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すかいらーく、新業態を相次ぎオープン 「ネコ型ロボット」をこれまで以上にフル稼働させるワケ不可欠な存在に(1/3 ページ)

» 2023年02月12日 07時30分 公開
[濱川太一ITmedia]

 すかいらーくホールディングス(HD)がポストコロナを見据え、積極的な新ブランド展開に乗り出している。1月に生そばや丼物の新業態「八郎そば」、2月には飲茶専門店「桃菜(とうさい)」をオープンした。すかいらーくといえば、ネコ型ロボットが料理を運ぶ光景が定番となったが、新業態の桃菜では、バーミヤンやガストなどの既存業態以上にネコ型ロボットの活用を見込んでいるという。一体なぜなのか。

飲茶専門店「桃菜」では既存業態以上にネコ型ロボットの活用を見込む。一体なぜなのか

 愛らしい表情をしたネコ型配膳ロボットが、蒸籠(せいろ)に入った小籠包を運んでくる――。

 2月1日、東京・町田市に「飲茶 TERRACE 桃菜」1号店がオープンした。飲茶は中国の食文化の1つで、中国茶と点心を味わう食事スタイルだ。昨年2~3月、バーミヤンの首都圏15店舗で実施した「飲茶食べ放題」が、同社の想定を超える反響があったため、新業態としての採用が決まった。

桃菜では自家製小籠包などの点心を中心に約50種類のメニューを用意する(すかいらーくHD提供)

 当初はバーミヤンのブランドのままで「点心食べ放題」を継続する案もあったが、ニーズが想定を上回ったほか、点心の調理には専用器具も必要となり、オペレーション面から見ても切り離した方が得策だとの判断があった。すかいらーくHDの梅木郁男執行役員は「マーケットの大きさを確認する中で、飲茶専門の新業態として立ち上げられるとの確信が得られた」と振り返る。

6年ぶりの新業態

 桃菜1号店は1986年にバーミヤンの1号店として開業した鶴川店の建物を改装した店舗だ。すかいらーくHDでは、1店舗単位の売り上げではなく、エリア単位のマーケットポテンシャルを重視する「エリア最適配置」の考えのもと、グループ内での業態転換を柔軟に推し進める。地域のニーズに合わせ、自社競合を解消することで、売上効果の最大化を図るのが狙いだ。21年度にはガストやバーミヤンなどを中心に、73店舗の転換を実施し、売上効果61.7%増を実現したという。

2月1日東京・町田市にオープンした「飲茶 TERRACE 桃菜」1号店

 すかいらーくHDの新業態は17年6月のハワイアンダイニング・カフェ「La Ohana(ラ・オハナ)」以来、約6年ぶり。梅木氏は「この6年間、事業ポートフォリオの最適化を進めてきた。コロナ禍を経て外食需要が変化する中、今こそ新業態に打って出る時期だと判断した」と話す。

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