借金が苦しくて自己破産を検討している人の中でも、本当に申し立てが通るのかを気にしている人は多いのではないでしょうか。
自己破産ができない理由の一つとして『免責不許可事由』に当てはまるというものがあります。
これに当てはまってしまうと、たとえ借金に苦しんでいる事実があっても自己破産ができなくなってしまいます。
今回の記事では、自己破産時に免責不許可事由となってしまう11の理由をご紹介していきます。
不当な破産財産価値減少行為
不当な債務負担行為
こちらは、自己破産をする前提で借金をしてしまっている場合に当てはまります。
どうせ自己破産すればいいから豪遊してしまおうなどと考えてしまうと、最悪の場合自己破産ができなくなってしまうので気を付けましょう。
クレジットカードで商品を買ってそれを売却する、いわゆるクレジットカードの現金化もこちらに当てはまるので注意してくださいね。
不当な偏頗(へんぱ)行為
偏頗(へんぱ)とは不公平であることという意味です。
つまりこの項目は、債権者を平等に取り扱っていない場合に当てはまる項目です。
例えば、特定のだれかに対して優先的に返済をしたり、他の債権者への意図的な攻撃目的で他社への返済を優先させたりする行為がこれにあたります。
なので、両親や恋人からの借金を優先して返済することも不当な偏頗行為になってしまうのですね。
ただし、家賃・光熱費などの生活に必要な費用の支払いや口座に資金が残っていたために引き落とされてしまった場合などはこれにはあたりません。
浪費または賭博その他の射幸行為
ブランド品の購入などの収入に見合わない浪費やパチンコ・競馬といった賭博行為、宝くじのような利益を得る確率の低い行為(射幸行為)を過度に行ってできた借金の場合に当てはまります。
ただし、この場合は裁判所に今後の生活を改めるという旨の反省文を提出することで申し立てが通ることもあるので、これに当てはまる場合でもまずは弁護士事務所に相談してみてください。
詐術による信用取引
この項目は、借金の返済ができないことが明らかであるのにもかかわらず、それを偽って借り入れを行った場合に当てはまります。
金融機関などの審査時に自分の収入を偽って借り入れを行った場合などは詐術による信用取引に該当する可能性が高いです。
業務帳簿隠匿等の行為
こちらは給与収入を得ているサラリーマンの方であれば基本的に該当することはありません。
個人事業主や副業をしているなどの場合、自身の仕事業務や財産に関する書類の隠蔽や偽造をしてしまうと本項目に当てはまります。
例えば、出納帳や決算書、確定申告書などの書類が該当します。
ただし、故意ではない書類の不備についてはこの限りではありません。
虚偽の債権者名簿提出行為
自己破産の手続きをする中で、債権者を一覧化した書類(債権者名簿)を提出する必要があります。
ここに特定の債権者を記載しなかったり、虚偽の債権者を記載したりすると本項に当てはまってしまいます。
良く多いケースとしては、親や恋人、友人など自身と直接関わりのある債権者を省いてしまうというものです。
自己破産をしてしまうと、すべての債権者からの借金を帳消しにしてしまうことになるため、大切な人に対してはしっかりと返済をしたいという気持ちから意図的に債権者として記載をしないことが多いです。
しかしこれをやってしまうとそもそも自己破産自体ができなくなってしまうので注意しましょう。
故意ではなく、債権者一覧に記載漏れがあった場合はこの限りではありません。
調査協力義務違反行為
派遣管財人とは破産者の調査や財産を売却し債権者に分配するなど裁判所をサポートする弁護士のことをいいます。
裁判所に自己破産の申し立てをする前に、この破産管財人が破産の経緯をや財産について色々と確認をしたりするのですが、その際に虚偽の発言をしたり、説明を拒んだりしてしまうとこれに当てはまってしまいます。
管財業務妨害行為
上記でも説明した破産管財人が行う調査を妨害した場合に当てはまります。
破産管財人が行う業務としては、
・破産者との面談
・破産者の財産を売却して現金化
・破産者を免責にすべき理由があるかどうかについての調査
・債権者集会で債権者に対して破産者の状況や手続きの進行についての説明
があり、これらを妨害するような行為が該当します。
債権者集会というのは自己破産の手続きを進める中で、債権者を集めて破産者についての調査内容を報告する会のことです。
7年以内の免責取得等
過去7年以内に自己破産を行っている場合、または個人再生のうち、給与所得者等再生による再生計画を行っている場合は免責不許可事由に当てはまります。
ただし個人再生については2種類あり、ほとんどのケースがもう一方の小規模個人再生であるため、自己破産の免責不許可事由に当てはまることは少ないです。
また、上記に当てはまっている場合でも破産をする内容によっては例外的に認められるケースもあります。
破産法上の義務違反行為
破産手続きにおいて、破産者が非協力的だった場合に当てはまります。
具体的には財産を隠ぺいしていたり、虚偽の発言をしてしまった場合が該当します。
確実に自己破産をするためにも免責不許可事由には注意しましょう!
基本的に、変なことをしなければ免責不許可事由になる確率はそこまで高くありません。
しかし、知らずに当てはまっているなんてことになってしまっては、非常にもったいないです。
事前に何が当てはまるのかを知っておき、当てはまらないような行動を心がけてみてください。
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