形式:文庫
出版社:岩波書店
形式:Kindle版
形式:単行本
読みたい本が見つかる名言ブログ:https://bontoku.com/meigen-siganaoya
私は、芥川龍之介は、友人の菊池寛の創設した芥川賞のおかげで、有名になっている。志賀直哉も、太宰治の「如是我聞」のおかげで、結構若い人に有名で、得しているかも?と思えるようになって来ました。
志賀さんの作品を読むと、子どもに対する親の愛情の深さを感じることが多い。『流行性感冒』の「○○さんが左枝ちゃんを大事になさる評判は日本中に弘まっていましたわ」に表されているが、それが過剰すぎて「自粛警察」的な行動をとらせてしまう。去年新型コロナが猛威を振るい始めたころ、日本中でこういったことが起き、感染した人が犯罪者のように扱われた時期もあった。人間は得体のしれない恐怖に対して過大な防衛措置を取りがちなのは、100年経っても変わっていないのだろうか?
中村光夫は、『志賀直哉論』(1954年)の中で、「『万暦赤絵』以後の作品は、それまでの彼の制作にくらべれば、隠居仕事にすぎません。」と述べています。
5年書かなかったというのは、4~5年と訂正します。
そうですねえ。
今回11編の短編の最後として『真鶴』を読んでいくと、12、3歳の思春期の少年が恋を知った前と後との大きな落差が見事に表現されていると感じ、深い話だと思った。少年が弟の手を引いて片道10キロはありそうな小田原まで下駄を買いに行くが、結局憧れの水兵帽を買ってしまう。二宮尊徳社に行くつもりが、法界節の一行(チンドン屋さんのようなものか?)に出会って、白塗りの自分の母ぐらいの女房に「有頂天になって」しまうと、帰りの世界が全く違う景色になってしまう。自分の母が迎えに来てふと現実に引き戻される。面白かった
同意です。無駄なく洗練されている文章がある種の芸術作品様に美しー
<<ゆたさん。そうですよね!ほんと綺麗な文章だなって思いました(((uдu*)ゥンゥン
『城崎にて』が一番印象的ですね。生と死の隣り合わせ感がすごいです。
ガラスの文鎮(文鎮城)さん、コメありがとうございます。『城崎にて』良いですね。
ただ「赤西蠣太」とか「正義」みたいな、題材を外部に求めたものはかなりおもしろいと思う。前者では、意に沿わず書くという行為が、書いた人も読んだ人も思いもしなかったところに運んでいく。お話の面白さがまず一級品なんだが、最後の最後でそれをポンと打ち棄ててしまう。要するに何に対してもあんまり執着がない人の小説で、そこがすごいのかもしれん。
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