種子島宇宙センターから17日打ち上げ予定だったH3の初号機は、補助ロケットが着火せず、打ち上げを中止しました。日本の新たな主力ロケットとして期待がかかっていたH3に何が?種子島宇宙センターから中継です。

(記者)
H3初号機は私の後ろ、およそ2キロ離れた発射場にあります。本来であれば、17日午前に宇宙へと飛びたつはずでしたが、打ち上げ中止を受けて、すでに燃料を抜く作業が始まっています。


きょう17日の種子島上空は、“打ち上げ日和”と言えるほどきれいな青空が広がり、打ち上げ直前まで順調に作業が進められていました。
しかし、カウントダウンが終了し、白い煙は出たものの、機体に動きは見られず、17日の打ち上げは中止されました。

(JAXA広報担当者)「予定時刻に打ち上がらなかった(Q.どこかでストップをかけた?)分からない」


午後の記者会見で、JAXAは「システムが異常を検知したため、補助ロケットに着火信号が送られなかった」と説明しました。

(JAXA H3ロケット 岡田匡史氏プロジェクトマネージャ)「見守ってくださった方が大勢いるので、申し訳ないと思っているし、悔しいです」「異常検知を検知したのは事実。できるだけ早く原因を究明して打ち上げに臨みたい」

記者からは、打ち上げ失敗ではないかとの質問もありました。

(JAXA H3ロケット 岡田匡史氏プロジェクトマネージャ)「(Q.失敗と呼ばれることも甘受(受け入れる)?)どのような解釈かは受け止め方があるので、そう(失敗)でないとも言い難い」


H3は、打ち上げコストを現在のH2Aの半分のおよそ50億円に減らすことを目指した日本の新たな主力ロケットです。
度重なるエンジン開発中のトラブルを乗り越え、当初の計画から2年遅れで迎えた打ち上げだっただけに、関係者は悔しい表情を見せていました。

JAXAは今年度内の打ち上げを目指す方針で、関係者は「すでに原因究明にとりかかっている。打ち上げまで、皆さんに見守ってほしい」と話していました。