渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『愛と誠』(1974)

2023年02月15日 | open









これはですねー、中2の1974年、
バスケ部の先輩(ゼッケン5)と
同級生(ゼッケン7)と私(ゼッケン
8)で観ただす。
1974年の7月中旬。映画館は上野
の駅前。
実は、『エクソシスト』を観に
行ったのだけど、長蛇の列でと
ても当日中には観られないので
「どうすっかー」となり、隣り
でやってた『愛と誠』がガラガラ
だったのでこれを観た、という
具合(笑

1973年から少年漫画雑誌に連載
されていた原作劇画は爆発的な
人気だった。
だが、実写映画化にあたり、
「西条ヒデキィ〜?」といぶか
しがって、あえて本作を観に行こ
うとは思わなかった。

存外、面白かった(笑
映画館出た時、三人とも太賀誠
になった気分で上野を歩いてい
た(笑
本作がデビュー作の新人女優で
役名を芸名にした早乙女愛さん
の演技は、ウルトラど素人ぶり
で如何ともし難かったのだが、
まあ、映画的にはそこそこ楽し
めた。

この年1974年の10月からドラマ
TV放送が開始されたが、そ
らのほうが早乙女愛役も太賀
役もドンピシャだった。
池上季実子さんの早乙女愛役が
最高だった。






「君のためなら死ねる」の台詞
一世を風靡した岩清水くん。


原作も映画も誠が新宿ヤング・
マフィアの砂土谷に刺されて
愛と抱き合う場面で終了だが、
多分誠は死ぬ。
その後、早乙女愛は岩清水弘
君と結婚する流れなのではと
思う。

時代的な背景として、この原作
劇画が連載されていた1973〜
1976頃は、人を刺したりした
ら国内大問題だった。
ヤング・マフィア(今でいう
半グレ)の砂土谷でさえ、人を
刺してしまったぁ!と頭を抱え
て崩れ落ちる。
それ程、人の世には「節度」が
あったのだ。
今は、平気で人が人を殺す。
毎日のように殺人事件があり、
半グレも平気で人を殺す。金属
バットで殴り殺したり。
他にも、一般的な生活をしてい
る連中でも平気で人殺しをする。
今の時代、人間の生命は軽んじ
られる世の中になった。
そのうちフィリピンやブラジル
のように日本もなるのではなか
ろうか。
2000円渡せば平気で人を殺す
ような人間がワンサカごろごろ
いるような国に。
日本にもフィリピンや南米と
同じく真に悪い連中はかなり
いる。人身売買や違法な臓器
売買、女を麻薬漬けにして売春
させたり等々。
そういう連中は軒並み一人残ら
ず脳天射ち抜かれて殺されれば
よいとは思うが、世の中そうは
なっておらず、それらがのうの
うと跋扈している。
今話題の強盗事件指示役の犯人
たちも縛り首にはまずならない。
何年か服役したらパイでシャバ
に出てくる。
そして悪事を繰り返す。
脳天射ち抜きでの処刑が本来は
ふさわしい。
しかし、そうはいかないのが今
の世の中のカラクリだ。

『愛と誠』は、日本が今とは全く
別な世の中だった時代の牧歌的な
「ぐれた苦労人の若者と世間知ら
ずのご令嬢の恋愛物語」である。
50年前の当時でさえ非現実的な
オハナシだったが、現実も描いて
いる。
それは、人殺しは稀有であり、
良くない事、という常識が常識
として通用していた社会風潮を
描いていた点だ。

その傾向性の遷移を表すものを
ネットで見る事ができる。
それはジゴロとなって女に金を
貢がせてレース資金を得る『汚
れた英雄』の主人公を「ちっとも
汚れているとは思えない」とする
声が今はかなりある事だ。
潔癖も潔白も清らかさも今の若い
世代は持ち合わせていない。
「どんな手でも金をかっぱいで
収入源にすればそれが勝ち組」
という腐れきった性根で今の若
年層は生きている。
なので、YouTuberが「職業」と
して人気だったりする。
どんな手を使っても集客集金し
て富む者が正義であり勝ちであ
る、とする精神。
人間のクズが今のスタンダード
なのだ。
それが今の日本。

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