すかいらーくHDといえば、ネコ型配膳ロボットが料理を運ぶ光景がおなじみだ。顧客満足度の向上や、働きやすい職場環境を目指し、21年8月からグループ全体で導入を進め、22年末時点で全国約2100店舗に3000台の導入を完了。1店舗当たり1.4台導入している計算になる。
グループが国内で運営するのは約3000店舗だが、業態のコンセプトに合わせ、元来ロボットを導入しない店舗もあるため、これらを除けば、ロボットが必要なほぼ全ての店舗で導入が完了したことになるという。
今回、新業態としてオープンした桃菜1号店では、3台のネコ型配膳ロボットを導入した。従来の店舗の倍の数だ。これまで以上にロボットの活用を図る背景には、飲茶という食事スタイル特有の事情があるという。
桃菜はオーダーバイキングの形式をとる。自家製小籠包などの点心を中心に約50種類の料理を90~120分の時間内で好きなだけ食べられる「食べ放題コース」を用意しているため、ホールスタッフが料理を運ぶ回数が大幅に増える。これを解消するためには、ネコ型配膳ロボットの活用が欠かせない。
さらに、蒸したての点心を熱々のうちに提供するためにも、人だけでなくロボットをフル活用する必要があったという。
ロボットが従来の業態以上に稼働することを見越し、店内通路幅はバーミヤンの約1.5倍と広めにとっている。“ネコ型ロボット仕様”とも呼べる店内レイアウトだ。また、多くの料理が運ばれてくるため、テーブル幅もグループ内の業態としては最も広くしているという。例えば、2人掛けのテーブルであれば、既存業態の店舗では70~80センチ幅だが、桃菜は90センチ幅としている。
飲茶は食事や会話を楽しみながら、ゆったりとした時間そのものを味わう食文化でもある。コロナ禍で敬遠された外食だが、ポストコロナでは食事のほか、「ゆっくりと会話を楽しむニーズも高まってくる」と梅木氏は見据える。
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