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電気代を下げたい…!家電製品の消費電力をチェックできる「ワットチェッカー」の選び方

文春オンライン / 2023年2月24日 17時0分

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ワットチェッカーの多くは2000~3000円程度で入手できます。電源プラグとコンセントの間に取り付けることで、日々どれだけの電気代がかかっているかを知ることができます

 電気料金の上昇による電気代の負担増が、今多くの人にとって切実な問題となっています。どこの家庭も、いかに電力消費を減らすか、頭を痛めているのではないでしょうか。

 もっとも、電気料金が高いといっても、どの家電製品がどのくらいの電力を消費しているかは、なかなか把握しづらいもの。また消費電力が高い製品ばかり使いすぎに注意していて、常時運転している消費電力が低い製品のほうが、トータルでは電気代を食っている可能性もあります。

 これらを見直すにあたって有効なのが、市販の「ワットチェッカー」です。これらを家電製品のプラグとコンセントの間に取り付ければ、消費電力を測定し、かかっている電気代を算出してくれます。これにより、使い方を見直すべき家電製品が、一目瞭然になるというわけです。

 家庭にあるさまざまな家電製品をこのワットチェッカーでテストするのは、最終的に電気代を下げるための特効薬と言えます。今回は一見するとどれも同じに見える売れ筋のワットチェッカー3製品を試しつつ、どのような違いがあるのか、また何をポイントに選べばよいかをチェックしました。

まずはワットチェッカーの使い方をチェック

 まずは基本的な使い方からおさらいしておきましょう。これらは壁面のコンセントに差し込み、家電製品をつないで使用します。本体には液晶画面があり、消費電力や積算電力量、電気代などの情報が、そこに表示される仕組みです。なおいずれもエアコンやオイルヒーターなどには対応しないほか、最大1500Wという制限があるので注意が必要です。

 測定可能な項目は、どの製品も基本的には同じです。というのも、コンセントにつないで測れるのは基本的に消費電力(W)しかなく、残りの値はそれをもとに算出する仕組みだからです。

 例えば電気料金は、消費電力に時間を掛けて電力量(kWh)を算出したのち、そこに電気料金の換算レート(1kWh=〇〇円)を掛け合わせて表示されます。

 測定されたデータは本体に記憶されますので、途中でコンセントを抜いても消えてしまうことはありません。特定の家電製品をつないだまま1週間や1ヶ月にわたって運転し、消費電力などの実情を把握したら、本体側でいったんデータをリセットし、また別の家電製品をつなぐという繰り返しで、家庭内のさまざまな家電製品をチェックするとよいでしょう。

ワットチェッカーを選ぶときに気をつけたいポイント

 ところでワットチェッカーを選ぶ上で気をつけたいポイントのひとつに、電気料金の換算レートを書き替える機能を備えているか否かが挙げられます。

 ワットチェッカーにおける電気料金は、本体に書き込まれたレート、具体的には「1kWh=〇〇円〇〇銭」という値に基づいて計算されます。レートが将来的に大きく変動した場合、本体内のレートを書き替えることができないと、電気代の計算がおかしくなってしまいます。

 実際、筆者が過去に購入したワットチェッカーの中にはそうした製品があり、いまでは無用の長物と化してしまっています。以下で紹介する3製品はいずれも書き替えが可能ですが、実際に製品を選ぶにあたっては、事前に機能の有無を確認しておくことをおすすめします。

 では、ここからは売れ筋のワットチェッカー3製品について、その特徴や違いを見ていきます。

実売1000円台で入手できる、リーベックス「ET30D」

 最初に紹介するのはリーベックス「ET30D」です。実売1500円を切るリーズナブルな価格ゆえ、Amazonではベストセラー1位の常連となっている一品です。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0089JCIE0

 この製品の特徴は、後述の2製品と違って情報を表示する液晶画面が1行分しかないことです。シンプルイズベストといえばそうなのですが、表示できる値はリアルタイムの消費電力(W)に始まり、積算時間、積算料金、1時間あたりの料金、積算使用電力量(KWh)、積算CO2排出量(kg)と6種類にもおよぶため、すべての値を閲覧するのにボタンを6回も押さなくてはならず、少々手間がかかります。

 また、5W以下の微弱な電力は測定できず、それゆえ家電製品のスタンバイ中に流れ続けている待機電力は測定できない場合があります(取扱説明書にも「測定できません」という注意書きがあります)。待機電力をカットすることがワットチェッカーの導入目的の一つであれば、本製品はやや不向きということになります。

