの偶然とは全然性質を異にする問題だと反発したくもなる。まあ、そのくらいの塩梅でやめとくほうが生きやすいということだろう。
三柴ゆよし

ただ「赤西蠣太」とか「正義」みたいな、題材を外部に求めたものはかなりおもしろいと思う。前者では、意に沿わず書くという行為が、書いた人も読んだ人も思いもしなかったところに運んでいく。お話の面白さがまず一級品なんだが、最後の最後でそれをポンと打ち棄ててしまう。要するに何に対してもあんまり執着がない人の小説で、そこがすごいのかもしれん。

09/06 02:17
0255文字
漣
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城の崎にてを読みたくて購入。高校の頃は淡白で退屈に思えたけれど、とても読みやすくてすっきりした文章だなあと以前より好きになった。
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岩本あき
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ネタバレ短篇が11篇収録されていますが、どれも内容が濃くてしっかり読ませる作品なので、大袈裟に言うと一冊読み終わった時には始めのほうの作品を読んだのがずっと前のことのように感じられました。 「小僧の神様」「正義派」はよかれと思ってやったことなのになんでこんな気持ちになるんだろうと淋しさやむなしさが残りますが、なんとなくわかる気がしました。 面白いと思ったのは「赤西蠣太」。 伊達騒動を下敷きに、屋敷にスパイとして潜入している赤西が屋敷から引き上げるための策を練る話。ラブコメディさながらの展開で面白かったです。
0255文字
ぺおる
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岩波文庫なのに「作者自選」というのが古典の岩波文庫というイメージと違っていて、どこか一線を画している。写実的といっていいのか分からないが、他の明治~大正作家に比べて格段に「読みやすさ」というものが違う印象。それはどことなく形式が今の我々が思い浮かべる小説に近いものを感じるからなのかもしれない。
0255文字
a子
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「范の犯罪」「流行感冒」「母の死とー」の3作は面白く読めたけど、殆どの作品があまりぴんとこず、装飾のない簡潔な文章を流れるままにただ読み過ごしてしまいました。好みの問題か、読み手の熟練度が試されているのか。何れにしてもまだまだだな、私。
0255文字
tokotan
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ネタバレ表題作と『城の崎にて』『赤西蠣太』は新潮文庫版で既読。岩波版は自選なのか。 目当ては『流行感冒』100年前スペイン風邪が流行した頃のお話。出てくる女中の『石』さん。 少し難ありで一波の時に感染して主人夫婦を困らせるが二波が来たとき免疫があったのでよく働き 評価は一変。石さん自体は変わらずに仕事をしていただけ。でも有事の時はこういう人が強いんでしょうね。 『母の死と新しい母』産みすぎ!昔は子どもの死亡率が高かったにしても多い方が良いって訳じゃ…。
0255文字
ゆか
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ネタバレ中学時代に読んだ時は全く面白くなかったが、今読むとなんと面白いことか。表題作の中で「人を喜ばすことは悪い事ではない。自分は当然、ある喜びを感じていいわけだ。ところが、どうだろう、この変に寂しい、いやな気持ちは。略 ちょうどそれは人知れず悪い事をしたあとの気持ちに似通っている」とあるが、これは中学生ではわからない心情だと思う。面白かったのは「流行感冒」。石の平然と嘘をつくたくましさと、子供の左枝子を可愛がる様子、みんなが倒れた時の働きぶりなど、人はひとつの面だけを見て判断してはいけないのだなと思えた。
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macoco
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谷崎潤一郎の「文章読本」の中で、志賀直哉の「城の崎にて」を例に彼の文章表現方法の魅力について述べておりましたので、手にしてみました。そこに書かれている通り、写実的に周囲の情景を述べ、その背後に隠れる心の様子をくっきりと表現しています。私のような素人が作者の表現方法にについてどうこう言うのは、大変おこがましいことであり、またその素晴らしさをどれだけ理解できているかも分かりませんが、読者を雑念から遠ざけ、物語の中に中に吸い込む文章であることは間違いありません。
0255文字
読人
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(再読)時節柄「流行感冒」にふれる記事を目にすることがあり、久しぶりに読もうと思って手にとったら止まらなくなって、結局他の作品も全部読んでしまった。何を訴えるでもなく(読み取る力がないだけかもしれないが)、淡々と無駄を削ぎ落とした描写でありながら情景が浮かぶように感じられるのがたまらない。絵画のような小説、という感じだろうか。いくつかの作品の切って捨てるような終わり方もまた味がある(気がする)。
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Tαkαo Sαito
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100年前に書かれているのにめちゃめちゃ読みやすくてビックリした。そして志賀直哉の出身が宮城県石巻で同じ宮城県出身として親近感笑。流行感冒(スペイン風邪流行時の話)が読みたくて購入したがそれ以外の話も全て良かった。何かインシデントが起きるわけではないのに、本当に描写が目に見えるようで読んでて満足感が大きい。正直、今の作家さんとのレベルの違いを感じた。無駄な言葉、表現が一切削ぎ落としてシンプルなのに、本質が足りている感じ(?)、例えるなら、一周回って一昔のApple製品のような洗練された感じ、伝わるかな笑。
0255文字
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小僧の神様 他十篇 (岩波文庫)評価73感想・レビュー231