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「GLAYJUMBO」なる飛行機がライブの前後で運航


この空前絶後ともいえる音楽イベントを前に、日本航空とのタイアップによって「GLAYJUMBO」なる飛行機まで登場。メンバー4人の顔と「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」の文字がデカデカとプリントされたこのジャンボジェット機は、単なるプロモーションの枠を超えて、「GLAY=社会現象」という認識を世間に与えるのに大きな役目を果たのです。

3,000人の警備員、7,500人のスタッフを配備


そしてライブ当日。混乱を避けるために、前代未聞の人員配置がなされます。会場周辺の治安を守る警備員は3,000人、会場の運営に当たるスタッフは、なんと7,500人という体制が敷かれたのです。
また、交通網の整備もこの日のために、特別仕様で実施されました。JRの臨時便は39本、臨時シャトルバスは600本を運行。さらに最寄駅の海浜幕張駅では、普段10人で運営に当たっているところを、150人に増員したとのこと。こんな異例の措置、大みそかのカウントダウン、ないし東京湾大華火祭でもありえないでしょう。
ライブが始まると、チケットを買えなかったファンが会場近くの歩道橋に押し掛けるなどして一時騒然。プログラムが終了し、全ての観客が幕張メッセ駐車場からいなくなったのは、時計の針が深夜0:30を回ったときだったそうです。

後年、GLAYのリーダーTAKUROは、この“20万人ライブ”を振り返り「ウッドストックのようなイベントがやりたいという夢が叶った感じがした」と語っています。さらには「この後、何をどうしたらいいんだろうと言う虚脱感が襲ってきた」という、当時の苦悩も吐露。
あの日の気温は33℃。絶頂期だったビジュアル系バンドがこれからのビジョンを見失ってしまうほど、全てを放出し尽くした灼熱の夏が、今から17年前にあったのです。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonよりGLAY(初回限定盤)(DVD付) CD+DVD, Limited Edition