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(舞)先 行くな。
(めぐみ)もう?うん。
顔色 悪いな。
寝不足とちゃうの?
ああ… 大丈夫。
何か悩んでんねやったら 聞くけど。うん。
大丈夫。
今日から ブログ用の取材も始めんねん。頑張らな。
行ってきます。うん 行っといで。
♪~
♪「公園の落ち葉が舞って」
♪「飛び方を教えてくれている」
♪「親切にどうも」
♪「僕もそんなふうに」
♪「軽やかでいられたら」
♪「横切った猫に」
♪「不安を打ち明けながら」
♪「ああ 君に会いたくなる」
♪「どんな言葉が 願いが景色が」
♪「君を笑顔に幸せにするだろう」
♪「地図なんかないけど歩いて探して」
♪「君に渡せたらいい」
♪~
(北條)えっ 梅津さんまだ一首も書けてないの?
(ため息)
(北條)梅津さんの言語感覚ならさちゃちゃっと作れそうなもんだけどね。
(史子)先生は 一首ずつに魂を込められる方なので。
魂。
私 魂のこもった梅津先生の恋の歌すごく楽しみなんです。
梅津さん これまで恋の歌作ったことないもんね。
え?え?
ありますよ 恋の歌。
300首の中に1首だけ。
多いな… 何だよ どれよ?
ああ これです!「君が行く 新たな道を 照らすよう千億の星に 頼んでおいた」。
何で これが恋の歌なのよ。本歌取りやからですよ。
この歌の下敷きになってんのは狭野茅上娘子の和歌やないですか?
狭野茅上…。
別れざるをえなくなった 夫への思いか。そうです。
その和歌に詠まれた情熱的な恋心がまるで隠しきれない炎のように梅津先生の歌に見え隠れしてるんです。
したがって君というのは恋の相手です。
なるほど… よく気付いたな。
先生と私には 特別な絆がありますから。
けどさぁ何で こんな分かりにくいのかね。
慎み?
慎み… 慎みいらない。
梅津さんには情熱を そのまま歌にしてほしいのよ。
記念すべき 1回目のブログは笠巻さんのインタビューを載せたいと思ってます。
(笠巻)いや~ 俺は ええて 口下手やしな。
もう… 仕事戻るで。
ああ… 笠巻さん お願いします。
お話 伺いたいんです。何でやねん。
IWAKURAで作ったねじは何十年も残ります。
けど ねじを作った職人さんの気持ちは残りません。
私は ほっといたら 消えてしまうその気持ちをなんとか残して伝えたいんです。
IWAKURAを ここまで支えてくれたんはその職人さん 一人一人の気持ちやと思うから。
笠巻さんは 祖父の代から 誰よりも長くIWAKURAを守ってくれはりました。
どんな思い出があってどんな気持ちで働いてきはったんか記録に残させてほしいんです。
♪~
分かった。 何でも聞いてくれ。 ハハ。
ありがとうございます。
ほな まず入社された時のこと 教えてください。
あれは 25の時やったから…もう 44年前やな。 ハハハ。
従業員3人のちっちゃい工場やったけど高度経済成長期でな。
ねじは 作れば作るだけ売れたよって。
機械は 毎日 フル稼働やった。
ただいま。お帰り。
お母ちゃん ええブログになりそやで。そう。
よかった 元気そうや。ん?
最近 何や 沈んでたやろ?心配しててん。うん。
ビーフシチュー?うん。
2時間 煮込んで ブランデーも入れた。
前に 貴司君が教えて…。
2時間か…。
今日も またデラシネ行けへんかったんやね。
貴司君 今 大変な時やし秋月さんも いてはるから…。
舞 もうちょっと わがままになったら?わがまま?
ホンマに人好きになる時なんか一生のうち 何べんもあれへんねんで。
そん時ぐらい自分の気持ちのままに動いたらええねん。
お母ちゃんなお父ちゃんのこと好きになった時自分の幸せしか 見えてへんかった。
わがままやったわ。
せやけどな お母ちゃんは 後悔してへん。
(火を止める音)
ちょっと行ってくる。うん。
ごちそうさんです。ごちそうさん。
(雪乃)ありがとう。近く寄ったら 絶対 また来てね!
はい!ありがとう!ありがとう!フフフ。
おばちゃん。舞ちゃん。
貴司君 おる?ああ まだデラシネや。
ああ… そっか。うん。
あっ よろしく頼むわな。(史子)はい!
(雪乃)ほなね 舞ちゃん。また。
こんばんは。こんばんは。
梅津先生に ご用ですか?
はい。 けど 急ぎやないんで。 ほな。
舞さん。
先生のこと どう思ってはるんですか?
ホンマに ただの幼なじみですか?
私は 先生に 自分の気持ちちゃんと伝えます。
♪~
(史子)こんばんは。
(貴司)いらっしゃい。
これ 差し入れです。ありがとう。
秋月さん 前も言うたけど差し入れとかええで。
私にできることこれぐらいしかないですから。
先生。
短歌できへん時って しんどいですよね。
真っ暗な地下に閉じ込められて冷たい地面 手探りして言葉 探してるみたいで…。
そうやな。
私 先生のともし火になりたいです。
ずっと そばにおって先生のこと 明るくしたりあっためたりしたいです。
秋月さん…。
ごめん。
悪いとこあったら 直します。
悪いとこなんてないよ。
僕な 秋月さんのことすごい歌人やと思ってる。
一緒に短歌の話 してたら目の前が広がってく気ぃすんねん。
そやのに 駄目なんですか?
舞さんのことが 好きやから?
♪~
(史子)それやったら何で 気持ち伝えへんのですか?
♪~