DRMのノウハウを武器に、創業4年で年商70億円を突破
Webマーケティング事業と美容・健康関連の商品を取り扱う通信販売事業を中心に展開し、創業わずか1年半で、月商2億円を突破した株式会社INK。その始まりは、Webマーケティングに関するコンサルティング事業だった。ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)のノウハウをベースに顧客の売上を倍増させるなど実績を重ねることで、次第に顧客の信頼を勝ち取り、ネットワークを広げてきたのだ。そのノウハウとは、代表取締役社長である二宮侑也氏自身が学生時代に起こした事業を通じて培ったものがベースになっているという。
「最初は、アフィリエイトを活用したメディア運営からのスタートでした。だけど、始めてから1年半ほどは、まったく成果が出ませんでした。“なんで人が集まらないのだろう?”“なんで売れないのだろう?”って全然わからなくて。もがいていたし、苦しんでいました(笑)。でも、あるとき気づいたのです。自分が相手にしているのは、生身の人間なのだ、と。Webマーケティングに関するさまざまな資料を読んで試行錯誤を繰り返しているうち、いつのまにかそのことを忘れ、パソコンとだけ向き合ってしまっていたようです。しかし、Webの向こう側にいる“人”への理解なしに、サイトへ人を集め、モノを販売することはできません。それがわかって以来、やるべきことが明確になり、結果が出始めました」
その後は、個人事業主として一人で月商300万円を売り上げる事業へと成長させることに成功。ところが、最終的には様々なトラブルの影響もあり一度挫折することになる。しかし再度、事業を起こすことを決意し、2014年9月にINKを創業した。INKでは、個人事業主の頃に築いたネットワークを活用して、コンサルティング事業を開始。そしてメディア事業、通販事業へと積極的に新規事業に参入することとなる。特に、通販事業部は顕著な成長を見せており、2,30代の女性をターゲットとした『Beauty Mania』や男性向けの『Men’Z King』などの自社ブランドを展開。2016年のモンドセレクションを受賞したマジカルスムージーなど、多数の確かな商品で人気を集めている。
「当社の強みは、こういった商品力だけでなく、その魅力をお客さまへ届け、購買へとつなげられるセールスや集客、デザインなどのエキスパートが社内にいることです。そして、彼らが日々の業務を通じて培った集客・販売のノウハウを用いて、更なるチャレンジを行い、磨きをかけ続けられるということも急成長の原動力になっています」(美容・健康関連商品通信販売事業部・マーケティングリーダー・眞弓隼人氏)
2021年までに年商1000億円を目指す
『100の事業と100のリーダーを生み出す』ことをひとつのミッションとして掲げる株式会社INKでは、『INKを日本になくてはならない企業へ、そして、いつか世界を代表する企業へと成長させる』というビジョンに本気だ。
「メンバーひとりひとりが幸せなビジネスライフを送れていないのに、顧客を幸せに出来るとは思えないのです。だから、“仕事が充実していて楽しい”と思える会社にしたい。そのためには、ひとりひとりがチャレンジ出来て、活躍出来て、夢を見られる場所であり続ける必要がある。だからINKは成長し続けなければならないのです。」(二宮氏)
実際に、創業以来、次々に新たな事業を立ち上げ、そしてどの事業も成長を続けている。すでに説明した3事業の他、広告代理事業にも進出し、2017年4月までの間に3つの新規事業のスタートさせる予定だという。広告代理事業では、スタート2カ月目で月商5000万円を達成している。
「新たな事業を起こす上で、やって良いことと悪いことというのは勿論あると思います。それを踏まえた上で、徹底的にスピードにこだわりチャレンジします。私たちのスキルや情熱で“より良い未来へと貢献出来る”のなら、出来る限り積極的に飛び込んでいくのです。それが、当社のスタイルでもあります。
そうすると、なおさらにメンバーの成長と活躍が重要にもなります。当社では研修などにも手は抜かないですし、重要なポジションでも、年齢や在籍期間など関係なく、実力とやる気のある社員にどんどん任せます。そして私自身も、もっともっと成長しなければと思っています。」(二宮氏)
同社が、ここまでスピードにこだわるのには理由があると、二宮氏は続ける。
「事業展開に限らず、ビジネスにおいてスピードが早いということは、失敗も成功も早く体験出来るということです。これは、誰よりも先に未来を見ることができるのと同じなのです。先に未来を見ることができるというのは、テストでカンニング出来るようなもの。だから有利になる。今は平凡かもしれないけど、これを繰り返していけば、突出した圧倒的存在になることも可能だと信じています。」
スピードへのこだわりも、目標を実現するために欠かせない要素の一つなのだ。
大きなビジョンを実現するための当面の目標が、2021年までに年商1000億円を達成することだと二宮氏は語る。まずは、この目標を目指してエネルギーを燃やせる人、達成するために何をすればいいかを考えられる人を仲間に加え、「これからのINKを担うメンバーを増やしたい」と考えている。
キャパを上回るミッションに挑戦できるから着実に成長できる
株式会社INKの急成長を支えているのは、間違いなく“人”だ。その点、同社には、「社員が短期間で成長できる環境がある」と語るのは、創業メンバーの一人であり、事業戦略室の菅勇氏だ。
「通常、一つの仕事を任せられるまでには、数年という時間が必要になるものです。しかし、当社は、1年目であっても、意欲とある程度の実力があれば、裁量を持って仕事に取り組むことができます。そのスピード感に最初は戸惑うこともありましたが、自身の実力を多少上回るミッションに挑戦し続けられる環境は、着実に自分を成長させてくれます。それに、手を挙げれば、業務の幅を積極的に広げていくことも可能です。私も、元々はデザイナーとしてのスタートでしたが、様々な経験を経て新規事業の起ち上げを任されるようになりました。」
こういった社員の成長意欲を支援するための環境づくりにも注力している。状況を鑑みながら、メンバーに足りないスキルや伸ばしたいスキルを設定し、毎日30分~1時間程度の勉強会を開いている。さらに、各人が培ったノウハウを会社としての知見とするため、情報共有ミーティングを定期的に開き、社員全員に装着する機会を設けているとも。
「成長意欲が高く、2021年までに売上1000億円という共通の目標を持った社員が集まっているため、社員同士の距離が近く、切磋琢磨する雰囲気が自然と醸成されています。当社は、大きな会社ではないので、その分、社員一人ひとりが活躍できる、主役になれる環境づくりには、気を配っているつもりです。ただし、モチベーションというものは、他人に上げてもらうたぐいのものではありません。だからこそ、当社の環境を利用して“今日の自分より少しでも成長して明日を迎える”と、自ら前進していける人を求めています。そして、そういう社員が一人でも多く集い、日々挑戦を続けていくことができれば、当社は、まだまだ成長していけます」(二宮氏)
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