■パンチラ動画のカリスマ撮り師「mr.研修生さん」の逮捕に寄せて　続

（前稿）パンチラ動画のカリスマ撮り師「mr.研修生さん」の逮捕に寄せて

https://anond.hatelabo.jp/20230220070732

クロージング

研修生さんの発明と言われる演出はもうひとつある。ラストシーン付近で店員さんが「ありがとうございました」とお辞儀をするシーンを入れたことである。これは「お見送り」と言われており、根強いファンを獲得した。時には紙袋を手渡すところや、時には深く頭を下げてお辞儀をする様子をパンチラ用カメラと同じローアングルから見上げる角度で捉えた。また、おそらくカメラを仕込んだバッグを持ち替えたのだと思われるが、店舗の入り口に立って研修生さんを見送る様子を収めた作品もあった。お見送りは他の撮り師も採用するほど支持が高く、研修生さんの作品なのにお見送りがないと「なかった」と掲示板に不満の声が書き込まれるほどであった。なお、お見送りほどではないものの、「お会計」とされるレジ内で電卓を叩いたり紙袋に商品を詰める等するシーンも、いかにも店員さんらしさがあるという点から一定の評価があった点を補足しておきたい。また、それまでのパンチラビデオでは映画の幕が下りるようにクロスフェードで次の別のモデルさんに切り替わってしまうことがあった。これで終わりという表現を持ち込み、またほかの撮り師さんにも定着させたのは研修生さんの功績が大きいと思われる。

作品構成に関するまとめ

研修生さんは優れたキャラクター表現力に加え、報道で紹介されたような仕込み鞄に代表される巧妙なカムフラージュ技術によりレンズがパンティにぶつかるような距離まで肉薄する技術を遺憾なく発揮した。特にフロントの大写しはそのままの名称だが「フロントドアップ」と評されており、中にはTバックやハミ毛など特に恥ずかしい状況を撮られてしまう店員さんも存在した。（註：やはりというか、やや派手目な店員さんの方がそうした大胆な中身をしている傾向にあった）

だが、毛の手入れ不足やパンティの乱れは運要素である。研修生さんの評価はそこではなく、パンティそのものに対する高度な撮影技術に加え、店員さんの人となりを表現するため長い影像から適切な素材を選び出す能力と、それを適切なバランスでミックスし視聴者がストレスなくパンティを鑑賞できるよう1本の作品としてまとめる構成能力とがそれぞれ組み合わさって発揮される総合力の高さ、それが研修生さんをレジェンド撮り師やカリスマ撮り師と位置付けた要因だろう。

研修生さんは以上のような店員さんフォーマットとでも言うべき作品の展開様式、フレームワークのようなものを確立した。それにより視聴者側は研修生さん以外の撮り師の作品であっても、「これはお見送りがなかったのが残念」だとか「書き物があったのは嬉しい」と言ったように研修生さんベースで作品の良し悪しを語ることとなる。正確にはポイズンさん名義の作品でその様式が確立しており、ポイズンさん以前と以後とで作品の水準が変わったのが研修生さんがカリスマ撮り師とされる所以である。

以上、研修生さんの功績を伝えるために基礎知識として伝えておきたい点が多くあったため前置きが長くなったが、以降は研修生さんのディスコグラフィーである。なお研修生および六期生を名義とする作品は1作ずつに日本語タイトルがついているが、それは増田で語るにはあまりに赤裸々であるため、その役目はAI chatに譲るとする。

Mr.研修生ディスコグラフィー

■Powers時代■

まかまか（2006年～2007年）　全3作

研修生さんは2006年頃からパンチラ投稿サイト上で「まかまか」名義で計3枚のDVD作品を発売している。

1巻と2巻の発売ページの情報は散逸してしまったが、3巻目は2007年2月に発売されており、1枚目が45人で63分（撮れ高32分）+2枚目が41人で33分（撮れ高13分）という構成で7980円だった。この時期は店員さんとそれ以外が半分ほどの割合となっている。

