1月貿易赤字は過去最大の3兆4966億円、資源高や円安で輸入増
関根裕之
更新日時
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輸入は17.8%増、海外経済減速などで輸出は3.5%増に鈍化
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欧米の特に製造業活動の悪化が日本の輸出にマイナス-伊藤忠総研
日本の1月の貿易収支は3兆4966億円の赤字と、過去最大の赤字となった。資源高や円安の影響で輸入の高い伸びが続く一方、海外景気が減速する中で輸出は鈍化した。財務省が16日発表した。
貿易赤字は18カ月連続で、赤字額は比較可能な1979年以降で最大だった昨年8月の2兆8248億円を上回った。
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輸入は前年同月比17.8%増。石炭(93.3%増)や液化天然ガス(57.0%増)、原粗油(35.3%増)が寄与した。数量ベースでは2.4%減と3カ月連続で前の年を下回った。
輸出は3.5%増加。自動車や鉱物性燃料が増加する一方、自動車部品や半導体製造装置が減少した。数量ベースでは11.5%減と4カ月連続の減少。
地域別では、中国向けが17.1%減と2カ月連続の減少。春節(旧正月)休暇で生産活動が低下する中、減少率は前月(6.2%減)から拡大した。米国向け(10.2%増)と欧州向け(9.5%増)はいずれも増加したしたものの、伸びは前月から鈍化した。
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは輸出について、コロナ感染爆発による中国経済悪化の影響が1月まで出ている。それに加え旧正月の影響もあった」と指摘。欧米はインフレによる利上げで景気が減速しており、「特に製造業活動の悪化が日本の輸出にマイナスの影響を与えている」と述べた。
先行きについては、利上げが継続する中で欧米向け輸出は弱い状況が続くとみる一方、中国は「経済活動が急速に回復しており、旧正月明けは少なくともサービス分野でエンジン全開に近い状況。製造業の活動もだいぶ戻ってきており、中国向けの落ち込みは緩和されていく」との見通しを示した。
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(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました。更新前の記事で輸出の市場予想値を訂正済みです)
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