つんのめって倒れそうな時、人の背中を大きな力で押し倒そうとしている時、
投げやりになって人生を棒に振ろうとしている時に読んでいただきたい本があります。
『自分の「ものさし」で生きなさい』(日経BP社)は僕の杖です。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/232900.html
先日、日経BP社の麓さん(所長執行役員)から酒井雄哉さん(天台宗大阿闍梨)と
村木厚子(厚生労働省事務次官)さんの共著を献本いただきました。
10年ほど前にテレビで千日回峰行に挑まれている酒井さんのお姿を拝見してからというもの、
ご著書を読みあさりました。僕の座右の銘「一日一生」は酒井さんのお言葉です。
そして、もう一人の著者・村木厚子さんとは厚労省の課長時代からのお付き合い。
2009年に起きた郵便不正事件で逮捕・勾留されている時に酒井さんの『一日一生』の本を
差し入れました。

そんな、こんながご縁で村木さんと麓さんに同伴し、
2011年の冬から翌年の春ごろ比叡山におられる酒井さんを尋ねました。
「さあ、いらっしゃい。さあ、まずはお茶の一杯でも飲んでね」。
気負のない笑顔とお言葉をいまでもハッキリ覚えています。

酒井さんが紡ぐ言葉が僕の杖になりました。
・仏様は、一人ひとりにちゃんと役割を与えているんだよ。
だから生きるということは、そのお勤めを果たして、最終的に、人生の論文を作るということなんだよ。
・命は仏様からの借り物だよ。命を借りる代わりに論文を書くんだ。
・本線というのは、自分の能力に合った道ということ。
自分の人生をどうやって生きていくかという一つの目標を立てること。
自分が生涯こうやっていきます、どんなことがあってもこれを貫きますという、
目星をつけなきゃいけない。
・自分が人間として生まれてきたからには、仏様にお返しするには、
何をもって社会貢献したらよいのかということを考えらいい。
そうしたら、本線も見つけやすくなると思うよ。
・人間の心はいつも、善である「慈悲の心」と、人をねたんだり、
うらんだりするような「悪の心」がある。悪の心はなくならないけど、
その心をどうかわすかなんだよね。

2013年9月、酒井さんはお浄土に還られました。
現世でお会いできて本当に良かったです。
直接聞いたお言葉は僕の大きなおおきな杖になりました。
僕がお浄土に還ったらお婆ちゃんと二人して、論文をもっていきます!読んでください。

南無阿弥陀仏
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