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山上被告、公選法違反でも立件 安倍氏銃撃、五つの容疑で追送検

毎日新聞 / 2023年2月13日 19時30分

奈良県警奈良西署から送検される山上徹也容疑者=奈良市で2022年7月10日午前8時59分、滝川大貴撮影

 奈良市で参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相(当時67歳)が銃撃され死亡した事件で、奈良県警は13日、同市の無職、山上徹也被告(42)=殺人罪などで起訴=を無許可で銃を製造したとする武器等製造法違反や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設への建造物損壊など計五つの容疑で追送検した。首相経験者が殺害された戦後例のない事件は、発生から約7カ月を経て県警の一連の捜査が終結した。

 事件は街頭演説に集まった公衆の面前で起き、演説は中止に追い込まれた。このため県警は民主主義の根幹である選挙活動を妨げた点を重視し、公職選挙法違反(自由妨害)容疑でも立件した。

 山上被告は母が入信した旧統一教会への恨みから、教会の活動を国内で広めたと考えて安倍氏を襲撃対象に選ぶようになった。捜査関係者によると、襲撃の1年以上前の2021年春ごろから手製銃の製造を始めたとされる。

 県警は事件後、山上被告の自宅から事件に使われたのとは別の手製銃6丁を押収。山上被告が弾丸の発射に用いた火薬を農業用肥料などから自作したり、奈良県内の山中で試射を繰り返したりしていたことについて裏付け捜査を進めてきた。

 県警は鑑定で、これらの手製銃には十分な殺傷能力があると確認し、山上被告の一連の行為が、武器等製造法違反(無許可製造)や銃刀法違反(複数所持、加重所持など)、火薬類取締法違反(無許可製造・所持・消費)に当たる疑いがあると判断した。

 さらに、安倍氏を襲撃する前日の22年7月7日早朝には、奈良市内の教会関連施設に手製銃を試射したとして建造物損壊や銃刀法違反(発射、加重所持)容疑も適用した。

 県警は追送検の各容疑について山上被告の認否を明らかにしていない。奈良地検は近く、山上被告を各罪に問うか否か、判断する。

 山上被告は22年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で演説中だった安倍氏を背後から銃撃して殺害したとして、23年1月13日に殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)の罪で起訴された。

 県警が一連の捜査を終えたことを受け、安枝亮本部長は「安倍氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。山上被告に関する全ての余罪を追送検したが、県警が警護に当たる中、このような事態を発生させたことは痛恨の極みであり、引き続き、全職員が一丸となって、県民・国民の皆さまの信頼回復に努めてまいります」とのコメントを発表した。【吉川雄飛、川畑岳志】

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