浜田省吾の『悲しみは雪のように』…ドラマ主題歌起用が当時“意外”だったワケ

国民的大スターになったきっかけ

テレビに出ず、タイアップもせず、地道に曲を作ってライブを続ける。そんな「ハマショー」が、正真正銘の「国民的スター」となったのが、この曲だった。

『悲しみは雪のように』/'81年のアルバム『愛の世代の前に』収録。'92年にフジテレビ系のドラマ『愛という名のもとに』の主題歌となり、170万枚を超える大ヒットとなった。カップリングはドラマタイトルになった挿入歌『愛という名のもとに』

今回は元モップスでアレンジャーとして様々な楽曲を手掛けてきた星勝さん、トレンディドラマというジャンルを確立したフジテレビ専務取締役の大多亮さん、音楽評論家として活躍するスージー鈴木さんが、『悲しみは雪のように』を語り合った。

ドラマ全体を「浜田省吾」の世界観でくるんだ

スージー ファン以外にはあまり知られていませんが、『悲しみは雪のように』はもともと'81年のアルバム『愛の世代の前に』に収められていた一曲です。

母親が脳梗塞で倒れた時の自分の気持ちをベースにした歌詞と、アメリカの西海岸を思わせるサウンドの、隠れた名曲でした。

それが'92年1月から放送されたドラマ『愛という名のもとに』の主題歌になり大ヒットした。あの頃は、街中でずっとこの曲が流れていましたね。

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 僕がアレンジャーとして初めて浜田君と仕事をしたのは'77年のシングル『木枯しの季節』でした。以来、多くの楽曲にも関わってきましたが、『悲しみは雪のように』の依頼が来た時は、いつもと変わらず「カッコ良いサウンドにして下さい」と言われたと思います。

大多 このドラマを作ったのは、『東京ラブストーリー』と『101回目のプロポーズ』がヒットした後でした。これだけの成果を出せば会社も文句を言えないはず(笑)。

だから次は好きなものを作ろうという話になり、「青春と友情」をテーマに、作品全体を浜田省吾の世界観でくるんだドラマを作ることにしたんです。

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