渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

人間の知恵

2020年07月16日 | open



このノギスという計測器具なんですけど
ね。
私、これ考えた人は天才ではなかろうか
と思うんですよ。ネジの発明位の大発明
なのでは、と。

幅広のフラットグラインドのため、ナイフ
でのバトニング薪割りには向かないナイフ
なのだが、何故だか安心できる一丁。
これは造形から来る印象だ。あくまで
イメージ。
これはリアルスチールのガルダリク(廃番)
だ。実用的にも悪くない。


最近、リアルスチールはじわじわと人気
が出て来て、ブッシュクラフトに特化させ
たモデルも出ている。
抜け目ない日本のナイフショップは、早々
にリアルスチールにショップカスタムとし
てハンドル材にナチュラルウッドをあし
らったオリジナルモデルを販売し始めた。
それがまた飛ぶように売れている。
ブッシュクラフトが人気なのかしらね。
私は2012年にブッシュクラフトという
個別呼称が日本に上陸する前から、中身
は今のブッシュクラフトという物をやって
いたので、「あー、新しい呼び方を輸入し
たのかあ」程度にしか思っていなかった。
ブッシュクラフトは森に入って野営活動を
する事であり、そこで多くの生存サバイバ
ル的知恵が試される。
多くの軍隊や傭兵部隊ではサバイバルに
ついての特殊知識と訓練を施すが、それら
はまさにブッシュクラフトそのものだ。
典型的なのは、横井さんや小野田さんね。
昭和環太平洋戦争が終結したのを知らずに
南方のジャングルに昭和40何年まで20年
以上も潜んでいた日本軍兵士。
彼らはブッシュクラフトを継続させる事
によって密林の中でサバイバルを成功させ
て、文字通り生き残って来た。

現代版ブッシュクラフトは、戦争とは関係
なく、平和時に森林に入り、森と共生しつ
つ人間とありとあらゆる生命を見つめ直す
活動の事を指す。
そのため、何もナイフで薪割りなどせず
とも、メタルマッチの火花で火をつけず
ともブッシュクラフトの核心部分を認識
して活動すれば、それは真にブッシュクラ
フトとなる。

フライフィッシャーの多くがキャッチ&
リリースをするのは、それはスポーツ
フィッシングである事と、資源確保の観点
からだ。お魚さんがかわいそうだからでは
ない。魚がかわいそうならば、鉤など投げ
てはいけない。人間のエゴを美化してごま
かしてはならない。
フライフィッシングの場合も、何がなんで
もフライならばC&Rである、とするのは
視野狭窄な偏頗な考えであると同時に、
本質的な核心部分を曖昧にさせるよくない
発想だ。

ブッシュクラフトにも同じ事がいえる。
ブッシュクラフト=ナイフ薪割り+メタル
マッチ火花での焚火という短絡発想は、
明らかにブッシュクラフトの本質を見よう
としない短絡思考であり、間違っている。
それは、「バイク乗る人=不良、暴走族」
というような愚かな発想と同地平にある
うがった見方なのである。

ブッシュクラフトマンは、森の中でフライ
フィッシングをやる場合、釣ったマスは
リリース前提ではない。食べる数だけ釣
る。餌マンのように釣れるだけ釣ってマス
を捨てたり、人に配ったりするような事は
絶対にしないのは毛鉤釣り人に共通する
事だが、ブッシュクラフトマンは食う事を
前提として釣る。
本来、フライマンもそうである。
C&Rはあくまで手段であり目的ではない。
C&Rのみを絶対条件とする釣りなどは、
管理釣り場以外では間違っている。
食うか食わないかは、釣った人間が決める
事だ。
ただ、食う事前提のフライフィッシング
でも、魚体が小さかったり、狙ったマス
でなかったりしたらリリースする。
前者は漁業規則と生態保護のためであり、
後者は魚種選別のためだ。ドロハヤが
釣れてもそれを食う人はいない。
フライフィッシングは基本はマス族のみ
を狙うが、他の魚種を狙う場合には、別
な理由がある。

要するに、固定観念での決め付けをしては
だめなんじゃない?ということなのだ。
特に、ブッシュクラフトなどは、森が教え
てくれることは多いので、あまりその点
を念頭におかない固定的観念でヒャッハー
的なレジャー感覚で、猫も杓子もバトン
バトン、フェザー作ってメタルファイア
だ右ならえだと、どんどんそれはブッシュ
クラフトから逆に離れて行くのである。


このマーク、なんだろう。
鹿さんにしてはなんだか牛さんみたいな
顔だし。うーん。わからん。
あ。ハードな使い方したら根元刃こぼれ
してる。うーむ。あんまし良くない鋼か
も、9Cr14MoV。D2程の刃こぼれでは
ないけど、どうみてもATS相当ではない
ように思えるなあ。



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