ケーキ製作の担当者も同じく、クレア・プタックという異例の選択だった。彼女が営む「ヴァイオレット・ベーカリー(Violet Bakery)」は、イーストロンドンの街ハックニーの緑豊かな通りにひっそりと佇む、王室御用達というよりはクリエイティブで地域密接型のお店として知られていた。
「ヘンリー王子とメーガンが私たちのような個人経営店を選んでくれたことに心から感謝しています」と、ウエディングを1週間後に控えたクレアはVOGUEに語っていた。
そもそもの事の始まりは、メーガンが2015年に出版されたクレアのレシピ本「The Violet Bakery Cookbook」を目にしたことがきっかけだった。彼女は、自身のライフスタイルブログ「The Tig」でのインタービュー交渉のためにクレアに連絡を取っていたのだ(このブログは王室との婚約のニュースが出た後閉鎖された)。それから3年が経過したある日突然、クレアは再びメーガンから電話を受けることになる。
「彼女から、ケンジントン宮殿に来て、ウエディングケーキのデザインを数種類ほど提案してもらえないかと依頼されたんです。そこで、結婚式が行われる春の花と、私のお気に入りのフレーバーをもとに構想を練り始めました」と、当時を振り返った。
ポイントは産地とサステナビリティ。
パティシエのクレア・プタック。 Photo: Sophie Davidson
クレアが提案した最初のケーキ「アマルフィ海岸産レモンとエルダーフラワーシロップを使ったスポンジケーキ」は即採用された。
「産地とサスティナビリティという、私が重きを置いている価値観を王室とシェアできたことが嬉しかったです。特にヘンリー王子は高い関心を持ってくださっていて、彼の父親チャールズ皇太子も有機農業を大いに支持しています」
2人の記念すべき日のために、クレアはノーフォーク州にあるエリザベス女王の別荘サンドリンガム・ハウスからできる限りの材料を調達した(残念ながら、ウエディングケーキはオーダーメイドなので、彼女の店「ヴァイオレット」で今回のウエディングと同じフレーバーのものが販売されることはない)。
カリフォルニア生まれの少女が王室のウエディングケーキを作るまで。
2人のウエディングケーキには、牡丹とバラでエレガントにデコレーションを施した。 Photo: Sophie Davidson