さぁ、現調に行くぞ!
先輩、現調って何ですか?
「現調(げんちょう)」と言っても活躍されている業界や立場によって、思い浮かべる元の言葉や意味がずいぶん異なるようです。
旅行先、出張先、海外で必要な物を調える「現地調達」「現場調達」
パソコンや機器のメンテナンスを設置場所で行う「現地調整」「現場調整」
事件・事故を現場で調べる「現地調査」「現場調査」
など。
このページでは、建築業界や住宅リフォーム業界でのプロユーザーに役立つ『現調』についてご説明します。
『 現調=現場調査 ・ 現地調査 』 …つまり、設計・施工前に実施する調査のこと。現場の下見です。
現調を行わないことには、設計計画が進みません。 お客様からもらった図面や写真をにらめっこするだけでは、気づかないことだらけです。
【その他にあると便利なアイテム】
下地探知 クラックスケール レーザーレベル(レーザー墨出し器) ノギス 水圧測定器リフォーム後のイメージを、現場で簡単にお客様に提示することができます。
お客様の「リフォームしたい気持ち」を後押ししてくれるとともに、
お客様の思い描くイメージを素早くつかむのに便利なツールです。
コンベックスってたくさん種類があるけど、
どれを選べばいいですか?
コンベックスは僕のこだわりツールなんだ。
コンベックス選びに役立つチェックポイントを教えるよ。
JIS 1級
ロック機構付き
両面目盛り付き
一人で測定する時にテープが折れ曲がりにくい「テープ幅25㎜」
落下防止コードが取り付けやすいベルトクリップやストラップ付
落下時、建材を気づ付けにくくコンベックス自体も守る衝撃吸収材(ショックアブソーバー)使用タイプ
錆び防止のため、テープ表面にナイロンコート加工されているもの
水まわりの作業には、テープやバネがステンレス素材のコンベックスがおススメ。ただし重い、高価。
ビスに引っ掛けて図るため、テープの先端の爪に穴が開いているタイプ
コンベックス選びに迷ったらこれをセレクト!
5.5m、テープ幅25mm、JIS1級
ロック機構付き、両面目盛付き
「現調はお客様の前だから…」と持ち物のセンスにこだわって、かっこいい外国製を選ぶインテリアデザイナーさんもいます。もちろん、日本のメーカーのコンベックスも機能性、耐久性に優れています。普段の仕事内容に適した、使い勝手の良いものを選びましょう。
2人で測る
両端を押さえて測る。
テープ素材の弾性を活かし、押し当てたり
折り曲げて測るのがコツです。
1人で測る
ひっかけたり、押し当てたりして、一人で測る。
1人で天井高を測る
コツ:押し付け、折り曲げて目盛りを測る
1人で高所を測る
コツ:膝を使う
先輩、具体的にはどこを測ればいいんですか?
やみくもに測ればいいってもんじゃないぞ。
じゃあそのコツを教えよう!
お施主様がお持ちの図面の寸法は芯々だったり、 前回のリフォームで変更されていることもあるので、 必ず現地で測ろう!
測った寸法をメモするにも効率的な方法があるんだ。
絵と寸法線を描いてから一気に測るといいよ。
分かりました!では私が測って記入してみますね。
広角カメラで広く撮影
丁寧に描かなくてOK。現地で描くので、時短を心がけてササっと描こう!
丁寧に描いた見取り図
描き込み過ぎて時間がかかる。
簡略化して見た所だけを描いた図
この描き方で充分。
見えるところだけを描く
見取り図の外側に寸法線を描く。
その後、一気に測り、寸法を記入していく。
設備は図面記号で
既存物や設備記号も記入。
それらの寸法も見取り図の中に描く。
展開図も同様に記入。
現調写真に適した 撮影方法を教えよう。
記入モレやチェック忘れがあるので、
隅々まで撮影しておこう!
分かりました!では私が撮ってみますね。
見えるところだけを描く
広角カメラは一度に広い範囲を撮ることができます。
一般的な撮影イメージ
広角レンズで撮影したイメージ
部屋のコーナーをとらえるのがコツ。
見落としがちなスイッチやコンセント、梁、天井、廻り縁、幅木、見切りなども写せます。
複数枚で撮影すると、よりわかりやすい
全体と細部を撮影
キッチンや洗面所などの設備類は、正面からと対角線からのアングルで撮影。
正面から撮影
対角から撮影
形状がよりわかりやすくなります。また例えば、奥行きを測り忘れても写真から推測ができます。
全体を撮影
細部を撮影
見落としがちな給排水の位置を確認。
細部を撮影
仕上げ材の状態から、下地のズレや腐っている状態が予測できます。
設備の品番を撮影
メモをとる時間を短縮するためと、書き間違い防止のために、メーカー名や型番がわかる品番を撮影しておくと良い。
ブレーカー(分電盤)は蓋を開けて中を撮影
子ブレーカーに空きがあるか確認するため。
ビフォワー・アフターを意識する
比較しやすいよう、リフォーム完成後を想像しながら見栄えの良いアングルで撮影。
ビフォワー
リフォームプランを想像しながら撮影しましょう。
アフター
現調時のビフォワーと同じ角度から、施工後の写真も撮る。
慌てて撮影したような残念な写真
ビフォワーアフターの比較写真として、あなたの会社のHPに掲載したり、お客様への説明時に使用するかもしれません。丁寧に撮影しましょう。
水平・垂直を合わせた写真
現調で三脚を用いての撮影はなかなか難しいと思います。せめて、両脇を締めて水平垂直を意識して撮影しましょう。カメラ機能の水準器やグリッドライン表示を活用しましょう。
その他、撮影しておいた方が良いポイント
他にも現調時に見落としがちな項目があるから、チェック表などを準備しておくといいよ。
お客様も気づきにくい部分だから、プロ目線でチェックする事が大事ですね!