なお逮捕報道ではアニメショップが犯行現場だったとされている（必ずしも現行犯逮捕した場所という意味ではないようだが）。研修生さんファンからのコメントでは、おそらく研修生さん＝店員さんのイメージが強いためと思われるが、アニメショップでの犯行が意外である旨のコメントが見られた。しかし後述するポイズン名義以前の作品では書店など様々な場所で一般人を対象として撮影・販売を行っているため、古参にとってはそれほど不思議ではないと言える。

なおまかまか名義の作品ではカウントダウンタイマーがついている。一般のAVでは男優あるいは女優のテンションに注意すれば唐突にそのシーンが終わるということはない。作り手としてもギルガメッシュ現象（エロいシーンにイジリー岡田がカットインする）が起きないように注意しているように感じられる。しかしパンチラビデオのシーンはモデルさんの気分に左右され、唐突に終わってしまうこともある。そうした不具合がないようそのチャプタが残りどれくらい続くかをゲージ状にして教えてくれるという親切機能であった。いわば「抜きゲージ」である。

ピーフォスター（2008年10月頃～2010年3月頃）　全2作

研修生さんは2008年10月にパンチラ投稿サイト上で「ピーフォスター」名義で1st Albumを発売している。

制服JK7名，私服26名，店員２名の35名がDVD1枚58分（パンティ撮れ高28分）に収録され7980円だった。

続く2010年の3月に2nd Albumを発売、16人で56分（撮れ高25分）＋33人で46分（撮れ高18分）の2枚組で7980円だった。

同サイトはパンチラ専門であり、今回の事件で研修生さんが使用していたような全般型のサイトではなかったが、同サイトで盗撮を生業とすることの手応えを感じていたかもしれない。報道では「12年間」とされておりそれよりも過去である。なおピーフォスターさんと研修生さんの関係だが、2nd albumの1枚目のdiscに登場するワンピースの女性が研修生さんの2018年7月の作品に登場していることから別名義の活動であると思われる。

■オートネット時代■

マッカーサー（2005年11月～2006年5月頃）　全4作

研修生さんは上述のPowersで活動する前からオートネットにも委託販売を行っていた。もっとも古い活動歴にあたる。その投稿者名はマッカーサーであり、「まかまか」の名称とも一定の類似性がある。全4作品で1作目が5000円、2作目以降は6000円である。作品の多くは一般人であり、立ち読みや商品選びなど買い物中のところが多い。店員さんも1-2割は入っているが、中期・後期に見られるような顔撮り・全身撮りなどの店員さんの人となりにフォーカスした作品スタイルではなく、発展途上の粗削りな仕上がりとなっている。しかしカムフラージュ技術は既に確立されていたようで、バック側でなくフロント側にかなり肉薄している影像も存在した。

Powersとの関係については、おそらくマッカーサー名義でオートネットの活動を続けていたところ、Powersが無視できないほどの勢いで伸びてきた様子を見てPowersへの委託販売も並行して取り組んだのであろう。Powersは掲示板によりライトユーザーを取り込んでおり、販売数量はおそらくオートネットよりも大きかったのではないか。しかしながらまかまか名義、ピーフォスター名義で計5作をリリースしたところでPowersの委託販売は終了することとなった。一説によると、Powers側に運営上の問題（おそらく委託販売手数料や、その振込手続き等）があり、研修生さん側から関係を解消したとされる。ただしピーフォスターの2作目は2014年頃まで販売が続いていたことが確認されている。これがPowersとの関係が続いていたことを示すのか、あるいは研修生さんが販売権を売り切りでライセンスしたのかは今となってはわからない。

ポイズン（2008年1月～2010年12月頃）　全8作

パンチラ界でおそらく知らぬものはないほどの有名作品である。研修生さんをカリスマ撮り師の地位に押し上げたと言っても過言ではないだろう。このポイズンシリーズは全8作品。いずれも6000円である。

