第十話 牙剥く蜘蛛加波親衛隊、怒った村長無謀な勇気
アイアイ族の悪魔化を解くヒントを探すため、遺跡に忍び込んだライアンたち。そこには、ボルトの父、デンリュウが命をかけて封じ込めたはずの妖獣、トラバサミが氷漬けのまま置かれていた。念仏を唱えて月を赤くさせ、封印から解こうとしている邪教集団に、村長の怒りが大爆発する。
- 0
- 0
- 12
モノローグ
子供の頃から私はお面というものが好きだった。お面は私を守ってくれるもの。そして、別の誰かになれるのような気がした。けど。
回想
着物を着て、お面をつけた女の子が3匹がかりでガキどもに痛ぶられていた。
ズガッ!
ボガボガッ!
そして、無理やりお面を外させ、お面は遠くへと投げ捨てられる。
「お面なんか被りやがって!」
「女のくせに気持ち悪いんだよブス!」
そう言うと、3匹のガキどもは彼女を踏みつけて去って行った。女の子は顔を見せないようにお面を取り、再び顔につけた。
モノローグ
私をみんな嫌った。ただお面を被っているだけなのに。お面の下はブスだと言う奴もいた。ブスなのかは好きに言うといいけど。そんな私に、許嫁ができた。名前はボルトというらしい。すごく弱々しくて、便りがなさそうな男の子だった。そんな彼も、私と同じようにいじめられていた。私はほっとけなかった。だから、私は力を得た。アークという力に。彼を救うために。
現在
ボルト「………なんでここに、トラバサミがいるんだよ…!!台風山に封印したんじゃなかったのかよ!!」
ボルトが冷静さを失い叫ぶ。
零「アイアイ族の悪魔化は、この妖獣が影響?」
ボルト「考えられなくもねぇな…だってこの氷が解けると復活して暴れるからな…特にライアン、お前はコイツの前で火なんて使うな!」
ライアン「あっ…そうか…俺火のアークだしな…」
ライアンは氷漬けのトラバサミから一歩下がる。確かに溶けて復活なんてしたら、ここにいる5匹みんな殺されてしまう。
びり理「………あぁ…」
ガクッ
シシワカ「おっと、大丈夫?」
びり理がトラバサミを見るに耐えきれず、その場で気絶してしまう。倒れる彼女をシシワカはそっと掴んだ。
ライアン「ん?ばちばち音がするぞ…」
ライアンがそーっと手を氷漬けのトラバサミに手を伸ばす。すると。
バチィッ!
ライアン「あいたっ!氷なのに電気が流れてる…」
ボルト「そりゃそうさ、これ、俺がガキの頃に死んだ親父、先代雷坂家当主、雷坂デンリュウが台風山の吹雪で氷漬けにすると同時に、電気で誰にも触れさせないようにしたからな…」
零「一つ、聞きたいんだけど…これ…まだ生きてるのだ…?どうして、メガキョウトのそんな寒い雪山から持ち出したのだ…?」
ボルト「知るかよ!!!」
零「ひっ!!」
急にキレるボルトに怯える零。
ボルト「ちっ、誰だよ…何のためにここにトラバサミ持ち出したんだよ…!!」
なにも分からずイライラする。するとシシワカはこう言った。
シシワカ「さっきのアイツら、追いましょう。倒して吐かせるんです。」
ライアン「そうか!さすがシシワカくん!」
ボルト「いや、ここに残ったほうがいい。夜まで待つんだ。」
零「どういうことなのだ?」
ボルト「この島の呪いとトラバサミは、月に関係してるんじゃないかってな。アイツら言ったろ、月の光が集まれば、もうすぐとか。」
零「確かに、何してくるか分からないし、無駄に動くわけには行かないのだ。」
ボルトの言う通り、零はここで夜を待つことにした。ボルトもここに残ることにした。
しかし、ライアンはどうもさっきから小刻みに震えていた。
シシワカ「来田さん大丈夫ですか?さっきから寒そうですけど。」
ライアン「……ここ、氷があって寒い…外で焚き火してきていい…?ここじゃ無理だから…」
ライオン族は寒さに弱い。そのため冬場は厚着をしているライオン族を見かける。
ボルト「そうか、ライオン族は寒さに弱いんだったな。外で何かあったら教えろ。」
ボルトは外に出て行くことを許可した。
ライアン「分かった……寒い…」
第10話
牙剥く蜘蛛加波親衛隊、怒った村長無謀な勇気
遺跡の外
ライアン「あー、寒かったぁ。外あったかい…」
外はすでに夕方になっていた。それにしても、トラバサミのいた場所とここでは、寒暖差が激しいみたいだ。
ライアン「さてと…」
するとライアン、さっきからチラチラ周りを見ていた。何かいるのだろうか?
