京都府宇治市の食品店が販売した生食用牛肉を食べた高齢女性が死亡した集団食中毒で、京都府警生活保安課と宇治署は10日、食品衛生法違反の疑いで、食品店の運営会社「ジィーシーエム」(同市広野町)と男性社長(55)=京都市中京区=、男性店長(49)=宇治市=を書類送検した。
書類送検容疑は、共謀して昨年8月中旬~9月2日、同社が運営する食品店「MEAT&FRESH TAKAMI」(同市広野町)で、加熱用の肉と同じ調理場や包丁、まな板、手袋を使うなど、同法の基準を満たさずに生食用食肉を加工し、約74キロを調理した疑い。
府警によると、同店が「レアステーキ」として売っていた牛肉は加熱が不十分で、実際は生食に該当するユッケやタタキの状態だった。2人は「(商品名を)偽って売った」「収益のためだった」などと話している。同店の「レアステーキ」は、20年1月までの8年間で約4800万円の売り上げがあったという。
府によると、昨年8~9月、同店の「レアステーキ」などを食べた小学生から90代の男女40人が腹痛や下痢などの症状を訴えた。このうち府南部の90代女性が腸管出血性大腸菌O157と診断され、同9月15日に死亡した。
