1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

魚が獲れない日本「養殖でいい」は甘すぎるワケ 世界人口80億人、供給が追いつかない水産資源

東洋経済オンライン / 2023年2月9日 8時0分

TACの設定が進まない理由としては、漁業者の理解が得られないからと聞くことがあります。漁業者の理解が得られないのは、海外の資源管理の具体的な成功例に関する情報をもっていないことがよくあります。

世界の成功例には目を背け、資源量が減り続けていてもPDCAサイクルを回すこともなく、海水温上昇や外国に責任転嫁ばかりしている状況ではないのです。

「過ちて改めざる、これを過ちという」(孔子)という言葉があります。これまでの水産資源管理に関しては、残念ながら誤っていました。その結果、世界の中で日本だけ資源量が減り続け、漁獲量も減り続けています。その現実と改善方法を2022年8月から連載を始め、データを基に分析してきました。無謬性により、誤っていても改めず突き進む先にあるのは、さらなる水産資源の減少だけです。

80億人を超えて増え続ける人口増加と、それに伴う水産物の供給不足に対する対応は「待ったなし」です。科学的根拠に基づく資源管理をせずに、小さな魚や、資源が減っている魚を産卵期に獲っている余裕はありません。

記事を通じて一人でも多くの方に、魚をめぐる日本の危機とその対応策「科学的根拠に基づく資源管理」に気づいていただけるよう願っています。

片野 歩:水産会社社員

あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング