Mr.研修生さんが逮捕された。彼の名前は盗撮界では知らぬものはないほど知られていたが地デジのニュース番組でアナウンサーがその名を読み上げるのを聞いたとき増田は平静を装うのが大変だった。研修生さんのブログは2022年12月中旬に突如すべての記事を削除し、マーケットから全作品を削除していたので増田はおそらく「そう」なったのであろうと想像していたが、やはり事実を突きつけられると動揺するというのが正直なところだ。なぜなら彼の公式な活動歴は警察が発表した「12年以上前」よりも更に遡り、2005年11月に発売された60分5000円のDVDが最初であるとされる。増田はおよそ18年にわたる彼の活動を作品を通じて見つめてきた。その感想をここに記そう。
日本の盗撮動画はここ約7-8年ほどで商業的に大きく発達してきた。
盗撮ジャンル自体はVHSからDVDの時代にかけて様々に発展してきたが普通のAV以上に理解されがたく、ともすれば同性にも同意を得られないジャンルである。今回の研修生さんの逮捕でもたかが布切れに何で興奮するのかわからないといった意見もあった。そのため愛好家たちはレンタルビデオ店ですら普通のAV以上の借りにくさを感じ、通信販売に手を出すようになった。購入歴を握られたくない愛好家はインターネットの掲示板でのデータ交換を利用した。そうした中で2000年11月に誕生したのがパンチラ影像の交換および販売サイトPowersである。当初は管理人に影像を送るとHPの手動更新で映像が配信されるというアナログな運用だったが、それでも1日に1-2千人が来訪していたようである。前置きが長くなるが今に通ずる重要な動きは早くも2000年代の序盤に生まれていた。研修生さんの作品ではないが、まず手短に当時のパンチラ影像の価格感を紹介したい。
ファーストアルバムはPowersのHP開設後およそ1年と少しの2001年頃にリリースされ、DVDでなくCD-ROMだった。CD-ROMは一般機器での再生を考えずPC専用の動画ファイルを.mpg形式そのままで収録し、DVD規格を超える1024x768の高画質を実現していた。また、そのような大容量の動画はハイスペックPCを必要とするため、800x600版も同時収録されていた時代である。パンチラ×デジタルの商業化が幕開けしていた。
続いて同様に2002年にCD-ROMフォーマットでセカンドアルバムがリリースされた。ここで注目すべきは「撮り師」の誕生である。当時は撮り師とは呼ばれていなかったが、Mr.研修生のように個人を識別できる呼び名がつき、その作風や品質が作品単体ではなく人ベースで評価されるようになった。名前による信用で作品が売れるという、撮り師時代の幕開けである。なおコンテンツから人へという流れはインターネット全体のものであり、2004年は世界的にWeb2.0元年とされる年となり、日本もそれに続くこととなった。同年2004年6月には「はあちゅう主義」、続いて「さきっちょ&はあちゅうのクリスマスまでの悪あが記」が開設され、ブログ文化が隆盛を迎えることとなる。
サードアルバムは2003年に発売され、媒体がCDからDVDとなった。720x480のDVD規格は1stや2ndと比べて劣化である。しかしながらプレステなどの再生機器に挿入すれば市販AVと同様に再生ができる媒体にその辺りを歩いているキレイなお姉さんのパンティが格納されているという興奮は大きなものだった。パンチラ流通の本格化である。
4枚目のアルバムは2003年に発売され、1人の撮り師の作品で1枚のDVDが構成された初めて作品となった。そして2ndから3rdへの価格上昇はおそらくCDからDVDへの媒体変更に伴うものと思われるが、3rdから4thも500円アップしている。3rdがPowersに投稿されたものを管理人が自身の収益のために販売した形であるのに対し、4th以後は撮り師の委託販売のような形をとっており、おそらく撮り師はこの1枚500円かその2-3倍程度の売り上げを受け取っていたと思われる。それまでの撮り師は称賛と名誉を集めるだけの立場だったが、以後は職業撮り師として成功を果たすものも現れ、その典型が今回逮捕された研修生さんだったと言えるだろう。
HPの運用は軌道に乗り管理人の手を介さずに影像の投稿ができるよう掲示板が整備され、人気のある撮り師が何名か撮り師の名前をブランドとしてDVDを販売するようになった。なおHPは当初「lock On JK Under Angle. King of JKUPSK!」を掲げておりJKを売りする姿勢であり、実際のところそうした商品の比率は高かったが、早い段階から看護師やOL(パンスト限定作品)に特化した作品を掲げていた。研修生さんの得意分野である店員さんジャンルはおよそ20年ほど前からその盛り上がりを見せていたことが窺える。
ここまでお読みになった方で多少その道の造詣のある方はオートネットが出てこなくてやきもきされたことと思う。Powersに先行すること2年、1998年9月13日にそのサイトは誕生した。誕生の当初よりパンチラVHS/DVDを販売するサイトであったため、それまでにエロ本の通信販売やインディーズのVHSなどまで揃えるショップを利用していた熱心なファンが相手だっただろう。Powersは掲示板があったため無課金で気軽にパンチラを楽しめるという点ではゲートウェイドラッグである大麻のような位置づけであり、その奥にシャブとして君臨したのがオートネットだった。
Powersは当初1枚2980円といったカジュアルな価格であったのに対してオートネットは5000円から7000円の価格帯で勝負している(ただしPowersも晩年には7980円などの商品を扱う)。後述するが研修生さんはこの2つのサイトを経験し、Powersとは何らかのすれ違いを生じて袂を分かったとされている。そして研修生さんはオートネットに活動の場を構えた。その時期には他にもカリスマ級の撮り師が存在しており、彼らを味方に引き込んだオートネットは大きく成長するのであった。撮り師の存在とはあたかもintelとAMDの間を渡り歩いたジム・ケラーのようである。
ここまでは前置きである。増田は匿名掲示板のパンチラに関するスレを2003年頃よりウォッチしている程度のパンチラ初学者であり、VHS時代からの諸先輩方の足元にも及ばない。既にここまでに述べた事柄から、以降のパートにて述べる内容はすべて増田の独自研究であり、誤り等あればご指摘いただけると幸いである。また、研修生さんの逮捕を機に一層盛り上がると思われる刑法改正案(盗撮罪の新設など)は本会期中の審議が予定されているが、その観点からも増田読者にパンチラ影像界の現状の一部を知っていただきたいと考え、ここに記すものである。
Mr.研修生さん(以降、単に研修生さんとする)はパンチラの逆さ撮りを専門としており、その中でも「店員さん」と言われる分野のパイオニアの1人である。(詳細なジャンルは文末につけた盗撮作品の分類を参照されたい)
一般に店員さんジャンルの対象は若者女性向けのファッション店舗、アパレル系ともいわれるタイプの店員さんである。他にもサプリメントや子ども服、携帯電話キャリアのイメージカラーのコスチュームを身に着けて料金プランを説明してくれる販売員なども店員さんジャンルに含まれるが、割合でいえばアパレル店員さんが圧倒的に多く、またその歴史も古い。
女性向けアパレルショップは滅多に男性が一人で訪れるお店ではない。そのためカムフラージュとして「女性の知人にプレゼントを贈りたい」「彼女のスカートがガードレールに引っかかって破れて歩けなくなり困っている」等と言って入店するようである。その際に多少は身ぎれいにしていたり、贈り物探しのシチュエーションであればやや高めの女性ブランドのショッパー(紙袋)を1つ2つ手に提げて入店すると店員さんとしては接客しなくてはという気持ちになるようであり、心のガードもお股のガードも甘くなるようである。
以下に研修生さん以外も含めて店員さんジャンルでよくある演出をまとめる。
註:店員撮りは防犯カメラの多い場所で撮影されることもあり露見リスクが高い。しかし過去には一般人を対象に電車中で連続的にパンチラ撮影を行い、ある日のパンティが在庫を一巡して数日後に戻ってくるまで追跡した「パンティのローテ」を確認できる作品も存在した。パンティローテの確認が達成されてから約15年が過ぎたがその1作のみとなっておりパンチラ界の金字塔となっている。
また、これ以外のカムフラージュとしては「囮」と言われる女性を伴って入店する場合や、女性そのものが撮り師となる場合、あるいはフライバイするように何度も店員さんの背後を通過することでお尻側を撮影していく方法なども見られる。
店員さんパンチラならではの作品様式を確立したのは研修生さんであると言える。先行してアパレル店員をターゲットにしていた撮り師は何名もいるが、研修生さんはパンチラだけでなく店員さんの店員さんとして店員さんらしい活動を生き生きと描いて魅せる手法を編み出した。本項ではその手法について以下にオープニング・本編・クロージングの3ブロックに分けて解説する。
顧客の接近を認めた店員さんがやや首をかしげながら「いらっしゃいませぇぇぇぇ↑」と言いながら近づいてくるところや、衣服を胸に当ててサイズ感を表現して見せる様子、ダミーである研修生さんの会話に聞き入ったり相槌を打って機嫌を取ろうとする様子を、その店員さんの人となりを示すための通奏低音として作品に織り込むもの。店員さんがサバサバ系なのか、愛らしいのか、あるいはプロ感ある手つきやアドバイスなのかなど、一切パンチラ要素はないパートである。しかし研修生さんの作品ではこのパートへの力の入れようが際立っていた。初見の視聴者は早くパンティ見せろとしか思わないだろうが、研修生さんのファンは研修生さんの名がついた作品というだけで撮れ高に間違いないことはわかっているのだから、どれだけオープニングが長くても「勝ち確」で眺めていられる。そのためファンはこのオープニングフェーズを全力で楽しんでおり、人によってはマーケットのメール受信から購入までできるだけ商品サムネイルなどを確認せず、前情報ゼロのままで再生し、完全初見100%のファーストパンチラの色・柄・形・フィッティング等を楽しむスタイルの人もいたようである。
