鳥さんの日光浴
こちら佐世保では、昨日(4/14)はとても暖かく、いいえ、暑いくらいの一日でした。
気温が高くお天気がいい日、まさに鳥さんの日光浴日和ですね!
日光浴は人にももちろん、鳥さんにとっても必要不可欠なものと言われています。このことは、いろいろな本やサイトで紹介されているので、日光浴の必要性はここでは簡単にちょっとだけ・・・
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【日光浴の必要性】
1)ビタミンD3の生成に:
日光浴をすることで、体内でビタミンD3を生成します。ビタミンD3はカルシウムを摂取して体内に吸収する働きがあります。つまり、カルシウムだけ摂取していても、ビタミンD3が不足していると、体内にうまく摂り込めないということになります。ビタミンD3は食べ物からは補えないものです。ペレットには、「ビタミンD3供給源」とされるものが含まれていますが、日光浴という行為全体に意味があるので、ペレットだけでOKという訳にはいかないと感じています。
2)一日の体内リズムを整える手助けに:
午前中の日光浴がお勧めです。自律神経の乱れは様々な病気の原因になることもあります。過去のご相談の事例で、「一年中ダラダラと換羽が続く」という鳥さんに対して、日光浴はしていますか?とお尋ねすると、トルーライト(太陽光代わりとなる電球)を使っているから大丈夫とおっしゃっていましたが、いわゆるお部屋の電気がこのライトになってしまっていて一日中当たっている状況でした。つまり、メリハリがありません。せっかく太陽光に当たっていることにはなりますが、一日中同じ強さなので、適切とは言えなくなってしまいます。例えば、野生で暮らす鳥たちは、一日中日光に当たっているかいうとそうではなく、適当に日陰に隠れたりすることで、一日中同じ強さの日光を浴びないことになりますし、お昼から午後にかけて、日もだんだん傾いていく環境です。
そして、日光浴の恩恵である3)の効果も得られません。そこで、午前中の時間帯で日光浴をするようにしていただいたら、ダラダラと続いていた換羽が止まり、1年に2回の頻度となりました。全ての鳥さんが同じケースに当てはまるとは言えないかもしれませんが、やはり自然の太陽の光は何物にも代えがたいといったところでしょうか。(※トルーライトが悪いということではなく、使う時間帯と長さについて考える必要があると思います。例えば、ある時間帯になったらスイッチが切れるような工夫など。)
3)精神面のケアといい刺激に:
日光浴がキライ!な鳥さんもいると思います。だからと言って日光浴をしない訳にはいきません。この「キライ!」と考えるのも思考につながります。日光浴を嫌がる鳥さんに対しては、ケージの中で逃げ場となるようにカバーか段ボールなどを使ってケージの上に置いて、影を作ってあげることをお勧めします。「でも日が当たってないから日光浴にならないのでは?」と思われるかもしれませんが、問題ありません!日光は地面からの乱反射でしっかりと鳥さんにも当たっているはずです。
ただし、暴れるほど日光浴がキライな場合は無理をせず、少しずつ少しずつ慣れてもらうようなアプローチをお願いします。
お山の大将となりがちな大型の鳥さんにとって、発情を繰り返す鳥さんにとっても日光浴はいい刺激になります。身体に当たるそよそよとした風などもいい刺激になります。毛引きや自咬を鳥さんにも日光浴を勧めています。なぜなら、日光浴は鳥さんにとってはある意味疲れるもののようで、鳥さんは疲れると寝ます、この時間は自分の羽根や身体をいじったりすることから関心をそらせることになります。ただし、毛引き、自咬の鳥さんに対しては十分な観察が必要で、かえって悪化させるようでしたら即中止するなどの対応が必要になります。
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上記のことはすでにご存じの方も多いでしょう。
ここではさらに、事例を踏まえた日光浴の注意点をお伝えさせていただきます。鳥さんにとって大切な日光浴ですが、安全面にぜひとも考慮していただきたいと思います。
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【日光浴をやる時の注意点】
1)屋外の場合、決して目を離さないで!
屋外にケージを置いたり吊るしたり(★)して日光浴をする場合、決して!絶対に!目を離さないでください。
*ネコやカラス、ヘビなど、外には天敵がいっぱいです!実際に起こったことですが、屋上だったらヘビは来ないだろうなどとしばらく放置していたら、ケージの中にいるはずの鳥さんがいなくなって代わりにお腹が大きくなったヘビがケージから出られず。。。といった事例もあります。2階以上の建物でもヘビに襲われたという事例もあります。
*天敵ではありませんが、ケージから少し目を離したすきにケージごといなくなったという事例があります。「盗まれた!」と思った飼い主さんは必至に探し回って警察に届け出をだされました。そして、ほどなくして鳥さんは無事見つかりました。
「拾得物」として。
おわかりでしょうか。ケージだけポツンと置かれている状況を見て、たまたま通りかかった人が「鳥が捨てられている!大変!」と思って、警察に届け出てくださったそうです。結果的には、あ~良かったですね~で終わったのですが、中には本当に盗まれる可能性もゼロではありません。くれぐれも屋外では鳥さんから目を離さない!ということを徹底していただけたらと思います。
★ケージを軒先に吊るす場合、下のトレー部分がはずれやすくなっていないか十分にご注意願います!
2)室内で網戸越しの場合も目を離さずに!
日光浴は、室内で網戸越しで行うのが一番安全かもしれません。(もし日当たりがいいお部屋があれば)
窓ガラス越しの太陽光はビタミンD3合成に必要な紫外線がほぼ完全にカットされてしまうそうです。なので、網戸越し、あるいはアクリルであれば大丈夫です。
室内の場合、ケージから出して網戸越しで日光浴と言うこともできますが、この時もぜひ目を離さないようにお願いします。鳥さんのクチバシであれば、網戸を齧って屋外に飛び出てしまうことも可能です。実際に、目を離していたスキにセキセイインコが網戸を齧って屋外に・・・という事例もあります。
3)鳥さんの体調や様子を観察して臨機応変に:
日光浴はいくら鳥さんにとって必要なものとはいえ、鳥さんの体調が悪い時は逆効果になります。また、直射日光を避けるための日光よけや、強風などの風よけをカゴ半分にかけてあげるなどの対策をお願いします。短時間で温度変化が激しい場所も不向きです。
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屋外での日光浴については、最近ではオウム病など心配事がありますが、鳥さんの様子を観察していただきながら、飼い主さんにとっても負担になり過ぎない頻度で、安全性を考慮して機会を作っていただけたらと思います。
以上、ご参考になりましたら幸いです。