浜田省吾の『悲しみは雪のように』…ドラマ主題歌起用が当時“意外”だったワケ

国民的大スターになったきっかけ
週刊現代 プロフィール

書き下ろしではなく、あえて「既存の曲」を選んだ

スージー 当時から浜田省吾はドラマの主題歌やCMなどのタイアップに消極的でしたから、ハードルは高かったのではないですか。同世代の山下達郎がタイアップを上手く活用したのとは真逆で、浜田省吾は商売下手。そんな不器用で実直なところも、ファンにはたまらないのですが(笑)。

大多 浜田さんの協力が得られなければドラマの企画は没にする覚悟で、レコード会社の方を通してドラマの内容や世界観をお伝えしました。浜田さんがOKを出してくれるなら、どんな曲が来ても主題歌にするつもりでした。

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 テレビ局からは当初、書き下ろしを依頼されたと聞いています。彼は責任感の強い男だからいろいろと考えたようですが、過去に作った曲でもっとドラマにフィットするものがあったと気づき、この曲を提供したとか。

大多 正直に言うと、『悲しみは雪のように』というタイトルを聞いた時は、曲がすぐに思い浮かびませんでした。浜田省吾さんはかなり聴いていたほうなんですが……。

しかし実際に聴いてみると、大学時代の仲間たちが社会に出て困難と直面するドラマのストーリーと、曲がぴったりと合っていた。過去の楽曲のなかから、あえてこの作品を選んでくる浜田さんのセンスには驚かされるばかりでした。

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