警察発表で12年間以上(実際は約18年間)バレずに撮影した研修生さんのカムフラージュ技術の高さは特筆すべきである。後述のディスコグラフィーにまとめたが、ポイズン名義から研修生さん名義の活動再開までに謎の間があるものの、ポイズン名義の作品の販売は止まっておらず、おそらく家宅捜索が入るレベルでの逮捕歴はなかったことと思われる。すなわち、バレずにパンティに肉薄する技術や、そのフォーカスや明度(絞り)の調整、あるいはしゃがんだところに合わせてカメラの角度を調整しセンターにパンティを収めなければならない状況での空間認識能力の高さも備えていた。
そうした人となりを強調するシーンはオープニングまたは本編の折々に差し込まれることによって、冷静に考えたらパンティってまあ只の布だよな。面積は水着と一緒だし。みたいに我に返ってしまうことがないように工夫されていた。その編集のおかげで視聴者は、親切でかわいくてオシャレでいい匂いしてそうなお姉さんがキラキラしたブランドの服に囲まれてこんなに輝きを放っているのに秘密のパンティを見せてくれるなんて嬉しい!研修生さんどうもありがとう!という気持ちでアガった感じになることができた。研修生さんの作品は確かに初期には撮って出しとまでは言わずともそれほど丁寧な編集とは言えなかったが、早いうちからみるみると編集技術が向上し高位安定していたように思われる。報道では盗撮で生計を立てていたという自供があったとされており、冷静な仕事として取り組んでいたのかもしれないと感じる部分もある。それほど各動画はきちっと研修生さんらしいフォーマットに整っている。
研修生さんの発明と言われる演出はもうひとつある。ラストシーン付近で店員さんが「ありがとうございました」とお辞儀をするシーンを入れたことである。これは「お見送り」と言われており、根強いファンを獲得した。時には紙袋を手渡すところや、時には深く頭を下げてお辞儀をする様子をパンチラ用カメラと同じローアングルから見上げる角度で捉えた。
(初稿ではここで切れておりました。続きはこちら。https://anond.hatelabo.jp/20230220192144)
買った人も逮捕されるんだろうに 詳細を文章化して公開すると減刑されたりするの?
児童ポルノでもあるまいし、買っただけで逮捕はされないよ
100%児童ポルノも含まれてるだろ
横だけど 現行法では裸か性的行為してないとポルノにはあたらない
「2003年からの初学者」というクダリが、強者感を感じさせる。犯罪はよくないし、被害者もいる話だけど、識者からのお話は面白い。勉強になりました。
な〜にが作品、カリスマじゃ 警察がちゃんと調べて過去のも全部罪に問われることを願う
LGBTを女風呂に入れろ、なにも問題ないって言ってる奴らってこういう連中なんだよな。この犯人が心が女ですって言えば女風呂入れるしな。
このように増田には盗撮魔を崇拝する奴がいるのによくこんな場所でLGBTの風呂問題がまともにできると思うよな。犯罪の崇拝者入る時点でまともな議論なんて無理じゃん。LGBT擁護は盗撮...
最後切れてんね
これこそはてな匿名ダイアリーの正しい使い方
弱者男性から生殖の機会を奪うのならせめて下着の盗撮くらいは笑って許すのが人の情というものではなかろうか
マジで相手が人間だと思ってないんだな すごいよ
パンティは人間ではないぞ
相手が人間だから興奮するんだろ
お前はいつも興奮してるな
わざわざ顔や職場をあわせて撮るあたり、そういうことよな 布そのものじゃなく身につけた人間を傷つけること自体に興奮してる最低の部類のクズどもだ 消えていい
これからは適正マークのついた、反社会性のないフィクションで満足できるようになろうな。
パンチラ動画のカリスマ撮り師「mr.研修生さん」の逮捕に寄せて の続き https://anond.hatelabo.jp/20230220070732 クロージング 研修生さんの発明と言われる演出はもうひとつある。ラストシーン...
パンチラ動画のカリスマ撮り師「mr.研修生さん」の逮捕に寄せて の続きの続き パンチラ動画のカリスマ撮り師「mr.研修生さん」の逮捕に寄せて https://anond.hatelabo.jp/20230220070732 パンチ...
とて興味深く読ませてもらった。詳しそうなので他の撮り師や作品についても解説してほしい。
公安か!
警察もネットは調べるからこの増田のせいで逮捕された撮り師の罪が重くなる可能性が高い わざと?
はてぶでは非難囂々だけど、中にいる人しか分からない濃い内容で面白かった やってることは最悪のクズの集まりだけど、どういう世界なのか外からは分からないからな 増田も早く足洗...
こんなの撮ってるやつだけじゃなくて見てる奴らごと全員死刑にしてほしい ほんと男ばっかだな犯罪者
なんて反社会的な投稿だ!じめじめした石の下にふさわしい! 健全なポリコレ民はこんなもの覗いてないではい帰った帰った!
キモすぎる
犯罪者がえらそうに
はてなはこいつのIPアドレスを警察に提出するべき
痴漢や盗撮なんてみんな冤罪、嘘松、自意識過剰とはてなーがわめく中で現実がこれ
盗撮が冤罪と言ってるの誰?