 このほか、液晶の視野角もあまり広くなく、さらに液晶の上下にある段差のせいで影ができやすく、特に薄暗い場所では見づらい印象です。また家電製品を接続するコンセント口が下ではなく本体右側面にあるため、ケーブルが横方向に突き出る形になるなど、配線のしやすさも好みが分かれそうです。

 電気料金の換算レートは「27円/kWh」で、任意の値に書き換えることも可能なのですが、ほかの2製品と違って小数点以下が入力できず、ざっくりとした料金しか算出できません。

 表示されるデータの種類はひととおり揃っており、機能としては及第点なのですが、細かい制限事項を見ていくと、後述の2製品とは価格以上の差はある印象です。

複数行表示で見やすい、サンワサプライ「TAP-TST8N」

 次に紹介するのはサンワサプライの「TAP-TST8N」です。実売価格は3000円弱と、前述のリーベックス製品の約2倍ですが、どのような点が異なるのでしょうか。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01DX4JNXE

 本製品の最大の特徴は、上下2段にわたって情報を表示できる大型液晶を搭載していることです。キーとなる情報であるリアルタイムの消費電力を下段に表示したまま、ボタンを繰り返し押すことで、上段に積算または1日あたりの電気料金、もしくはCO2排出量を表示できるのは、なかなか気が利いています。

 さらにこの消費電力についても、別のボタンを押すことで、リアルタイムの消費電力(Watt)→積算電力(kWh)→積算時間(Hour)に切り替えられるなど、目的の情報を効率的に呼び出せます。ただし、ボタンが3つもあることから、使い慣れるまでは少々難解です。わかりやすさという点では、ひとつのボタンを連打するだけで情報が順番に呼び出せたリーベックス製品のほうが上かもしれません。

 一方で、液晶画面は今回紹介する3製品の中でも明るく、廊下など薄暗いところに設置しても高い視認性を誇ります。消費電力も0.3Wから測れるので、前出のリーベックス製品では測れない待機電力もしっかりとキャッチしてくれます。

 ちなみに電気料金の換算レートは「21円/kWh」とやや安めのレートが設定されていますが、任意の値に変更できますので、機能的には問題ありません。このほか家電製品を接続するコンセント口が、今回紹介する3製品の中では唯一本体下部にあり、ケーブルを挿す方向に無理がないのも、利点の一つと言えそうです。

すべての情報を3画面に集約、ELPA「EC-05EB」

 最後に紹介するのはELPA(エルパ)の「EC-05EB」です。こちらも前出のサンワサプライ製品と同様、上下2行の表示が可能な大型液晶を備えるのが特徴です。実売価格は2300円前後と、前出の2製品のちょうど中間ということになります。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00IM6N54W

 ボタンを押すたびに表示される情報が切り替わるのは、前出のサンワサプライ製品と同様ですが、1行ずつではなく2行まとまって入れ替わるのが特徴です。

 具体的には、1画面目が「リアルタイムの消費電力(W)/使用電力量(kWh)」。2画面目が「1時間あたりの電気料金(円)/月当たりの料金(円)」。3画面目が「積算時間/CO2排出量(kgCO2)」。ボタンを3回押せば、すべての情報が表示される格好です。

 このように閲覧性は高いのですが、サンワサプライ製品と比べて液晶の視野角が狭く、特に上方向から見えづらいのは、足元に取り付けて上から見ることが多いワットチェッカーとしては、やや使いづらい印象です。

 また測定可能なのは1W以上でありながら、2W未満は積算時間に含まれないという仕様も、少々分かりづらさを感じます。

 ちなみに電気料金の換算レートは「22円/kWh」で、こちらも任意の値に書き替えられますので長期的な利用が可能です。コンセント口は本体下部ではなく、リーベックス製品と同じく本体右側面にあり、配線のしやすさは好みが分かれそうです。

ベストバイはどれ?

 以上のように、ワットチェッカーとしての機能はほぼ共通でありながら、どれも少しずつ違いがあることが分かります。

 今回の3製品からベストバイを選ぶならば、機能の豊富さや見やすさを勘案して、サンワサプライの「TAP-TST8N」でしょう。とはいえ、ひとつのボタンで全情報をコンパクトに見られるELPA「EC-05EB」も優秀ですし、リーベックス「ET30D」は電気代の小数点以下が登録できないマイナスはありながらも、1000円台で入手できる安さは光ります。

 なお今回は取り上げていませんが、最近はスマホから電源のオン・オフを操作できる「スマートプラグ」と呼ばれる製品にも、電力チェッカー機能が付属した製品があり、そちらはスマホアプリによるグラフ表示にも対応しています。長期にわたってデータを蓄積したり、変化を目で見えるようにしたければ、こうした製品も併せてチェックするとよいでしょう。

(山口 真弘)

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