防衛費増額の理由のひとつ 失敗確実な「国産戦闘機」開発をやめれば4兆円も浮く
第2には納期が読めない問題である。航空機開発は計画遅延が常態化している。戦闘機製造で二流の英伊、三流の日本では、その弊害も大きくなる。いつ完成するかはわからない。しかも、その間に米国は次世代戦闘機NGADを完成させるだろう。FXよりも1世代分は新しい戦闘機だが、開発順調である。FXは旧式機となる運命にある。
第3が予算超過である。現時点での事業総額はざっと3.5兆円といわれている。実際には5兆円は必要となるだろう。航空機の開発費や生産単価も超過が常態化している。
これも国産のF2戦闘機やP1哨戒機、C2輸送機がたどった道である。ちなみにC2は、搭載重量3倍の米輸送機C17と同じ値段となった。このFXをやめれば防衛費増額の必要性は減る。その代わりに1機100億円で買えるF35を100機買い増しすれば、合計1兆円で済む。5兆円から差し引き4兆円を節約できるのである。