1月の貿易赤字3.5兆円に、単月では過去最大 資源高に円安が拍車
松山尚幹
財務省が16日に公表した1月の貿易統計(速報)は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支がマイナス3兆4966億円となり、18カ月連続の赤字だった。単月の赤字額としては比較できる1979年以降で最大だった。資源高に円安が拍車をかけるかたちで輸入額が大きく膨らんだ。
輸入額は前年同月比17・8%増の10兆477億円で、24カ月連続の増加となった。金額ベースでは、石炭が93%増、液化天然ガスが57%増、原油が35%増だった。円安によってエネルギー関連の輸入額が大きく伸びる傾向は1月も続いた。数量ベースでは、石炭は0・7%増、液化天然ガスは0・5%増にとどまった。
一方、輸出額は前年同月比3・5%増の6兆5511億円だった。23カ月連続の増加となったものの、輸入額の伸びを補うことはできていない。金額ベースで自動車の部分品が13・7%減、半導体などの製造装置が11・9%減となった。(松山尚幹)
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