住民訴訟とは、住民が提起する民衆訴訟の一種であり、地方公共団体の執行機関や職員による財務会計上の違法な行為、職務上の怠慢とみられる事実についての差止め、取消し、無効、違法の確認、行為の義務付けをするよう裁判所に求める訴訟形態です。

住民訴訟は、一定の期限以内に住民監査請求を事前に行った住民だけが提起できます。住民訴訟には、執行機関や職員の違法な行為を差止めることで住民の損害を未然に防ぐ差止め請求、住民を事後的に救済する行為の取消し・無効確認の請求、地方公共団体自体の利益を保護する違法確認の請求、職務上の怠慢とみられる事実によって生じた損害の賠償や不当利得の返還を求める義務付け請求があります。

名誉棄損とは、人や会社の社会的評価や事実といった外部的名誉を低下させる違法な行為のことです。名誉棄損は、刑事上のものと民事上のものがあり、刑事の場合は、名誉棄損罪として罰せられ、民事の場合は、不法行為に基づく損賠賠償責任を負うことになります。

名誉棄損の例としては、インターネット上での誹謗中傷や口コミサイトでの特定の店の悪評など、事実を伝播させることで社会的評価を低下させるおそれのものがあります。また、マスメディアによる過剰な報道やデモ活動なども名誉棄損となる場合があります。人があらゆる形で何かを表現する限りにおいて、誰かの名誉を棄損する危険と常に隣り合わせであるといえ、何かを表現するときは注意が必要です。

憲法とは、一言でいうと、対国家的規範であるといえ、国家が公権力に基づいて行うことができる行為に対して制限を課したルールといえます。

憲法は、最高法規性を有するので、いかなる法律にも優越し、国家権力の行使から国民の人権を守ることで個人の尊重を全うします。裁判所は、違憲審査権を行使することで国家が憲法に反する行為をしていないかを司法審査することができ、こうした裁判は憲法訴訟と呼ばれています。他方で、同じ対国家的性質を有する訴訟として行政事件訴訟があります。行政が私人に対して法的な影響を与える行為を行政作用といいます。行政事件訴訟は、違法な行政作用を是正し、国民の救済をはかる裁判といえます。

著作権とは、人の内心にある感情や思想を外部に表出させたあらゆる著作物を保護する権利のことです。

自分の著作物を無断で第三者に使用された場合、本来なら著作物によって得られるはずの自己の経済的利益を、第三者によって横取りされるおそれがあります。そこで著作権によって、自己の著作物における著作者の独占権を保障し、第三者の盗用や改変、複製などの違法な行為から保護します。著作権により保護されるものは、文芸・学術・美術作品の領域に属する著作物に限らず、インターネット上の文章や写真、映画、音楽、アニメ、キャラクター、ゲームソフトなどあらゆる創作物が該当します。

情報技術の進歩とともに著作権法は改正され、著作権による創作物の保護領域がますます拡大しています。