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裁量労働制で過労死ライン超え、労組も頼りにならない職場…対処法は? 労働弁護士が徹底解説

弁護士ドットコムニュース / 2023年2月13日 9時59分

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裁量労働制で働いていた福岡銀行の行員が、「過労死ライン」を超えるような時間外労働をしたとして、同銀行から慰謝料など約465万円の支払いを受けていたことを西日本新聞(1月22日)が報じました。

報道によると、行員側が裁量労働制の適用を不当として未払いの時間外手当などを銀行側に請求。銀行側は交渉の長期化を受けて「早期解決」を図るためとして、時効消滅していない過去2年分の未払い時間外手当や慰謝料などを支払ったとのことです。

裁量労働制は、実際の労働時間とは関係なく、あらかじめ定められた時間を労働時間とみなして給与を支払う制度です。2018年の働き方改革関連法案で対象業務の拡大が法案化(最終的には削除)に至るなど、拡大を目指す動きが出ています。

今回のケースは結果として銀行側が行員の請求に応じた形となり幕引きとなりそうですが、同じような状況となった場合どう対処すればいいのでしょうか。裁量労働制に詳しい西野裕貴弁護士が解説します。

●「定額働かせ放題」を認める裁量労働制

裁量労働制は「定額働かせ放題」を認める制度ともいわれています。

「裁量」という言葉を聞くと「自由にできて良さそう」というイメージを持ちますし、適切に運用されれば労働時間を自由に決められるなどのメリットもありますが、裁量労働制には過労死、過労自死の温床になりかねない危険な側面もあります。

裁量労働制の危険な側面から身を守るにはどうしたらいいのかについてお話ししたいと思います。

●裁量労働制とは?

裁量労働制には、「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があります。福岡銀行で問題になったのは「企画業務型」の方ですので、今回はこちらの説明をしたいと思います。

企画業務型裁量労働制は、事業全体に関わる企画、立案、調査、分析の全てを行う業務で、業務を適切に行うのに、仕事の進め方を労働者の裁量に委ねる必要があって、仕事の進め方、時間の使い方を雇い主が具体的に指示しないことにする業務のことをいいます。

この記事を読んでいただいている皆さんの中には、仕事の中で何かを企画したり、立案したり、調べたり、分析したりすることがある方が多くいらっしゃると思います。おそらく、これらの内容をすべて含んだ業務は結構多くあるのではないかと思います。

そうすると、実際には対象業務は限られているはずなのに、かなり多くの仕事がこれに該当しそうに思えてしまいます。

そう、それがまさに問題なのです!!

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