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(舞)よし…。
(史子)私 梅津さんの短歌が大好きです。
(貴司)舞ちゃん。
(久留美)ホンマの気持ちに向き合った方がええ。
貴司君のこと 好きなんやろ?
・(めぐみ)舞! 夕方から 雨降るて!
分かった ありがとう!
♪~
♪「公園の落ち葉が舞って」
♪「飛び方を教えてくれている」
♪「親切にどうも」
♪「僕もそんなふうに」
♪「軽やかでいられたら」
♪「横切った猫に」
♪「不安を打ち明けながら」
♪「ああ 君に会いたくなる」
♪「どんな言葉が 願いが景色が」
♪「君を笑顔に幸せにするだろう」
♪「地図なんかないけど歩いて探して」
♪「君に渡せたらいい」
♪「道のりと時間を花束に変えて」
♪「君に渡せたらいい」
♪~
(山田)明日 名古屋やっけ?
そうです。 名神プレステックさんに。
(藤沢)お土産は 手羽先でええよ。
うわ 厚かましい!
食べたいやろ?(めぐみ)食べたいやろ?
(雪乃)そない弱気で どないすんの!ホンマ。
(梅津)せやで。 IWAKURAのめぐみさん見習わな。 ほんなもん。
私?
(雪乃)金属加工やってる的場さん。
お父さんから工場継いだとこやねんけどなまあ えっらい後ろ向きやねん。
(的場)このまま工場続けたとこで明るい未来あんのかなぁて…。
ク~!ええか こちら IWAKURAの社長さんや。もう崖っぷちやったな 工場立て直しはったんやで!この娘さんと一緒にな。舞ちゃんはなパイロットなるはずやってん。せやけど お母さん支えたい言うてなほんで 工場で働くことを選んだんや。
母と娘 力合わして IWAKURAをどんどん発展させてってるところや。
あんたも元気出し! もう 分かった?
分かった。(御園)分かりません!え?
あの…どうして社長になられたんですか?
社長やった夫が 亡くなりまして…。
そうなんですか…。 工場では何を作ってらっしゃるんですか?
ねじです。ねじ!はい。
あ… あの…。
すみません 申し遅れました。
私 毎報新聞社の御園 純と申します。
(藤沢)新聞…。ああ…。
IWAKURAの岩倉めぐみと申します。よろしくお願いいたします。
あの… これは どの辺なんですかね?ああ すぐそこです。
ああ ハハハ… もう転勤してきたばっかりで土地勘がなくて。
よろしければもっとお話聞かせていただけませんか?
まあ よろしですけど…。ありがとうございます!
(山田)もしかして 取材ですか?(藤沢)えっ 新聞に載ります?
そのつもりです。え~!いかがでしょうか?
いや~… ありがたいです。
弊社は 今 人手不足で困っておりまして。
求人出しても 人が来えへんもんで。
では これから お邪魔してもかまいませんか?
これから…。あっ はい。 私が 工場 ご案内いたします。
活気がある工場だね。ありがとうございます。
(土屋)すんません これでええですか?あっ ありがとうございます。
これが 今 弊社で作ってるねじです。
今 時間ある?インタビューさせてもらってもいいかな?
私にですか?うん。
さっき見せてもらったの。あなたが機械動かしてるとこ。
(土屋)ああ…。座って。
珍しいよね 女性の職人さん。はい。
これ あなたが作ったねじ?そうです。
ここが うまくいって…。
(御園)その手…。
ああ 洗っても取れへんから。
マニキュアとか映えなくて 嫌じゃない?
全然。 マニキュアより かっこええでしょ。
そんなふうに思うんだ!ねえ 何で この会社に入ったのか詳しく聞かせて。
ものづくりをやりたくて。うん。
IWAKURAを見学した時 先代の社長がねじ見せてくれはったんです。
これは うちでしか作られへんて言わはった時の得意げな顔ええなぁ思て。いいね。
(尾藤)何やってんの?
あっ 新聞の取材が来られてて…。(小森)へえ~。
あの 俺 何でもしゃべりますけど。ありがとうございます。
でも 結構です。(尾藤)そうですか…。
(御園)はい。 あっ もう少し全体的に右に。
ああ いやいや… えっと 半歩左に。こっち こっち。
はい! オーケーです!
撮りま~す。はい ね~じ!(シャッター音)
(一同)ね~じ!(シャッター音)
ああ… パワフルな記者さんやったなぁ…。
インタビュー 女の人ばっかりでしたね。(めぐみ 山田)うん。
どんな記事になるんでしょ。
私の失恋話 載りませんように…。
そんな話までしたんですか?うん。
ねじれ込んだ話を いろいろと。(笑い声)
(史子)お邪魔します。
いらっしゃい。
今日 締め切りの短歌 できました?
1首だけ。
ほな あと9首ですね。
これ差し入れです。
秋月さん コンビニで働いてんの?はい 今は。
今は?
いろんなとこで働いてきたんです。ふ~ん。
父がギャンブルばっかりのどうしようもない人で…。
家出して 大阪出てきたんで一人で生きていくために いろいろ…。
高校中退してると雇ってくれるとこも少なくて。
そっか…。
けど 何か うれしいです。
こうやって誰かとお茶することなかったから。
ずっと独りぼっちで…。
誰にも話されへん気持ち短歌にすることで毎日をやり過ごしてきました。
そんな時に梅津先生の短歌を読んだんです。
(史子)この作者はひっそり死んだ小さい虫に自分を重ねてる。
もう どれだけ孤独なんやろって…。
沈んでいったんは 僕やなくて僕の孤独やねん。
♪~
こんにちは。
いらっしゃい。
舞ちゃん お茶飲む?
ああ 私が やります。先生は 締め切りに集中してください。
ああ いや お構いなく。すぐ帰りますんで。
これ 物産展のお土産。ありがとう。うん。
ごめんな 一緒に行かれへんで。
ううん。
短歌 書けた?
1首だけ…。
読んでもええ?
ありがと。
ごめん 分かりにくいか。
いや…。あの 見せていただけます?
うん。
本歌取りですね。
ほんかどり?
平たく言えば オマージュです。
有名な歌の一部を使って新しい歌を作ることです。
紀 貫之に…
っていう歌があるんですけど…。
これ その歌の本歌取りですか?
分かるん?(史子)フフフ もちろんです。
あ… 分からへんのも しゃあないです。
梅津先生と私には共通の知識があったから読み取れただけで。
これまでの先生の歌と違って寒々しい怖さがあると思います。
この調子で あと9首頑張ってください。
ありがとう。
ほな 帰るな。(貴司)えっ もう?
うん お土産も渡せたし。
頑張ってな。
あ…。
舞さん!
忘れもんです。
ああ すいません ありがとうございます。
ほな。私…。
梅津先生と しゃべってると包み込まれるような安らぎを感じるんです。
今日も ホンマは 差し入れだけお渡ししてすぐ帰るつもりやったんです。
けど… もっと一緒におりたいって思ってしもて…。
今 梅津先生は 歌人として一番大事な時期です。
すばらしい第一歌集を出していただくために私も精いっぱい支えたいなって思ってます。
そやから 先生のそばにおること悪く思わんといてくださいね。
じゃあ…。
♪~