これまでグループ内で3000台のネコ型配膳ロボット導入を進めてきたすかいらーくHD。同社が店舗で実施した調査では、着実に導入の効果が表れてきているという。ガスト、バーミヤン、ジョナサンなど67店舗で実施した顧客アンケートでは、ロボット導入に「満足」「大変満足」と回答した割合が9割に上った。
さらに、ランチピーク時の回転率はロボット導入前から2%アップ。テーブルの皿などの片付けにかかる時間は、導入後35%の削減に成功した。店舗スタッフの歩行数も、導入後42%削減につながったという。とりわけ、シニアスタッフはロボットによる配膳で負担軽減の効果が大きかったほか、業務の難易度軽減で、外国人スタッフの活躍推進にもつながったという。
ITmedia ビジネスオンラインが昨年末、すかいらーくHDのネコ型ロボット3000台導入について報じた際、読者から記事に興味深いコメントが寄せられた。
この読者は飲食店スタッフらしく、導入されたネコ型配膳ロボットに不具合が生じ、1週間、人が料理を運ぶ以前のスタイルに戻ると「信じられないくらいのストレスを感じた」という。注文の料理を運んでもテーブルに置くスペースを作らない利用客や、一言文句をつける利用客――。ネコ型配膳ロボットの不在で、ウェイター業務のストレスを改めて考えさせられたといい、コメントは「ネコ導入でお客と接する機会が減ると従業員のストレスは格段に減る。ありがとう、ネコ」と締めくくられていた。
ネコ型配膳ロボットが今や、なくてはならないものとして認識されている様子が、このコメントからうかがえる。ネコの愛らしい表情は、利用客の満足度だけでなく、従業員の精神面での負担軽減にも確実に役立っているようだ。
ネコ型配膳ロボットを積極的に導入するすかいらーくHDでは、23年度、グループ全体で新たに50店舗の出店を計画しているという。新業態の桃菜は23年中に南関東で約20店舗の出店を計画し、その後全国展開を予定。将来的には100店舗ほどの展開を見込む。
今後ますます、ネコ型配膳ロボットが活躍する光景を目にする機会が増えそうだ。
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