ライアン「そこにいるんでしょ?」
えっ?何だ?誰もいないぞ?
ライアン「いつまでコソコソしてんだ?アンダーライト。」
シュタッ。
ライアンの前に、全身黒ずくめでフードを被り、顔には歌舞伎の隈取のような仮面を被った不気味な獣力師が現れた。アンダーライトだ。
ライアン「まさか、依頼でここに来てるとはな。」
アンダーライト「私は落とし前をつけなければならないの。」
ライアン「落とし前?」
アンダーライト「私のとこの家の親衛隊。アイツら、良からぬことをしているから。」
ライアン「良からぬことってなんだ?あっ。」
ライアンは気づいた。もしかしたらコイツも、トラバサミを見たのではないか、と。
ライアン「まさか、お前…」
アンダーライト「私は、あの怪物を破壊するためここにやって来た。しかし、お前何故ここにいる?お前は特級獣力師じゃないだろ?」
ライアン「零がお金欲しさに依頼しに行きたかったらしくて、夜中に盗んでたところを偶然俺は捕まえて、結局行く羽目になっちゃった。」
アンダーライト「何それ。」
会話をしていたその時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
突然大きな地響きが鳴る。そして、さっきまでいた遺跡を、紫色の光で覆い隠す。
ライアン「ボルトたち大丈夫かな?行ってくる!」
ライアンはすぐに遺跡に戻った。
アンダーライト「………」
ザッ。
アンダーライトはどこかへと去って行った。
アンダーライト「なんでアイツもいるのよ…」
ん?ちょっと女っぽかったぞ?
その頃、遺跡の中では。
ボルト「光がトラバサミを覆ってる!?」
びり理「あわわわわ…」
トラバサミが入った氷に、赤い光が覆い被さるように当たっていた。さらに。
零「よく見るとこの氷、光で溶けてるのだ!!」
このままではマズい。もし氷が溶けてしまったら、この島は滅びてしまう。
シシワカ「この光がどこから来てるのか探しましょう!」
ボルト「おう!」
4匹は走って遺跡の上を目指す。遺跡の上を目指していると、階段を見つけた。それを急いで登った。そこには。
ボルト「!?これは、アーク…?」
どうやらこの光は、アークで出来ていた。アークで作った光を無理やりトラバサミに当てて、溶かそうとしているのだろうか?この光、まだ上に繋がっていた。
零「上なのだ!」
再び4匹は上を目指す。
遺跡の頂上
4匹は頂上へと辿り着いた。しかしそこに、ライアンの姿はなかった。一体どこに行ったのか?
ボルト「なんだ?アイツら?」
シシワカ「…コイツら…」
シシワカは、昨日の夜のことを思い出す。村長が言っていた、邪教集団のことだった。
シシワカ「村長さん言ってた奴らって、コイツら…?」
邪教集団は光に集まって、何やら怪しげな念仏を唱えていた。この念仏が、月の光を赤い光にしている元凶なのだろうか?
びり理「アイツら、光で溶かして、トラバサミを復活させる気なんじゃ…?」
零「えっ?そんなことが、できるのだ…?」
びり理「昔本に載ってた話なんですけど、月の光で、どれだけ強力なアークを解除させることができるって…」
ボルト「アイツら…!!トラバサミの恐ろしさを全く分かってねぇんだ!!」
零「ボルト、大声で言うとバレるのだ。」
零はボルトを制止する。ボルトはもう一度座り直す。
シシワカ「一つに集まった月のアークは、人体をも汚染する…ということか…だからあのアイアイたち、悪魔に…」
零「!」
零が耳をピンと立てる。何かを察知したようだ。
零「別の匂いがこっちに来る。」
オオカミ族ゆえ、嗅覚に優れている零。すると、零の言った通り、誰かが歩いて来た。邪教集団の首領だろうか?切れ長の目をしたイタチ族の男だ。年齢はボルトや零くらいに見える。そして、その後ろから、カモシカ族の男、ウズ、アマミノクロウサギ族の神官風の女、よもぎ、そしてイタい格好のツキノワグマ族の女、チヨが現れる。
ウズ「ふぁぁ、昼起きたせいで眠い…」
よもぎ「結局侵入者、見つからなかったね。」
???「侵入者か…いよいよ明日、光が集まるというのに…」
イタチ族の男は眉をひそめる。
???「ここに来て邪魔はされたくないな。」
チヨ「えぇ、侵入者となると、おそらく村のアイアイ族です。どうしますか?」
???「消してこい。あの気味の悪いサルどもを。」
チヨ「はっ。」
ウズ「了解。」
よもぎ「御意。」
零「えっ!?村のアイアイ族たち関係ないのだ!?」
ボルト「シシワカくん、プラズマ、お前らは村のアイアイ族たち避難させに行け。」
ボルトはびり理にそうコソッと耳打ちすると、2匹は姿を隠しながら避難所へと向かう。
???「ぐぬぬぬぬぬぬ…!!!」
そして、ここにはもう1匹侵入者がいた。その侵入者の堪忍袋を、ライアンは口を塞いで止めていた。だから、ライアンは合流していなかったのだ。
???「ワシの村だけでなく……」
ライアン(じーさん、怒りたい気持ちはわかるけど!!)
村長「村のみんなまで貴様ら殺すつもりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!ワシはもう怒ったぞーー!!!!!」
ボルト「!?」
零「あぁ!?」
ライアンの手を振りほどき、村長が大きな声で4人の邪教集団に怒鳴りつける。もちろん村長の存在を知らなかったボルトと零は驚く。
???「貴様、懲りずにノコノコと。俺の、俺たちの邪魔をする者は、全て敵だ。」
村長「〜!!!!いざ勝負じゃあ!!!きぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
村長は怒りのあまり奇声をあげ、手に持った槍をイタチ族の男に向けて振り回す。しかし、村長は獣力師ではない。ただの動物。だから、力の差は歴然。全く効かないし、一つも当たらない。
???「今のうちに村のアイアイを消して来い。俺の計画の邪魔なアイツらは、用済みだ!!」
イタチ族の男は3匹にそう指示する。3匹の幹部クラスの獣力師たちは、村のほうへと走って行く。
村長「なんじゃと!村のみんなには、手出しはさせんぞぉぉ!!!」
村長は槍を止め、追いかけようとする。
ライアン「あーもう!!めちゃくちゃだ!」
ボルト「チッ、あのじーさんのせいで調子狂うな…そのくだらねぇ念仏、耳障りだからやめやがれぇ!!!はぁっ!!!」
バチバチ!!バチバチ!!ドゴォォォォォォン!!!!
ボルトは念仏を行う邪教集団の信者たちに向かって雷を放つ。信者たちは散り散りになって逃げ出す。そして、次に幹部クラスの3匹に向かって電気を放った。
ウズ「!?」
チヨ「なっ!?」
3匹はボルトの電気を避ける。しかし、なぜか3匹は、ボルトの電気を見て驚愕していた。そして、こちらも反撃をしなければと思ったイタチ族の男は、片手にあるものを溜めた。それは。
ライアン「!?」
バチィィィィ!!!ゴロゴロォォォォ!!!!!
