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人気VTuberの不適切改変イラストをツイート、著作権侵害で開示命令 今後につながる判決

弁護士ドットコムニュース / 2023年2月11日 8時19分

「中の人」は、外見がアニメキャラクターであったり、特定のキャラクター設定はあるものの、それ以外は自分の声で話し、モーションキャプチャにより自分の動きを反映し、自身に関する出来事も話題にして配信したりするものですので、キャラクターには「中の人」の人格が反映されているものといえると思います。

今回ツイッターに投稿された問題になった画像は、実際の配信の静止画に表示されるキャラクターについて、吊り縄の絵や、「死ぬ ぺこ」というテキストをつけられたうえ、さらに動画タイトルにはキャラクター名とともに、「【首吊り】VTuber初!自殺配信するぺこよー!」などとするものです。

画像が投稿されれば、実際にこのような内容の動画を「中の人」が配信したとの誤認を招く可能性があります。配信していないのに、「自殺動画」というネガティブなタイトルの動画を配信したことにされることによって、「中の人」の名誉感情は侵害されると思います。

また、同定可能性の問題(「中の人」が誰であるかという問題)をクリアできれば、名誉権の侵害も認められるのではないかと思います。

2月20日からは、裁判所が認めれば匿名で民事訴訟を起こすことができるようになります。そうは言っても、「中の人」が前面に立って対応することはやはりハードルが高いので、事務所側に積極的に法的対応を取って欲しいと思う部分はあります。

【取材協力弁護士】
小沢 一仁(おざわ・かずひと)弁護士
2009年弁護士登録。2014年まで、主に倒産処理、企業法務、民事介入暴力を扱う法律事務所で研鑽を積む。現インテグラル法律事務所シニアパートナー。上記分野の他、労働、インターネット、男女問題等、多様な業務を扱う。
事務所名:インテグラル法律事務所
事務所URL:https://ozawa-lawyer.jp/

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