勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
膨張・巨大化する陰謀論の刃から国民の安全を守ってほしい
彼らの目的はやはりジェンダーバックラッシュであり、日本のフェミニズム運動やそのキーパーソンである仁藤夢乃氏(Colabo代表)の影響力を削ぐことではないでしょうか。実際に、反Colabo運動は、現在政府が制定を目指し、仁藤氏も有識者会議に参加している「困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針」へとターゲットを拡大させています。
また、「男女共同参画予算を削れ」「女性支援ではなく別(たとえば自衛隊)に公金を使うべきだ」といった主張もしています。性売買クラスタによるAV新法改正運動や、性犯罪をめぐる刑法見直しへの反対運動等とも連動しています。
このように、様々な面において「ジェンダー平等に逆行する政治的な動き」を展開していることから、かつて旧統一教会(世界平和統一家庭連合)や安倍晋三氏らが起こしたとされるバックラッシュに代わり得る、ネット発祥の新しい「サイバージェンダーバックラッシュ」だろうと思うのです。韓国における女性家族省廃止の動きとも類似性があるように見えます。
一方で、旧統一教会のジェンダーバックラッシュとは異なる特徴があります。それが、「露出志向」と「過激性」です。旧統一教会は水面下に潜って権力者・有力者にアプローチする傾向がありましたが、反Colabo運動はSNSやメディアを駆使して大々的な露出を試みています。
また、リーダーによって統率された組織運動ではないためか、Colaboがカフェとして使用しているバスへの傷つけや、迷惑系YouTuberによる妨害行為等、一部が過激化しやすいのもその特徴でしょう。ただし、それは反Colabo運動に限らず、主体である「女性蔑視表現クラスタ」が備え持った性質だと思います。
というのも、同様の過激な攻撃は日頃から頻繁に発生しているからです。たとえば、2022年11月、前衆議院議員の尾辻かな子氏が、JR大阪駅構内のゲーム広告を批判した際も、「殺す」などと脅迫するメッセージが複数回送られてきたそうです(「SNSでジェンダー問題発信 声上げる女性へやまぬ攻撃 ゆがむ日本」 毎日新聞、2023年1月16日)。
私自身も「論座」では「おっぱい募金」「志布志市のウナ子CM」「壇蜜の宮城PR動画」「HKT48の歌詞、頭からっぽでいい」等と、女性差別・女性蔑視の広告・表現について多数の批判をしてきましたが、その都度彼らによって「反論」の度を超えた誹謗中傷を多々受けてきましたし、殺害予告の脅迫をされたこともあります。
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