ボルト「なっ!?電気だと!?」
紫色の電気を放ち、ボルトの電気にぶつかる。ボルトの電気と、イタチ族の男の電気はぶつかり、そして相殺された。
ボルト「思い出したぞ、お前ら蜘蛛加波(くもかわ)親衛隊だろ!」
零「蜘蛛加波?」
ライアン「……」
ボルトは彼らに鋭い睨みを見せつける。
ボルト「なんの真似だ!先代の陣内が野に放ったあの化け物を持ち込んで、何するつもりだ!!」
???「ほぉ、アイアイどもが送り込んできたのが、雷坂ボルトだったとは。電気を出す時の構えを見てピンときたぜ。」
零「し、知り合い…?」
チヨ「コーダイ様の知り合い…?」
零はこの異様な空気に戸惑いを隠せなかった。すると、ライアンが動いた。
コーダイ「何をしている お前ら、行け。」
コーダイの仲間たち『はっ!』
ライアン「待て!逃がすかぁ!!」
ボルト「よせライアン!」
バサァッ!!
「雷墜(ラクツイ)‼︎」
バチィィィィ!!!ドゴォォォォォォン!!!!
ライアン「ぎゃあっ!!」
ライアンが背中から炎の翼を作り出し、空を飛んで3匹を追おうとした瞬間、イタチ族の男改め、葛城コーダイが放った雷がライアンに撃墜した。ライアンは黒焦げになり、よろけながら森の中へと落ちていった。
零「ライアン!!」
ボルト「零、ライアンを頼んだ!」
零「任せるのだ!!」
コーダイ「させるか!!」
バチィィィィ!!!
ボルト「はっ!危ない!」
バチィィィィ!!!!!
コーダイはライアンを追おうとした零目掛けて電気を放つ。しかし、それをボルトが見逃さず、再び電気を使い、彼の電気と相殺させた。
コーダイ「自分の仲間を逃がすとは、俺と一対一がしたいのか?」
ボルト「電気同士、白黒つけてやる。」
その頃、海上では。
ブォォォォォォ………
船の汽笛が、大海原をこだまする。そこに、あの女の姿があった。
弱気「船長、すまないが急いで欲しい。」
「あんな島に何しに行くんですか…?みんな恐れて近寄りませんよ。」
弱気「いいから急げ。」
「ひ、ひぃ!」
ボルトがいつまで経っても帰ってこないことから、彼もまたミイラ取りがミイラになったとわかったサンゴが弱気を使い、連れ戻しに向かわせたのだ。うわっ、弱気怖っ。睨んでるし。
「勘弁してくださいよ、青島は噂だと、月の光を浴びると悪魔になってしまうって………」
弱気「そんなもの興味ない。バカの戯言だ。」
「ひぃぃぃ!!」
弱気「バカどもを連れ戻しに来た。それだけだ。」
マズい、このままでは依頼どころじゃなくなってしまう。弱気が青島に着いてしまったら、みんな帰らなければならない。早く決着つけて!ボルトー!!
その頃青島では。
コーダイ「はぁっ!!」
バチバチ、バキィ!!!
ボルト「ぐわぁ!!」
ガッシャァァァン!!
ボルトはコーダイの電気を帯びたパンチに吹っ飛ばされる。遺跡の壁が壊れ、信者たちが逃げ出す。
ボルト「くっ、くそぉ!!」
コーダイ「俺の邪魔をするな、俺は、トラバサミを復活させる!」
ボルト「させるかぁ!!エボシ‼︎‼︎」
バチバチ、バチバチッ!!バチィィィィ!!!!!
コーダイ「ふんっ!」
バシィッ!!
ボルトのエボシを、コーダイは受け止める。そして。
コーダイ「紫電飛沫‼︎‼︎」
バチッ!バチバチッ!バチィッ!!
コーダイは水を跳ねるように、電気を跳ねる。すると、小さな電気の球が現れ、ボルトを追撃する。ボルトも負けじと、波リを放つ。しかし、コーダイもまた、放出する電気の技持っていた。
コーダイ「電撃大閃光(エレクトロニクス・レイザー)‼︎‼︎」
ギュオォォォォォォォォ!!!!!!!!!
ドカァァァァァァァァァァン!!!!!!!
