米気球も「昨年から不法侵入」と中国=批判応酬で緊張緩和困難に
時事通信 / 2023年2月13日 22時34分
【北京、ワシントン時事】中国外務省の汪文斌副報道局長は13日の記者会見で「米国の気球が昨年1月から十数回中国領空に不法に侵入している」と述べた。米軍が中国の「偵察気球」を撃墜し、両国間の対立が深まる中、汪氏は「米国は中国を中傷するのをやめて反省せよ」と強調。これに対し米国は中国側の主張を否定しており、緊張緩和が困難になる恐れがある。
米軍機が4日、米サウスカロライナ州沖で偵察気球を撃墜して以降、中国側が国内に米国の気球が飛来したと指摘するのは初めて。汪氏は詳細については説明せず、「米国は技術を乱用し、同盟国を含む世界中で大規模な機密窃取を行っている」と主張。「(米国は)他国の主権と利益を侵害している」と激しく批判した。
米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は13日、ツイッター上で中国側の主張について「偽りだ」と否定。「米国や40カ国以上の主権を侵害し、情報収集のための気球を飛ばしているのは中国だ」と反論した。
偵察気球について、中国側は当初、「民間用の気球が迷い込んだ」として「遺憾」の意を表明していたが、米側が気球を撃墜し中国批判を強めると態度を硬化。中国外務省や国防省は「必要な手段で類似の状況に対処する権利を留保する」などとして対抗措置の可能性を示唆していた。
米軍は4日に偵察気球を撃墜した後も、10日から3日連続で、米・カナダ間のヒューロン湖上などで未確認飛行物体を撃墜した。これらの物体と中国との関連は不明で、残骸を回収して分析する方針だ。
一方、12日には一部の中国メディアが、山東省青島市の周辺海域で「正体不明の飛行物体」が見つかり、撃墜準備がされていると報道した。米中両国が双方の「偵察気球」に対する非難の応酬を続ければ、事態の沈静化が遠のく可能性がある。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
中国、10回以上にわたる米気球の領空飛来を主張 米側は否定
ロイター / 2023年2月14日 10時4分
-
米「中国へ気球飛行」は虚偽 飛行物体、正体不明のまま
産経ニュース / 2023年2月14日 6時34分
-
中国、10回以上にわたる米気球の領空飛来を主張 米側は否定
ロイター / 2023年2月14日 0時53分
-
中国、米気球が10回余り飛来と主張 「米国は最大のスパイ常習犯」
産経ニュース / 2023年2月13日 21時39分
-
中国、米気球が領空侵入「昨年以降10回以上」と主張
AFPBB News / 2023年2月13日 19時40分
トピックスRSS
ランキング
-
1パンや衣類、廃棄相次ぐ=支援のずれ拡大―トルコ被災地
時事通信 / 2023年2月13日 14時9分
-
2死者3.5万人、さらに増加も=今世紀5番目、被災者2600万人―シリアも被害深刻・トルコ大地震1週間
時事通信 / 2023年2月13日 21時11分
-
3ロシア民間人女性、「防衛隊」結成 ウクライナ教訓に戦闘訓練
AFPBB News / 2023年2月13日 22時47分
-
4米政府、中国の「米気球飛来」主張を否定
ロイター / 2023年2月13日 22時44分
-
5部下射殺の警察幹部に死刑=求刑上回る判決―インドネシア地裁
時事通信 / 2023年2月13日 22時43分
ミッション中・・・
記事を最後まで読む