8作合計で159名の店員さんが出演しており、逮捕されるまで続いた研修生シリーズで再録された作品も多い。1時間のDVDに平均20名すなわち1名あたり3分程度の登場シーンであり、そのほぼ全員が研修生さんらしく丁寧な顔撮り・全身撮りのカットから入り、当時の他の撮り師と比較して一段上のレベルの機材画質とパンティへの接近ぶりとなっている。パンチラビデオ関係の掲示板で多くが語られており、店員さんの特有の仕草やパンティの状態、あるいは陰毛のハミ出っぷりがあだ名となって個体識別されている店員さんも多い。なお、まかまかでは顔へのぼかし加工は見られなかったが、ピーフォスターやマッカーサーでは若干ぼかし加工が入れられていた。一方でポイズン名義では顔へのぼかしが強めとなっている。これは機材レベルが上がったことであまりにくっきりと顔が移り過ぎてしまうことへの配慮と販売本数が増えたことへの配慮であったと増田は推測している。また、その背景としてはそれまでの販売収益で当時の技術水準としては高額だったと思われる小型で高性能な機材を購入しており、おそらくこのあたりからパンチラで稼いで生きていく路線が始まったとも推測する。

■DL販売時代■

研修生（および六期生）　（2015年12月～2022年11月）　全191作 + 13作

2015年12月に研修生さんはオンラインコンテンツ販売を開始した。既にPowers無き状態で当時はパンチラのオンライン販売では一強状態のサイトだった。しかし研修生さんはそこに「新人」として到来し、1作目からいきなり高い評価を得る。しかし見るほうも確かな目を持っていた。2015年12月10日に発売された1作目に対して1日後にはこのレスがついている。「毒」というのはポイズンのことである。

709 ：名無しさん@ピンキー：2015/12/11(金) 10:16:56.79 ID：QGjv5/+r0

　　ミスター研修生すごい新人出てきたかも

710 ：名無しさん@ピンキー：2015/12/11(金) 10:31:07.63 ID：tbcfCzoN0

　　>>706

　　サンプル動画みたけど、最後の終わり方といい毒っぽいなぁ。

　　よく似ている。

711 ：名無しさん@ピンキー：2015/12/11(金) 10:48:46.42 ID：QGjv5/+r0

　　カメラワークとか取り方全般すごい似てるよなｗ

　　おもったけどただ画質が全然違うんだよね

　　毒復活なら最高の流れだわ

ご本人はポイズンであることを明言したことはなかったが、それでも匿名掲示板でポイズンでのモデルさんの再録をリクエストする声が多く上がった時に、しばらくして研修生さん名義でリリースされることが何度かあった。未発表カットを追加したり、顔へのぼかし加工を薄くするといった編集が行われた。今回の逮捕報道では迷惑条例は3年たてば時効だと思ったと自供したとのことであったが、2010年のポイズン時代から2015年の研修生での再録までを起算すると最低でも5-6年、もしその時点で3年寝かせていれば10年弱は寝ていることになるため、顔出ししても問題になる可能性は低いと考えたのではないだろうか。

また、研修生さん名義になったことでの変化として、それまで表立って活動していなかった研修生さんがブログを開設し、自ら作品の説明文を書くようになった。当時のオンライン販売サイトは同人活動の色合いが濃く、玉石混交の影像作品が投稿されていた。作者によっては無料サンプルをつけていたが、それでもサンプル詐欺とでも言うべき作品もあった。そのためかオンライン販売サイトは公式サービスとして作者への質問欄を置くところもあった。オークションやフリマサイトでも見られるものに近いやり方である。そのQAを通じて作者との交流を図ったことにより、視聴者が研修生さんを育てた部分もあろうかと思う。DVD時代においても売れ行きやネット上のレビューの形で視聴者ニーズが表現されていたが、ある1本の作品に対してその販売の場で意見交換ができる点はオンライン販売が成長したひとつの要因だろう。研修生さんの影像にはファンの願いも込められていたというか、研修生さんとファンの考えが一致した部分が表に現れた影像と見ることができそうだ。

全体まとめ

（ここで切れてしまいましたのでまた続きへ　https://anond.hatelabo.jp/20230220192639）

Permalink | 記事への反応(2) | 19:21

ツイートシェア