再び、2匹の電気が相殺され、大きな爆発を起こす。信者たちはまた、散り散りになって逃げ出す。信者が逃げたところに立ち、ボルトは壁に足をつける。
ボルト「雲母彗星‼︎‼︎‼︎」
壁を蹴って回転し、体全体に電気を帯びて体当たりを行う。
コーダイ「物理攻撃を合わせた電気か、話にならんな。」
すると、コーダイも構え出し、何かしようとしている。しかし、ボルトは技を続けており、止まれない。
コーダイ「紫電龍・アパト‼︎」
バチバチバチバチィ!!!!!
『グォォォォォォォォォ!!!!!!!』
ガブゥッ!!!
ボルト「ぐぎゃあぁぁぁぁ!!!!」
ドサッ!!
電気で作り出したアパトサウルスのような竜脚類に噛まれ、ボルトは叫び声を上げる。そのままアパトサウルスは消え、ボルトは糸の切れた人形のように落ちていく。
コーダイ「俺はかつて、デンリュウが封じ込めたトラバサミを倒し、デンリュウを、超えてみせる!!」
ボルト「親父を、超えるだと?そんなことのために、トラバサミを持ち込んだのかよ!!やめろ!!!お前は知らないんだ!!お前じゃトラバサミを倒すことは無理だ!!」
コーダイ「やめろ、無理だ、だと?紫電飛沫‼︎」
バチッ!バチッ!バチィッ!!バチッ!!
紫電飛沫を使い、ボルトの肘と膝を攻撃する。ボルトはフラフラになる。
コーダイ「雷坂家に、陣内様のせいで没落貴族となった蜘蛛加波親衛隊の怒りを、思い知れ!!電撃大閃光(エレクトロニクス・レイザー)‼︎‼︎」
ギュオォォォォォォォォ!!!!!!!!!
ボルト「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
ボルトは、電気の光線を浴び、吹き飛ばされていった。
その頃、零は。
零「…!」
ボルトの叫び声が聞こえ、零は耳を立てる。
零「ボルト……!!」
ボルトを心配するより、ライアンを探す方に優先したほうがいいと思った零は、再びクンクンと匂いを嗅ぐ。この近くにライアンがいるようだ。ライアンのいる方向に向かい走るとそこには、木の穴に挟まっていたライアンの姿があった。
ライアン「〜!!」
何か叫んでるが、全く聞き取れない。零は王国聖剣を手にすると、木を切り倒した。そこからライアンの顔が出てくる。
ライアン「危ねぇよ!少しは手加減しろ!」
零「あとは自分で燃やせのだ。」
そう言われると、ライアンは挟まった木を燃やし、自由になった。
ライアン「なぁ、零。ボルトどうなった?」
零「声が聞こえたから、おそらく…」
ライアン「まさか、やられた…?」
その頃、シシワカ、びり理は。
シシワカ「皆さん!ここから離れて!」
びり理「あなたたちをこんな姿にした犯人が、ここを襲うんです!逃げてください!」
アイアイたちを誘導させていた。しかし、1匹だけ、門の前に立ち、しかめっ面をしていた男がいた。
シシワカ「帰ってきてから村長さんずっと臨戦体制だ…」
びり理「絶対倒せないのに…」
村長「………!!」
ボルトはコーダイに負けてしまい、ライアンと零は急いでボルトのいる場所へ戻り、シシワカとびり理は安全な場所に誘導させていた。それぞれピンチに陥るライアンたち。そこに、弱気も現れようとしている今、彼らがここにいる時間は、刻一刻と無理やり終わらされそうになっていた。果たして、依頼解決をすることはできるのか?
遺跡の頂上
アンダーライト「………アイツ、何負けてんのよ…」
コーダイに倒され、気絶していたボルトをアンダーライトが担ぐ。しかし、ボルトを1匹おんぶしているため、視界が見えづらい。
アンダーライト「あーもう!」
カポッ。
仮面を外し、フードを脱ぐ。そして、ボルトを村へと連れて行こうとしていた。しかし、顔がまだ見えない。一体どんな顔なのか、こちらもまた、注目するべきところだ。