2023-02-17

恋愛人生が狂った

既婚、31歳。結婚7年。

独身女の子に恋をした。

俺たちは愛し合ってた。

まるで10代みたいに心がときめく恋だった。

俺の中にこんな心が残っていたのかと驚くくらい彼女に恋していた。

長年セックスレスと会話レスで妻から愛情を感じない暮らしをしていた俺にとって、彼女女神だった。

幸せだった。

離婚してこの娘と一緒になりたいと思った。

妻とは冷めきっていたか簡単離婚できると思っていた。

そんな折にちょっとしたことで妻と諍いになり、妻の方から離婚だと言い出した。

渡りに船と思った俺は、互いに自分の両親に報告し、これから資産処分について話し合いをしようということになった。

そこで妻は「やはり離婚したくない」と言い出した。

俺に対して「もう好きじゃないし、今後好きになることはありえない」と言ったくせに。

「触られたくない。セックスしたいなら外でしてきて」と言ったくせに。

「一緒に寝たくない。寝室は別にして」と言ったくせに。

仕事だ」と嘘をついて他の男と県外のテーマパークに行ってたくせに。

何を考えてるのかわからない。こんな妻より素直に愛情を伝えてくれる彼女がいい。

ひとり寂しい思いをシている彼女をこれ以上待たせたくない。早く離婚しなければならない。

夫婦カウンセラーに行った。妻はカウンセラーから不審がられていた。

妻は「絶対別れない」の一点張りだった。

俺は妻に嫌気が差していた。

他に好きな人がいるということを伝えた。

妻は食器を投げつけ刃物を出してきた。警察を呼ぶぞと諌めた。

それ以降妻のヒステリーが増えた。

離婚の話し合いを持ちかけようとするとヒステリーが起こる。

彼女をこれ以上待たせたくないのに、話し合いすらできない。

俺は家では妻に無関心を決め込んだ。

ある晩、妻とは別室でゲーム仲間とゲームを楽しんでいた。その中に彼女もいた。

談笑しながらゲームを楽しんでいると、二階から妙な物音がして、不審に思って見に行ったら妻が首を吊っていた。

すぐに縄を切り助けた。妻はすぐに目を覚ました。

その日から妻はヒステリーが収まった代わりに首吊を繰り返すようになった。

から目が離せなくなった。外出も満足にできない。

一度救急車を呼んだ。医師から保護入院を勧められ、俺もそれがいいかとおもったが、妻がヒステリーを起こしたので断った。

入院したくなかったらしい。

俺はすっかり疲れ果てていた。

妻の両親を呼び出し、離婚したいことと妻が自殺企図を繰り返して辛い、申し訳ないがひとりでは面倒を見きれないということを伝えた。

殴られる覚悟だった。が、殴られはしなかった。

妻の母親が同居してくれることになり、俺は仕事に復帰することができた。

彼女ともしばらく会えていなかったので、仕事にいくふりをして会いに行った。

彼女と会うと、妻からの苛みで感じていた苦痛が全て吹き飛んで幸せ気持ちになった。

本当に運命の人だと思った。早く彼女と一緒になりたかった。

彼女と会った後帰宅し、車に乗って実家に行った。

俺の両親からも様子を教えてほしいと言われていたから。

妻のこと、自分の気持、離婚意志なんかを話した。

両親はもとから妻のことをあまり気に入っていなかったので、離婚に関しては応援すると言ってくれた。しかし人命最優先だから、妻の精神異常が落ち着くまでは離婚を強行しないこと、と話し合った。

実家から帰る前、路肩に車を止めて俺は彼女電話をかけた。彼女が逃げてしまわないか不安だった。

彼女を失ったら生きていけない。離婚を諦めていないこと、時間はかかるかもしれないが待っていてほしいということを伝えたくなった。

彼女は優しくうんうんと話を聞いてくれた。怒るどころか、俺の心配までしてくれた。彼女の妹も自殺未遂をしたことがあるらしく、側で介護していた母親の苦労を見ていたらしい。

増田くんがそんなふうに苦しんでいないか心配だと言ってくれた。

俺はこんなに心優しい彼女が愛しくて仕方がなかった。

「正直、疲れている。もう俺が見てないところで死んでほしい」と彼女に打ち明けてしまった。

良くないことを言ってしまたかと思ったが、彼女は「そんなふうに思ってしまうのも仕方がない。自分を責めないで、抱え込まないで医療や周りの人を頼るんだよ」と言っていた。

俺は癒やされた気がした。

数日後、俺の仕事中に妻はまた首を吊った。妻の母親が助け出し、一命はとりとめたものの、意識が戻ることはなく、10日後に亡くなった。

ついに助けられなかった。

妻が首を吊った寝室からパソコンが見つかった。それから買ったばかりのSDカードリーダー

妻は車のドライブレコーダーメモリを見たようだった。

俺と彼女の会話を聞いて、俺が居ないときに首を吊ったのだろう。

俺はようやく自由になって彼女とずっとしたかったお泊り、旅行、買い物、デートセックス、たくさんした。

でもかつて恋したときほど彼女を愛せなくなった。

彼女の横にいるだけで幸せだったのに、不思議なくらい、彼女に心が動かなくなった。

しろ心のどこかで彼女を憎んでいた気がする。

お前が居なければ妻は死ななかったと思ってしまう時があった。

あんなに煩わしく憎んでいた妻のことを、美化して思い出すことも増えた。

そして、彼女恋愛感情を向けていた頃の自分を思い出すと寒気がする様な、忌まわしく感じるような、そんな気がした。

今となっては、あの頃の俺は恋愛に狂っていたと言わざるをえない。

彼女に対して優しくなれなくなった。

そして彼女は少しずつ壊れていった。

あんなに強く優しく寛大だった彼女が、ちょっとしたことですぐ不安になり、俺を責め、泣くようになった。

自傷するようになった。彼女きれいな真っ白のふとももが、目を覆いたくなるような傷だらけになった。

そして彼女も首を吊るようになった。

俺は慣れたもので、冷静に縄を切って失神から目覚めさせ失禁した彼女風呂に入れた。

彼女のことは入院させた。彼女母親に連絡をとって保護入院サインしてもらった。

それが去年のこと。

先月、ついに彼女も助けきれなかった。

もう入院したくないと言った彼女は俺の仕事中に首を吊った。

ある日帰ったら、冷たくなった彼女が居た。

妻が首を吊ったのと同じ場所だった。

俺何してるんだろうな。

彼女と一緒になるために離婚たかったはずなのに。

妻に死なれて、彼女にも死なれて、俺は何をしてるんだろう。

俺が死んだほうがいいか

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