「ロシアの勝利か人類滅亡かの二択…ロシアが敗けることはない」

ドゥーギン氏「この特別軍事作戦は軍事的な側面で見ると、失望に近いものになったと思います。2月24日に我々が行った先制攻撃によって敵は混乱し(負ける)と思っていました。素早く勝利が出来なかったことは社会を失望させたということを強調したいです。」

ドゥーギン氏によれば当初はウクライナとの単なる紛争という位置づけだと国民は思い、すぐに勝利しないことに失望していたが、その状態は秋ごろから徐々に変化していったという。そのきっかけは、9月に踏み切った部分動員。そしてヘルソンからの撤退を発表した11月にプーチン氏が、伝統的な価値の保護に関する第809号の法律に署名したことだと言う。これによってロシア的なものでないことや外国勢力とのつながりを持つことなどが厳しく制限された。

ドゥーギン氏「国民はこの対立の規模を理解し始めました。これは限定的な反テロ作戦や領土の統合ではなく、文明の戦いだということを国民が理解し始めたのです。特別軍事作戦の目的を国民も政府も理解している通り、多極世界の構築であり、ロシアは中国やイスラム諸国や南米諸国等と同様に独立した極になります。一極集中の世界と多極世界との戦いである長期的で大変な戦争に準備しなければならないということを理解したのです。」

90年代、経済を優先しロシアを発展させてきたエリート層やオリガルヒと呼ばれる超富裕層は“プーチンの戦争”にこれまで反対を示してきた。ドゥーギン氏はこのような層が、私利私欲に走りロシアをダメにしてきたと非難した上で、そうした人々の声は、今はもうなくなっていると言う。

「これは国民戦争です。今この戦争はロシア社会にとって聖なる戦争です。ロシア社会はかろうじて第3次大祖国戦争に適応しようとしています。第1次大祖国戦争は1812年のナポレオンとの戦争で、第2次大祖国戦争は1941年~1945年の戦争です。私たちは欧米との戦争に入ったということを国民が理解し始めました。勝利するまでは欧米との交渉、ましてや操り人形のウクライナとの交渉はありえないということはわかっています」

ロシア国民はこの戦いをナポレオンやナチスと同じように西側を見立て、祖国防衛のための戦争考えるようになったと主張するドゥーギン氏。この戦争にどのような終わり方があるのか尋ねると・・・

ドゥーギン氏「ロシアが勝利するか、人類滅亡になるかの2択です。3つ目のシナリオはありません。我々は勝利しなければ止まることがないのでこの戦争はいつまでたっても続く可能性もありますが、人類滅亡であっという間に終わる可能性もあります。西側がロシアかベラルーシに対して戦略核兵器、戦術核兵器を使えば、もうおしまいです。NATO諸国が直接参加すれば状況が緊迫化し終末の日が早まります。ロシアはこの戦争で負けることはないということを理解しないといけません。クリミアや4つの新しい地域だけを失うだけではなく、自分自身を失うからです。ロシアのすべての人がそれを分かっています。ウクライナは既に存在しません。もう終わっています。勝利することはありません。ロシアに負けるか、全人類とともに滅亡するかです」