3400通届かぬまま 尖石縄文考古館のタイムカプセル 「20年前の差出人」求む
茅野市尖石縄文考古館が、2年前に開封したタイムカプセルに入っていた小中学生らの手紙の返却に頭を悩ませている。カプセルには2000年の同館オープンを記念して手紙を封入。希望者に返却を進めているが、計4089通のうち8割超の約3400通は返却できていない。同館は当初2月の返却期限を3月末に延長して、筆者からの連絡を待ち望んでいる。
手紙は同館が「20年後の自分」と題して募り、市内全小学校の児童と、東部、長峰の2中学校の生徒から集めた他、一般来館者の手紙もある。内容は「お父さんは元気ですか」「結婚していたらいいな」といった数十~数百字の文章で、絵が添えられたものもある。
同館は21年にカプセルを開封して手紙を整理し、昨年2月から返却を開始。市内在住者を中心に返却してきたが、今も多くは段ボール箱に残ったまま。住所が書かれた手紙もあるが、予算の都合上、同館から郵送するのは難しく、筆者や家族からの連絡が返却の唯一の糸口になっているという。
市教委文化財課の小池岳史係長は「手紙を書いた00年は市内で土偶『仮面の女神』が出土した年。どうか記憶をよみがえらせて連絡してほしい」と呼びかける。
返却を希望する場合は、同館へ事前に連絡するよう求めている。郵送で返却を希望する場合は返信用封筒が必要。問い合わせは同館(電話0266・76・2270)へ。